まずこれだけは最優先!介護支援分野の重要ポイントの覚え方

介護支援分野の勉強は、ケアマネジャー試験最大の難所といっても過言ではないでしょう。
普段の業務では馴染みのない介護保険制度や国、地方自治体の事務、政令や条例に関する内容、地域支援事業…と、学習に苦戦する内容を挙げればキリがありません。

筆者の知り合いもそうでしたが、ケアマネジャー試験の受験を考えるも、試験対策テキストを少し読んだだけで受験を諦める人も少なくないのだとか。

実際に受験勉強を始めても、特に介護支援分野については何をどのような覚え方をすればいいか分からない人もおそらく多いのではないでしょうか。

この記事では実際にケアマネジャー試験を受験し、当サイトのコンテンツ作成のために毎日過去問に目を通している筆者が、介護支援分野の重要ポイントその覚え方について解説していきます。

介護支援分野の特に重要なポイントは次の5つです。
この5つに関しては、お手元にあるケアマネ試験対策テキストの掲載順をすっ飛ばして最優先で内容を覚えていくことをおすすめします。

介護支援分野の最重要ポイント

① 要介護・要支援認定に関する内容

② 地域支援事業

③ 居宅介護支援

④ 介護サービス情報の公表制度

⑤ 介護保険の財政に関する内容

なぜこの5つのポイントが最優先だと言えるのか、その理由についてそれぞれ解説していきましょう。

要介護・要支援認定に関する内容は、介護支援分野で毎年必ず設問として複数問出題されているポイントです。
ほぼ確実に出題されると分かっているポイントであるため、最優先で覚えていきましょう。

過去5年間で出題された問題数は次の表の通りです。

試験年関連する設問の出題数
2023年2問
2022年3問
2021年3問
2020年3問
2019年3問(再試験は2問)

出題されている内容は非常に多彩ですが、要介護認定に関する内容のうち過去5年で最も出題されている内容は認定調査に関するものです。

2019年の再試験を含め、選択肢としての出題も合わせると5回の試験で出題されており、近年の試験では目にしないほうが珍しい内容となっています。
そのため認定調査に関する内容については最優先で覚えていくことをおすすめします。

次に出題回数が多いものは要介護認定の判定に関する問題です。
こちらは選択肢としての出題を合わせて過去5年間で4回出題がありました。

そのほか、主治医意見書認定の申請に関する内容介護認定審査会については過去5年で複数回出題がありました。

このことから、認定調査 → 要介護認定の判定 → そのほか の順で覚えていくことが最もケアマネジャー試験の出題傾向に対応した覚え方と考えられます。
テキストを順に読んでいて勉強に行き詰った場合は、一旦他の内容は置いておき、まず認定調査と要介護認定の判定について整理してみてください。

地域支援事業に関する内容についても過去5年の試験ので1問または複数問、すべて設問として出題されています。
要介護認定に関する内容と同様、介護支援分野において最優先で覚えるべきポイントの1つです。

過去5年間で出題された問題数は次の表の通りです。

試験年関連する設問の出題数
2023年2問
2022年2問
2021年1問
2020年1問
2019年2問(再試験は1問)

地域支援事業は介護予防・日常生活支援総合事業、包括的支援事業、任意事業の3つが含まれていますが、このうち設問として出題されやすいのは介護予防・日常生活支援総合事業包括的支援事業です。

任意事業については2020年に設問として出題されましたが、任意事業に含まれる事業が選択肢として出題されることのほうが多く、設問として問われることは少ないです。

そのため、介護予防・日常生活支援総合事業と包括的支援事業の2つをまず優先して覚えていくべきですが、特に介護予防・日常生活支援総合事業のうちの一般介護予防事業から覚えていくことを個人的におすすめしています。
その理由に関しては↷の記事で解説していますので、よろしければ目を通してみてください。

上の記事でも触れていますが、一般介護予防事業に含まれる事業は設問の選択肢として出題されることが多く、過去5年間で再試験を含め4回出題されています。

ただ一般介護予防事業の内容について問われることは少なく、現状では含まれる事業の名称だけ覚えておけば試験対策として機能する可能性が高いです。
学習難易度が低い割にリターンが大きく、優先的に覚えることをおすすめしています。

包括的支援事業についても、含まれている8つの事業のうち社会保障充実分の4つの事業については名称だけまずは覚えておきましょう。
ただ包括的支援事業については、含まれる事業の内容配置される者に関する出題も多くみられるため、こちらも合わせて勉強するのがおすすめです。

そのため、一般介護予防事業 → 包括的支援事業(社会保障充実分) →そのほか の順の覚え方が、現状の試験対策としては効果的かと思われます。

包括的支援事業については↷の記事でも解説していますので、よろしければ目を通してみてください。

居宅介護支援

居宅介護支援も上記2つと同様、毎年介護支援分野で複数問出題されているポイントの1つです。
出題される問題の難易度が上で解説した2つのポイントよりもやや低い傾向がみられるため、優先順位は若干下がりますが学習の重要度としては高めです。

過去5年で出題された問題数は次の通りです。

試験年関連する設問の出題数
2023年2問
2022年3問
2021年3問
2020年3問
2019年2問(再試験も2問)

居宅介護支援に関する問題のうち、最も出題が多いのは指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準第13条の具体的取扱方針に関するものです。
分かりやすく書くと基本指針、人員基準、運営基準をまとめたものになります。

この3つのなかでは基本指針運営基準に関する問題の出題が目立ちます。
ただし、2024年の介護報酬改定により人員基準にも変更があったため、出題に注意しておきましょう。

旧) ケアマネジャーは利用者35人またはその端数を増すごとに1人配置
新)ケアマネジャーは利用者44人またはその端数を増すごとに1人配置

また、次に記載する内容も今後試験に出題される可能性があるため、覚えておくことをおすすめします。

2024年度介護報酬改定での変更点(ケアマネ試験に出題されると想定されるポイント)

・ケアマネジャーの配置基準の緩和

介護予防支援の指定を受けられる

身体拘束等の適正化の推進

・テレビ電話等でのオンラインモニタリングの解禁(2ヶ月に1回は利用者宅を訪問しなければならない)

運営基準に関してはほぼ毎年出題されているため、居宅介護支援の勉強を行う際は必ず優先して覚えていきましょう。
また、ケアマネジャーになってからも覚えておかなければ事業所の収益に関わってくるため、忘れないようにしておきましょう。

そのほかの出題は毎年異なりますが、居宅サービス計画に関する出題が若干多くみられる傾向にあります。
ただ基本的に幅広い居宅介護支援に関する知識が問われる問題の出題がされるため、ヤマを張るような覚え方はおすすめできません。

覚え方としては、 基本指針、人員基準、運営基準居宅サービス計画その他 の順で覚えていくのが現状の出題傾向に適した方法かと思われます。

やぴぃ

居宅介護支援の”介護報酬”に関する細かな出題は近年では減っているので、そこは後回しでも大丈夫だと思いますっ

介護保険財政に関する内容

介護保険財政に関する出題もほぼ毎年みられます。
問題の難易度が高めであることが多く、内容を理解していなければ失点に繋がる可能性が高いポイントです。
似たような単語や費用負担割合などを覚える必要があるため、苦手とする人も少なくないと思われます。

過去5年で出題された問題数は次の通りです。

試験年関連する設問の出題数
2023年2問
2022年2問
2021年2問
2020年2問
2019年3問(再試験も3問)

介護保険財政に関する問題のうち、出題が目立つのは介護保険料に関するものです。消滅時効に関する問題も含めると過去5年で5回出題されています。

普通徴収や時効、第1号被保険者と第2号被保険者の保険料の徴収や社会保険診療報酬支払基金の業務などに関する選択肢も目にする機会が多いです。
ただ毎年関連する内容をまんべんなく出題されているため、試験対策テキストでは介護保険財政に関するページの内容は特に力を入れて覚えておきましょう。

また、上記よりも出題頻度は落ちますが財政安定化基金調整交付金介護給付費の負担割合などの財政の理解が問われることも度々あります。

テキストを読み込むのもいいですが、介護保険法改正の影響を受けづらいポイントであるため、過去問等を駆使して出題傾向や類似問題を把握していき理解を深めていくのもおすすめの覚え方です。

やぴぃ

財政安定化基金については当サイトにケアマネ試験向けの解説がありますっ⤵

介護サービス情報の公表制度

これまでに紹介した4つのポイントより出題頻度が少ないものの、介護支援分野で出題される頻度が高まり問題の難易度にも難化傾向がみられるポイントです。

主要なケアマネジャー試験対策テキストでもほとんど記載されていない「介護サービスの提供開始時に事業者が都道府県知事へ報告すべき情報」のうちの従業員に関する問いが2023年度試験に出題され、一時話題となりました。

過去5年で出題された問題数は次の通りです。

試験年関連する設問の出題数
2023年1問
2022年1問
2021年1問
2020年出題無し
2019年出題無し(再試験では1問)

介護サービス情報の公表制度に関する出題は、その概要について問う問題が多く出題されています。
ただし、2023年試験や2021年試験のように「公表項目」や「報告すべき情報」について問う出題も見られるようになってきたため、ピンポイントに絞っての対策が難しくなってきています。

さらに2023年度介護報酬改定では、新たに居宅介護サービス事業者は都道府県知事に対して介護サービス事業者経営情報(財務諸表など)を報告することが義務付けられるなど、変化もありました。

出題される可能性が比較的高い概要基本調査票の項目についてはよくチェックしておきましょう。

なお、公表すべき項目についてはけあタスケル様(※外部リンク)にケアマネジャー試験に出題されているポイントの記載があります。

ここまで介護支援分野の重要ポイントとその覚え方、優先順位などについて解説しました。
この記事で紹介したポイントを完璧に近い状態まで覚えておくと、現状の出題傾向が続く場合には介護支援分野の合格基準点をクリアする可能性がグッと高まります。

介護支援分野の何から勉強すればいいか分からない…など勉強の壁に当たった方は、ぜひこの記事で解説している5つのポイントについて優先的に覚えていってみてください。

皆さまのケアマネジャー試験合格を祈願しております。

やぴぃ

この記事では触れなかったけど、「地域共生社会」とか「地域福祉」に関する出題も続いているのでそちらも要チェック!


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この記事を書いた人

ケアマネでまんねん運営者
主に問題の作成と解説作成担当。
ケアマネジャー試験の独学による学習をサポートし、みなさんが最短で合格するため、実践問題や一問一答、解説について書いています。