ケアマネジャー試験(介護支援専門員実務研修受講試験)は、介護系資格のなかでも難易度が高く合格率も低い試験として有名です。
さらに、普段の業務と馴染みの薄い内容が試験範囲に多く出題されるため、勉強に苦戦する人も少なくありません。
中には、
「何度も受験しても合格できない…」
と嘆く人の声も聞かれます。
受験する側としては、なるべく少ない回数の受験で、一発で合格したい!と思いますよね。
今回はケアマネジャー試験に有効な勉強法とそのコツの具体的な内容、それを行った狙いについて解説していきます。
\ ケアマネでまんねんが模試を始めました! /
ケアマネジャー試験勉強のコツ1:試験勉強の計画を立てる
試験勉強の計画を立てる?それコツなの?と思った人、きっといるでしょう。
しかし、ケアマネ試験に限らず、資格試験に対しての勉強の計画を立てるということは、効率的に勉強し合格するための「道作り」に当てはまります。
この計画を立てるということが、できるかできないかは一発での合格に大きく響いてきます。
それはなぜか。以下のような理由があります。
受験者の属性の問題
ケアマネジャー試験の受験者の大半は社会人であり、仕事に従事しています。
学生と違い、試験勉強に多くの時間を割くことが難しいです。
なかには日々の業務に疲れ、仕事後や仕事前に勉強の時間を確保するのが難しい人もいるでしょう。
そのような、試験勉強の時間の確保が難しい人、勉強が不定期になりそうな人ほど、勉強の計画を立てることは有効となります。
試験日までの時間が限られている
ケアマネジャー試験を受験しようと考える人の多くは、次回のケアマネジャー試験に挑戦しようと考えます。
今この記事を読んでいる人は、試験日まであとどのくらい日数があるか数えてみてください。
ほとんどの場合、試験日まで1年を切っているかと思われます。
なかには半年を切っている人もいるかもしれません。
試験日までの残り日数が少ない人ほど、より計画的で効率的な勉強をしなければ合格する可能性は小さくなっていきます。
やるべきことを明確にできる
ケアマネジャー試験を受験する人のなかには、
「試験勉強なんて何年振りだろう…」
なんて思っている人も多いのではないでしょうか?
私も最後に試験勉強をしたのは学生時代の柔道整復師の試験だったため、実に十数年ぶりでした。
当時は大学や専門学校に通っていたため、テキストに沿って国試に必要な内容を教えてくれる人もいました。
しかしケアマネジャー試験は独学で受験しようとしたため、まず何から手を付ければいいのか、試験に重要な内容が何なのか、まるで分からない状態です。
そこでまずは大まかな計画を立てました。3月から試験勉強を始めたため、7月までは400ページのテキストを1日5ページのペースで読んで終わらせて、そこから過去問を解いて頻出ポイントを洗い出して…といった本当に大まかな計画です。
これだけでも、自分の今やるべきことをはっきりすることができました。
アレコレと脱線せずに学習を進めることができたため、ケアマネジャー試験に一発で合格することができたのだと私は考えています。
ケアマネジャー試験勉強のコツ2:結局のところ過去問
「過去問を制する者は受験を制す」
誰が最初に言ったかは分かりませんが、資格勉強の方法を調べているとこのような言葉を目にすることがあります。
実際、本当にその通りです。
ケアマネジャー試験においてもそれは例外ではありません。
中には過去問を繰り返し解くだけで合格することができてしまう人だっています。
過去問には多くの情報が詰まっており、それはテキストを読むだけの勉強では到底知り得ないものばかりです。
ここでも一つ、私の体験談を。
毎日とはいかないまでも、1日30分程度の勉強時間で、計画通りに7月までにテキストをなんとか読み終わることができました。
テキストの章の合間には、一問一答の問題が掲載されており、それも概ね正答を導き出すことができていたため、この時点で知識がある程度身についていると自信もありました。
そこで令和4年の過去問に挑戦してみたところ、自信とは裏腹に、合格ラインにぎりぎり届かない程度しか正答することができなかったのです。
そこから令和3年、令和2年…と過去4年分の過去問を解きましたが、一発で合格ラインに達したのは1回だけでした。
「このままでは一発合格は難しいんじゃ…」
と焦りはじめ、そこからは毎日のように過去問を繰り返し解き、時折テキストを読み返す勉強法に切り替えました。
このことから分かりましたが、テキストの内容は確かにケアマネジャー試験の内容に沿っており重要なポイントも分かりやすく記載されています。
しかし、実際の五肢複択形式でどのように問われるのかを掴むことはテキストだけでは難しいです。
過去問には、テキストを読むだけでは分からない以下のような情報が詰まっています。
- 出題のされ方、傾向
- 自身の現時点での実力
- 過去の試験に何度も出てきている単語
一つずつ簡単に解説していきましょう。
出題のされ方、傾向
過去問を解いているうちに、ケアマネジャー試験の出題の癖がなんとなく見えてきます。
例えば、
- 『事例問題は一般常識的に考えれば答えを導き出すことができる問題が多い』
- 『「~望ましい。」という表記は正答なことが多い傾向にある』
- 『医療福祉分野での、「~ことはない」。という表記は誤答なことが多い傾向にある』
- 『包括的支援事業や介護予防・日常生活支援総合事業については、理解をしていないと解くことが難しい出題が多い
などです。
このような癖を実際に過去問を解いて体感することにより、どのポイントをより重点的に勉強すればいいか肌感で分かるようになってきます。
自身の現時点での実力
ケアマネジャー試験に合格するためには、「今の自分の実力(得点)」と「合格のための実力(得点)」の間にどれぐらいの差があるかを知る必要があります。
過去問はそれを知るためにはうってつけです。
これは試験対策テキストを読む勉強だけでは決してわかりません。
最初のうちの過去問を解く目的は、「自分がどのくらいできるか」を知るためではなく、「どのくらいできないか」を知ることです。
また、複数の過去問を解くうちに、点数を落としやすい問題が徐々に明らかになっていきます。
試験勉強の終盤は、「点数を伸ばすための勉強」ではなく、「点数を落とさないための勉強」が重要となるため、過去問で苦手な科目を洗い出し、早々に対策を行っていきましょう。
過去の試験に何度も出てきている単語
過去問を複数解いていると、よく目にする単語がなんとなく分かるようになってきます。
よく目にする単語=試験上、重要な単語であるため、それが分かることによりテキストでの勉強の効率が格段に上がります。
以上が過去問の持つ情報であり、過去問での勉強に力を入れる意義です。
過去問を行わずにケアマネジャー試験に臨む人はそう多くないと思いますが、できるだけ時間を掛けて、できるだけ誤答しないように繰り返し解くことをおすすめします。
ちなみに私は試験翌年にケアマネに絶対転職すると決めていたため、過去問ドットコムさんで平成21年~令和4年までの過去問を、すべて通しで行って全問正解できるようになるまでやり続けました。
ケアマネジャー試験勉強のコツ3:点数を伸ばす勉強と点数を守る勉強
結局のところ過去問でも触れましたが、試験勉強には2つの種類があります。
それが点数を伸ばす勉強と点数を守る勉強です。
この2つの勉強を上手に駆使することが、ケアマネジャー試験に一発で合格するコツでもあります。
点数を伸ばす勉強
点数を伸ばす勉強とは、インプット主体の勉強です。
主に試験対策テキストの読み込みや過去問、問題集を解いた後の解説をよく読み内容を理解し、単語の意味や関係を蓄えていくものです。
試験勉強期間を前期、中期、後期と分けたうちの前期、中期で重点的に行うべきです。
過去問の正答率が平均70%台の実力であれば、まだ伸びしろが大きいため基本的にこの勉強がおすすめです。
点数を守る勉強
点数を守る勉強とは、アウトプット主体の勉強です。
とにかくガンガン過去問や問題集に反復して取り組み、過去に出題された内容や類似の内容が試験に出題された場合に、点数を落とさないためのものです。
こちらは試験勉強後期で、過去問や問題集での正答率が平均80%以上で安定しているのであれば、重点的に行うべきです。
当たり前ですが、ケアマネジャー試験には正答率100%以上がなく、実力が付いてくるうちに対試験での伸びしろが小さくなっていきます。
この状態で1番怖いのは、試験でのケアレスミスによる失点であり、合格ラインが高く1点足りずに不合格となるというパターンです。
特に過去の試験で頻出の内容や、選択肢の見間違え・勘違いによる失点は非常にもったいなく、その可能性を潰すことが合格にもつながります。
おまけのコツ:取捨選択
あまり人に勧めたくないため、あくまでもおまけのコツとしてこれは解説していきます。
ケアマネジャー試験対策テキストを読んでいると、覚えるのに苦労するポイントって誰しもあるかと思います。
私の場合は、社会福祉法人の利用負担軽減制度の対象となるサービスや介護予防・生活支援サービス事業を構成する事業がまさにそれでした。
これらを頑張って覚えたかというと、ここだけの話、完全に捨てました。
勉強の苦労に対して、リターンが少ないことが過去問を繰り返し解くことによって気づいてしまったんです。
この2つ、過去の試験でほとんど出題がないんですね。
平成21年以前の試験ではもしかしたら出題があったのかもしれませんが、遠い過去の試験の出題傾向は全く参考になりません。
それで、まぁ今回も出題されないだろうと。
言うなればヤマを張るということですね。
私の目論見どおり、令和5年のケアマネジャー試験では出題されなかったため、大成功とはなりました。
でも私が捨てたこの2つの内容(本当はもっとありますが)をしっかり覚えなかったことが、ケアマネジャーとなって後悔する日がいつか来るかもしれません。
試験対策としてではなく、ケアマネジャーとして働くことを考えた場合、捨てたほうがいい内容はおそらく無いでしょう。
そのため、勉強のための時間や記憶容量に余裕がある場合は、取捨選択はあまりおすすめできるものではありません。
試験対策のテクニックとして有用ですが、ケアマネジャー試験合格はゴールではありませんからね。
試験合格後に改めてすぐに勉強しなおす意欲は、私にはありませんでした。そのため皆さんもこうならないよう出来るだけ余裕を持って試験勉強に臨んでくださいね。
おわりに
ここまでケアマネジャー試験勉強のコツ3つ+αを解説していきました。
試験勉強の計画(勉強ペース配分等)を立て、現時点での実力によって勉強方法を変え、過去問や問題集を解いた分、試験合格にはグッと近づきます。
とりあえず試験だけは絶対に合格したい、ケアマネジャーとして働く予定がないという人は、試験対策としてのテクニックである取捨選択を取り入れてみるのもいいでしょう。
ケアマネでまんねんでは、一問一答問題や実践問題、過去問も無料で掲載しているため、よろしければ試験勉強にお役立てください。
皆様のケアマネジャー試験合格を祈り、皆様といつかお仕事ができる日を楽しみにしています。