資格試験の勉強にノートは無駄?必ずしも必要だといえない理由

資格試験の勉強方法は数多くありますが、なかにはテキスト等で学習した内容をノートにまとめようと考えている人もいるのではないでしょうか。

筆者は2023年度にケアマネジャー試験を受験するにあたって、最初にテキストの内容をノートにまとめる方法で勉強を行いました。
しかし、ただテキストの内容をノートに写すだけの作業には、やりながら効果に疑問を感じてもいました。

2024年度のケアマネジャー試験の申込みが締め切りとなり、いよいよ試験勉強に本腰を入れ始めた人も多いかと思いますが、この記事では「資格試験の勉強は必ずしもノートにまとめる必要がない」理由について解説していきます。

ノートにまとめる勉強法は、多くの人が小学校時代から経験するポピュラーなものの1つですが、実はこれが向いていない人もいます。

学習のスタイルは、3つのスタイルに分類されるのはご存じでしょうか?
人によって異なる学習スタイルを持ち、それぞれに得手不得手があります。

学習スタイルは次のように分類されています。

この学習スタイルは、絵や図、グラフやチャートなどの視覚的な材料によって説明されるのを得意とする学習スタイルです。
文字よりも先に、これらに含まれた情報を読み取ることに長けています。

また、耳に聴こえてくる情報よりも、情報が目に見えていることを好む傾向がみられます。

視覚型の人は次のような傾向があると言われています。

  • 図やイラストを使うと理解が早い:文章だけでは分かりにくい内容も、図やイラストがあればすぐに理解できます。
  • 色分けが効果的:ノートや資料を色分けすることで、重要な情報や異なるカテゴリーを区別しやすくなります。
  • 視覚的なツールを好む:マインドマップ、チャート、フローチャートなど、視覚的なツールを使って情報を整理するのが得意です。

ノートにまとめる勉強法を得意とするのは、この学習スタイルの人です。
自身の理解しやすいようにまとめられたノートは、読み返した時に、記憶の定着の大きな力となってくれます。

この学習スタイルは、耳に聴こえてくる情報を覚えるのを得意としています。
講師の講義などを聴いているだけで、ある程度覚えることができる人はこの学習スタイルかもしれません。

聴覚型の人は次のような傾向があると言われています。

  • 講義や音声教材での学習が得意
  • ディスカッションや対話を好む:他人との会話を通じて知識を深めたり、新しい情報を得たりすることが効果的です。
  • 音声記録や朗読が役立つ:自分の声で情報を録音し、後でそれを聞き返すことで学習が進みます。

また、聴覚型学習スタイルの人は、音楽などを聴きながら勉強すると捗るという話もあります。

この学習スタイルは、受動的に情報を受け取るよりも実際に自身の身体を動かして覚えることを得意としています。
実際に体験することや、触れることで理解を深め、記憶を定着させるのが特徴です。

実験や実習を行ったり、問題を解いたりして理解を深めていくスタイルです。

運動感覚型の人は次のような傾向があると言われています。

  • 体を動かすことで学ぶのが得意:静かに座っているよりも、動きながら学習する方が効果的です。
  • 実践的な活動を好む:理論を学ぶだけでなく、実際にやってみることで理解が深まります。
  • ハンズオンの経験が重要:物事を手で触れたり、操作したりすることが学びの重要な一部です。

説明書を読むよりも、実際に操作したほうが覚えるのが早いと感じる人は、このスタイルかもしれません。
ちなみに筆者はこのタイプです。

やぴぃ

どの学習スタイルが自分に当てはまるのか知りたい人は、下のwebサイトに簡単な診断もあるよっ

このように学習スタイルは3つあり、聴覚型や運動感覚型の人のように、ノートを使って勉強するよりも得意とする勉強法がある場合があります。

そのため、「資格の勉強=ノートにまとめる」と固執するのではなく、自身に合った勉強法を行うほうがより効率的に学習できる可能性があります。

ノートをまとめる勉強には、自身の分かりやすいように情報を整理し、ノートを見返すことで学習効率が向上する利点があります。

これにより資格試験に必要な知識が深まり、様々な出題に対応できる地力が付くことでしょう。

しかし、実際に行おうとすると、その勉強法の欠点のほうが目立つ場合もあります。
資格の勉強でノートにまとめる勉強法の欠点は、次のようなものがあります。

ノートをまとめるのに時間が掛かる

ノートにまとめる勉強法の最大の欠点は、「時間が掛かる」ことです。
テキストを読み込むことや、教材や講義の聞き流し、問題をひたすら解くなどの勉強と比べ、大幅に時間が掛かります。

しかも、重要なポイントを判断し要らない情報をカットすることができなければ、より時間が掛かることでしょう。

ノートを使う勉強法は効率が悪いと、しばしば言われるのはこのためです。

資格の勉強を行う人の多くは、その資格試験に初挑戦かと思われます。

特にノートに情報をまとめようと考える段階では、本当に試験に重要なポイントを判断するレベルに至っていない可能性が高いです。

そのため、よりその作業に時間が掛かる可能性が高く、試験当日に向けての勉強のスタートが遅ければ遅いほどノートにまとめる勉強を選択するべきではありません。

ノートには技術が必要

これは筆者の持論ですが、「ノートに情報をまとめるには、それなりの技術が必要」だと考えています。

筆者もケアマネジャー試験の勉強では、最初にテキストの内容をノートにまとめる勉強を選択しました。
ノートを使いだして2日後、復習のためにノートを読み返して愕然としたのは今でも忘れません。

「字が汚くて読みづらい…」

大前提として、ノートを使って復習するためには、読みやすく理解しやすいノート作りが必須となります。
しかしそれは全く簡単な事ではありません。

まず、字が上手くなければ、非常に読みづらいです。

読みづらい字で構成された文章により多くの情報を詰め込まれたノートは、読み返すのを1分で諦めるほどの精神的破壊力があります。

これならテキストを読んだ方がマシだと、筆者は自分のノートを読み返して思いました。

次に、まとめ方にも工夫が必要です。
ただ文章を書き連ねるだけでは、読み返した時に重要だと思われるポイントが分かりづらかったり、読み疲れたりもします。

字もまとめ方も、勉強するにあたって改善すればいいだけの話かと思うかもしれませんが、資格の勉強は学生時代の勉強と異なり、タイムリミットが短い場合も珍しくありません。

試験までの短い期間のなかで、字の上達やまとめ方を覚えることにリソースを注ぐのは、あまりいい選択だとは思えません。

もちろん学生時代にそれらを修得済みであれば、ノートを使って勉強する方法を選択するのは大いにありだと思われます。

しかし、これらに自信が無ければただ漫然とノートを使って勉強するのは、あまりおすすめできないというのが筆者の意見です。

やぴぃ

筆者はノートの取り方にちょっとした工夫をしてみたら、効果が爆上がりしたよっ…というのは違う記事でっ

ノートにまとめる勉強は、向いている人もいれば向いていない人もいます。

その人が得意とする学習スタイルによっては、ノートにまとめるよりも最適な勉強方法があるため、必ずしも必要であるとは言えません。

過去の勉強の経験から、自身がどのような勉強法が得意だったかを思い出し、それを実践するのも有効かと思われます。

またノートをまとめる勉強法には一定の利点があるものの、欠点も決して無視できません。
読み返しやすいノートを作る技術がない、または技術を習得するための時間的余裕がなければ、無暗に選択するべきではないと筆者は考えています。

みなさまの資格試験の勉強が捗るよう、祈願しております。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ケアマネでまんねん運営者
主に問題の作成と解説作成担当。
ケアマネジャー試験の独学による学習をサポートし、みなさんが最短で合格するため、実践問題や一問一答、解説について書いています。