地域支援事業の覚え方と介護予防・日常生活支援総合事業について

この記事の学習優先度は”非常に高い”です。

ケアマネジャー試験範囲のうち、特に難関の1つとなるのが地域支援事業です。
とにかく関連する内容に漢字が多く、アレルギーを起こす受験生もきっと少なくないでしょう。

筆者も試験勉強では似たような単語を1つずつ覚えるのに苦戦しました。

しかし、地域支援事業は困ったことに、ケアマネジャー試験では頻出となる重要ポイントです。
ほぼ毎年何かしらの出題があると考えておきましょう。
今回は、地域支援事業についてどのような覚え方がおすすめかを解説していきます。

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地域支援事業の最大の厄介なポイントは、地域支援事業に含まれる3つの事業がさらに枝分かれするため、関連する単語に〇〇事業が多く、どの事業がどの事業と関連があるのか分かりづらいところです。

そのため、まずは地域支援事業に含まれる事業”だけ”を覚えることがおすすめです。
なぜなら地域支援事業に含まれる事業は以下の3つしかないためです。

  • 介護予防・日常生活支援総合事業
  • 包括的支援事業
  • 任意事業

それぞれ、総合包括任意と覚えておくと若干覚えやすいかもしれません。

なお介護予防・日常生活支援総合事業は介護予防・生活支援サービス事業(第1号事業)と一般介護予防事業からなりますが、まず地域支援事業を覚えるとしたときは、これらはいったん無視するのが覚えるポイントです。

同時に全てを覚えようとすると、記憶の難易度が上がります。

地域支援事業=介護予防・日常生活支援総合事業、包括的支援事業、任意事業

とまずは完璧に覚えておきましょう。
ケアマネジャー試験対策のためだけに覚えるならば、まずはこれだけでも問題ありません。
学習に余裕があったら、テキスト等を読んで、後から知識を形づければいいのです。

ここまで文章で地域支援事業の覚え方のコツについて書きましたが、字面だけで覚えるのが苦手な人もいます。
その場合は、いっそ頭の中で図を作ってしまいましょう。
形はなんでもいいですが、下のようなフローチャート形式で覚えると分かりやすいかもしれません。

地域支援事業は介護予防・日常生活支援総合事業と包括的支援事業と任意事業の3つで構成されています。

頭の中でこの図を作ることが難しければ、実際にノート等に書いてしまうのも1つの覚え方です。
とにかくまずはこの部分だけ覚えましょう。

介護予防・日常生活支援総合事業は介護予防・生活支援サービスと一般介護予防事業からなって、一般介護予防事業には介護予防把握事業と~…などと考えるのはその次です。

似たような単語が多いため、必ず1つずつ覚える癖をつけていきましょう。

次に、頭の中にこのような図を作ることができたら、”地域支援事業”という単語を目にしたら作成した図が頭にパッと思い浮かべられるようにしましょう。

思い浮かべたとき、不完全な形でしか思い浮かべられなかった場合には、再度図を頭の中で作成またはノート等に描いた図を見返します。

そしてまた地域支援事業という単語を目にしたら、図を思い浮かべ…といったことを、完璧に行うことができるまで何度も行います。

いわゆるインプットとアウトプットの簡易版ですが、記述式でないケアマネジャー試験のようなタイプの試験では、この覚え方はかなり有効です。

地域支援事業を完璧に覚えることができたら、次の枝分かれ部分の記憶に移りましょう。

  1. 介護予防・日常生活支援総合事業のうちの、介護予防・生活支援サービス事業
  2. 介護予防・日常生活支援総合事業のうちの、一般介護予防事業
  3. 包括的支援事業
  4. 任意事業

この1~4が枝分かれ部分になりますが、個人的には2.一般介護予防事業から覚えることがおすすめです。

理由としては、一般介護事業についてはケアマネジャー試験に頻出ではあるものの、深い内容を問われることが少なく、5つの事業さえ覚えてしまえば、多くの場合は問題に対応することができるからです。

また、
1.介護予防・生活支援サービス事業については、構成する事業の出題頻度が少ない
3.包括的支援事業は最も頻出であるものの、事業数が8つと多い
4.任意事業は上記を覚えてしまえば消去法で導き出すことができる場合が多い

といった理由で②一般介護予防事業を先に覚えてしまうことをおすすめしています。

ここまで地域支援事業のケアマネジャー試験に対応した覚え方について解説してきました。

ケアマネジャー試験では、『〇〇事業は地域支援事業に含まれる』のような問われ方をすることが多いため、まずは地域支援事業=総合、包括、任意と簡単に覚えてしまいましょう。
これだけでも正答できる可能性が上がるのが、5肢複択の出題方式です。

完璧に覚えることができ、かつ、地域支援事業という単語を目にしたら反射的に総合、包括、任意と頭に思い浮かべることができたら、次に介護予防・日常生活支援総合事業などについて覚えていきましょう。

覚え方のコツは、いっぺんに色々覚えようとせず、集中的に狭い範囲を覚えてしまうことです。
狭い範囲を集中して学習を行うことにより、記憶効率も上がるため、ぜひ行ってみてください。

それでは次に、ケアマネジャー試験に対応した地域支援事業の1つである介護予防・日常生活支援総合事業の解説をしていきましょう。
試験で重要なポイントだけまとめているため、詳細な内容を記載していないため注意してください。

まずは下の図をご覧ください。

地域支援事業の1つである介護予防・日常生活支援総合事業は、一般介護予防事業と介護予防・生活支援サービス事業の2つで構成されています。

上でも軽く触れましたが、介護予防・日常生活支援総合事業は介護予防・生活支援サービス事業一般介護予防事業からなります。
それぞれケアマネジャー試験に出題されやすいポイントを解説していきましょう

介護予防・生活支援サービス事業

介護予防・生活支援サービス事業は次のサービスで構成されています。

  1. 訪問型サービス
  2. 通所型サービス
  3. その他生活支援サービス
  4. 介護予防ケアマネジメント

介護予防・生活支援サービス事業の対象者は次の通りです。

  • 要支援者
  • 基本チェックリストに該当する第1号被保険者
  • 要支援者だった頃から継続して介護予防・生活支援サービス事業を利用している要介護者

要介護者は基本的に事業の対象外ですが、要支援者だった頃からサービスを利用している場合、継続して利用することが可能です。
また、要介護認定自体を受けていない人も対象者であることに注意してください。

1.訪問型サービス
介護予防・生活支援サービス事業の訪問型サービスは、類型がAからDまであります。
引用:厚生労働省HP

訪問型サービスについての説明は、上記の厚生労働省HPから引用した表が最も分かりやすいかと思われます。
少しだけ注意しておきたいのが、要支援者に対しての訪問介護は居宅サービスではなく、介護予防・生活支援サービス事業の訪問型サービス(A)に含まれるという点です。
介護予防訪問介護というサービスはありません。

あまり深い内容を問われることが少ないため、余裕があればサービスの詳細を覚えておきましょう。
勉強の優先順位は低めです。

2.通所型サービス
介護予防・生活支援サービス事業の通所型サービスはAからCまで類型があります。
引用:厚生労働省HP

こちらも厚生労働省HPからの引用の表を見たほうが分かりやすいでしょう。
要支援者に対しての通所介護も居宅サービスではなく、介護予防・生活支援サービス事業の通所型サービス(A)に含まれるという点は一応覚えておきましょう。

訪問型サービスと同様、深い内容を問われることは少なく、試験での出題頻度も低いため、勉強は後回しで問題ないかと思われます。

3.その他生活支援サービス

ほとんどケアマネジャー試験では出題がありません。
地域ボランティアの訪問による見守りや、栄養改善を目的とした配食などがサービスに含まれます。

実施主体は市町村が直接行うこともあれば、一定の基準に適合する事業者へ委託を行いもします。
また、市町村がこれらを行っているNPO法人やボランティア団体の活動の補助を行ったりもします。

4.介護予防ケアマネジメント

介護予防・生活支援サービス事業を構成するもののうち、もっともケアマネジャー試験に出題される可能性があります。
ケアマネジメントA、B、Cの3つがあり、それぞれの違いは簡単に解説すると次のようになります。

  • ケアマネジメントA → 介護予防支援と同様のケアマネジメント
  • ケアマネジメントB → サービス担当者会議やモニタリングを省略したケアマネジメント
  • ケアマネジメントC → 基本的にサービスの開始時にのみ行うケアマネジメント

例えば、
『介護予防ケアマネジメントでは、サービス担当者会議を省略できる場合がある』
といった選択肢が出題された場合は、正答は〇となります。

介護予防ケアマネジメントは、介護予防・生活支援サービス事業だけを利用する場合に必要となります。
地域包括支援センターが要支援者に対してアセスメントを行い、ケアプランの作成を行います。

一般介護予防事業

一般介護予防事業は次の5つの事業で構成されています。

  • 介護予防把握事業
  • 介護予防普及啓発事業
  • 一般介護予防事業評価事業
  • 地域介護予防活動支援事業
  • 地域リハビリテーション活動支援事業

試験対策としてはそれぞれの内容よりもまず、この5つの事業名は必ず覚えましょう。
ケアマネジャー試験での出題率は高めです。
それぞれ、把握、普及啓発、評価、介護予防活動支援、リハビリテーション活動支援と短縮して覚えるのが楽かもしれません。

出題されることは少ないですが、一般介護予防事業を構成する5つの事業がどのような内容かにも触れてみましょう。

①介護予防把握事業

端的に解説すると、地域住民などから情報を収集し、対象者を把握する事業です。
また、閉じこもりなどの何らかの支援を必要とする人を、介護予防活動に結び付けることもします。

②介護予防普及啓発事業

文字どおり、介護予防活動の普及・啓発を行っていく事業です。
内容には、体操教室や講演会などの開催であったり、介護予防活動の啓発のためのポスターやパンフレット作りなどがあります。

③一般介護予防事業評価事業

介護保険事業計画に定める目標数値に対して、どの程度達成できたかなどの検証を行い、一般介護予防事業の評価を行います。

④地域介護予防活動支援事業

地域住民主体の介護予防活動の育成や支援を行う事業です。
具体的には、介護予防に関するボランティアに携わる人材の育成や、実際の介護予防活動の実施などを行います。

また、社会福祉法における重層的支援体制整備事業のなかにも地域介護予防活動支援事業が含まれています。

⑤地域リハビリテーション活動支援事業

リハビリテーション専門職が地域包括支援センターと連携し、通所系サービスや訪問系サービス、地域ケア会議やサービス担当者会議などの介護予防に関する取り組みを総合的に支援する事業です。

具体的には、地域住民や介護職員への介護予防の知識や技術面の助言地域ケア会議、サービス担当者会議におけるケアマネジメント支援などがあります。

地域介護予防活動支援事業と地域リハビリテーション活動支援事業については、ケアマネジャー試験にも出題される可能性があるため、覚えておくことをおすすめします。

以上が地域支援事業と、構成する3つの事業のうちの1つである介護予防・日常生活支援総合事業の解説でした。

ケアマネジャー試験に出題されやすいポイントは限られているため、記事で解説をしたポイントは特によく覚えておくことが重要です。

特に、介護予防・生活支援サービス事業と一般介護事業の対象者については、確実に覚えておくことをおすすめします。

別の記事では地域支援事業を構成する包括的支援事業についても、ケアマネジャー試験に出題されやすいポイントを踏まえて解説を行っています。

よろしければ試験勉強の際にお役立てください。

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この記事を書いた人

ケアマネでまんねん運営者
主に問題の作成と解説作成担当。
ケアマネジャー試験の独学による学習をサポートし、みなさんが最短で合格するため、実践問題や一問一答、解説について書いています。