介護予防ケアマネジメントと介護予防支援の違いについて

要支援者に対してケアプランを作成する場合、「介護予防ケアマネジメント」と「介護予防支援」の2つの事業があることは、ケアマネ試験を受験される人は既にご存じかもしれません。

では「介護予防ケアマネジメント」と「介護予防支援」はどのような違いがあるかはご存じでしょうか？

ケアマネ試験でその違いについて出題されることは少ないものの、出題が無いわけではありません。

実務に就くうえでも知っておきたい知識の１つですので、この記事で「違い」について確認をしてみてください。

介護予防ケアマネジメントと介護予防支援の違い

種類	対象サービス	対象者
介護予防ケアマネジメント	・介護予防・生活支援サービス事業 ・一般介護予防事業 ・インフォーマルサポート	介護予防サービスを利用しない、 ・チェックリスト該当者 ・要支援者 ・継続利用要介護者
介護予防支援	・介護予防サービス ・介護予防サービスと介護予防・生活支援サービス事業などの併用	介護予防サービスを利用する、 ・チェックリスト該当者 ・要支援者 ・継続利用要介護者

端的に言ってしまえば、介護予防ケアマネジメントと介護予防支援の違いはその対象です。

利用者が利用するサービスによって、介護予防ケアマネジメントと介護予防支援のどちらの対象かが決まります。

表にある通り、介護予防サービスを利用しない場合が介護予防ケアマネジメント、利用する場合には介護予防支援となります。

そのため、例えばチェックリスト該当者で介護予防ケアマネジメントを利用していた者が、介護予防福祉用具貸与を利用することとなったとします。
これは介護予防給付を利用することとなるため、介護予防支援の利用に切り替わります。

そのほか、介護予防支援は介護予防支援事業者の指定を受けた居宅介護支援事業者が直接行うことができるものの、介護予防ケアマネジメントは居宅介護支援事業者が直接行うことはできません。

介護予防ケアマネジメントを居宅介護支援事業者が行う場合には、必ず地域包括支援センターの委託を挟みます。

介護予防ケアマネジメントと介護予防支援の同じ点

介護予防ケアマネジメントと介護予防支援では、同じ点もあります。
ケアマネジャー試験で覚えておきたい同じ点は次の通りです。

介護予防ケアマネジメントの種類について

介護予防ケアマネジメントには、3つの種類があります。
ケアマネジメントA～Cまであり、それぞれ行うケアマネジメントが異なります。

名称	ケアマネジメントプロセス
ケアマネジメントA	介護予防支援と同様のプロセスのケアマネジメント
ケアマネジメントB	サービス担当者会議とモニタリングを省略したケアマネジメント
ケアマネジメントC	サービスの利用開始時にだけ行うケアマネジメント

利用するサービスによって、ケアマネジメントA～Cのいずれかが選ばれます。

名称	利用サービス
ケアマネジメントA	訪問型サービスや通所型サービスを利用するとき、指定事業者のサービスを利用する場合など
ケアマネジメントB	ケアマネジメントA,C以外のケースの利用時
ケアマネジメントC	住民主体のサービスや配食サービス、一般介護予防事業を利用するときなど

介護予防ケアマネジメントはケアマネジャー試験に出題される？

介護予防ケアマネジメントのケアマネジャー試験への出題頻度は低いです。
過去5年間の試験では令和元年第22回試験に1回、設問として出題されています。

問題19　第1号介護予防支援事業の実施について正しいものはどれか。2つ選べ。

1 地域包括支援センターは、指定居宅介護支援事業所に委託することができない。

2 利用者本人が居住していない地域の地域包括支援センターでも、実施が可能である。

3 介護予防ケアマネジメントについては、サービス担当者会議を行う必要がない場合がある。

4 介護予防ケアマネジメントについては、モニタリングを行う必要がない場合がある。

5 要支援者は、対象とならない。

解答をみる

正解　3、4

第22回介護支援専門員実務研修受講試験　問19

出題されにくい傾向が見られるため、ケアマネジャー試験対策としては後回しにしてもいいかもしれません。

とはいっても、ケアマネジャーの実務にも関わるポイントであるため、いずれは覚えなくてはならないことなので今のうちに覚えておいた方が得と言えます。

おわりに

ここまで介護予防ケアマネジメントと介護予防支援の違いについて主に解説しました。
ケアマネジャー試験には出題されづらいポイントながら、実務に関連する内容であるため後回しにしても極力抑えておきたいポイントです。

皆さまがケアマネジャー試験に合格できるよう、祈願しております。