実は意外とシンプル?介護認定審査会についてのケアマネ試験対策

この記事の学習優先度は”非常に高い”です。

要介護認定についてはケアマネ試験でほぼ毎年必ず出題が見られますが、そのなかでもかなり覚えづらいのが介護認定審査会の業務範囲です。
引っ掛けのような選択肢も多く、当サイトが行っている模擬試験でも正答率がやや低い傾向にあります。

この記事では、介護認定審査会が「要介護認定事務のどこからどこまでを担当しているのか」などケアマネ試験に出題されやすいポイントや紛らわしいポイントについて解説していきます。

介護認定審査会とは要介護・要支援の審査判定を行う機関です。
市町村に設置され、保健・医療・福祉の学識経験者で構成されています。
市町村に単独で設置することが難しい理由がある場合には、複数の市町村で合同で設置することができます。

介護認定審査会が行うのは、要介護認定の一連の流れのうちの次の業務です。

介護認定審査会は、要介護・要支援認定の一連の流れのうちの、二次判定と市町村への審査・判定結果の通知を行います。

上の図の通り、介護認定審査会が担当する業務は「二次判定」「市町村への審査・判定結果の通知」だけです。

二次判定

一次判定では全国一律の認定基準に基づいてコンピュータで判定を行いますが、その結果と、認定調査票の特記事項、主治医意見書をもとに次の内容について判定を行います。

  1. 要介護・要支援状態の該当の可否
  2. 要介護・要支援のどの区分に該当するかの審査
  3. 第2号被保険者の要介護・要支援状態となった理由の審査

この際に、必要な場合には被保険者本人やその家族、主治医などから意見を聴くことができます。

市町村への審査・判定結果の通知

二次判定の結果を、介護認定審査会は市町村に対して通知します。

やぴぃ

申請者に対してじゃないからねっ!


この際、市町村に対して次のことについての意見を付けることができます。

  1. 要介護状態の軽減又は悪化の防止のために必要な療養に関する事項
  2. サービスの適切な有効利用に関する被保険者が注意しなければならない事項
  3. 認定の有効期間

要介護状態の軽減又は悪化の防止のために必要な療養に関する事項は、市町村に対して意見を述べることだけできます。それをもとに、市町村はサービスの種類を指定することができます。

やぴぃ

介護認定審査会のお仕事は実はこれだけなんだっ!整理してみると簡単に感じるよねっ

介護認定審査会の構成

介護認定審査会は5人を標準とする委員で構成されます。
実際の人数は市町村の条例で定められ、認定に関する委員の確保が難しい場合には5人以下でもよいとされています。しかし3人未満になってはならないとされています。

委員は、公正を期するため市町村職員がなることができません。

任期は2年間です。

やぴぃ

構成についてはあんまり出題されないから余裕があったら覚えておいてねっ

第26回、第25回試験には出題がみられませんでしたが、介護認定審査会に関する出題は設問としても選択肢としても高い頻度でみられます。

そのため基本的に出題されるものとして考えて対策を行っていくことが重要です。
過去6年間の試験では次のような出題がありました。

要介護認定について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 一次判定は市町村が行い、二次判定は都道府県が行う。

2 介護認定審査会は、都道府県が定める基準に従い、審査判定を行う。

3 一次判定で非該当となった者についても、二次判定を行う。

4 第2号被保険者の二次判定では、要介護状態の原因である身体上又は精神上の障害が特定疾病によって生じたものかどうかも審査する。

5 介護認定審査会は、被保険者の要介護状態の軽減又は悪化の防止のために必要な療養について、市町村に意見を述べることができる。

解答をみる

正解 3、4、5

介護支援専門員実務研修試験 令和3年度(第24回) 介護支援分野 問題18

介護認定審査会について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 審査及び判定の結果を申請者に通知する。

2 委員は、要介護者等の保健、医療又は福祉に関する学識経験を有する者のうちから任命される。

3 要介護認定の有効期間を定める。

4 必要があると認めるときは、主治の医師の意見を聴くことができる。

5 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。

解答をみる

正解 2、4、5

介護支援専門員実務研修受講試験 令和2年度(第23回) 介護支援分野 問題18

介護認定審査会について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 原則として、保険者である市町村の職員は委員となることができない。

2 委員の定数は、被保険者数に応じて都道府県が定める。

3 委員は、市町村長が任命する。

4 複数の市町村で共同設置することはできない。

5 必要に応じて、審査対象者の家族の意見を聞くことができる。

解答をみる

正解 1、3、5

ケアマネジャー試験 令和元年度(第22回再試験) 介護支援分野 問題18

要介護認定について正しいものはどれか。2つ選べ。

1 主治の医師の意見は、介護認定審査会に通知しなければならない。

2 介護認定審査会の意見は、主事の医師に通知しなければならない。

3 介護認定審査会の審査及び判定の結果は、介護支援専門員に通知しなければならない。

4 要介護認定等基準時間は、1日当たりの時間として推計される。

5 要介護認定等基準時間の推計の方法は、都道府県の条例で定める。

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正解 1、4

介護支援専門員実務研修受講試験 平成30年度(第21回) 介護支援分野 問題20

介護認定審査会について正しいものはどれか。2つ選べ。

1 認定調査を行うことができる。

2 認定の有効期間について意見を付すことができる。

3 要介護状態の軽減のために必要な療養について意見を付すことができる。

4 被保険者が受けることができるサービスの種類を指定することができる。

5 被保険者に主治の医師がいないときは、診断を行う医師を指定することができる。

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正解 2、3

介護支援専門員実務研修受講試験 平成30年度(第21回) 介護支援分野 問題22

過去の出題を見てみると、介護認定審査会の概要や認定のプロセスへの理解など、一定の理解が無ければ正答が難しい問題の出題傾向がみられます。

選択肢としての出題も多い介護認定審査会の「できること」と「できないこと」に関しては、整理してしっかりと覚えておきましょう。

介護認定審査会が行うこと
  • 認定の有効期間について意見を付す
  • 主治医の意見を聴く
  • 審査及び判定の結果を市町村に通知する
  • 第2号被保険者の要介護・要支援状態に至った原因の審査
  • 要介護・要支援状態の該当の可否の判断
  • 要介護状態の軽減のために必要な療養について意見を付す
介護認定審査会ができないこと
  • 認定調査
  • 診断を行う医師の指定
  • 一次判定
  • 要介護・要支援認定
  • 申請者への認定結果の通知
  • 要介護認定の有効期間を定める
  • 被保険者府が受けることができるサービスの種類の指定

ここまで介護認定審査会のポイント解説をしました。
要介護・要支援認定に関する内容は毎年何らかの形で複数問出題されますが、そのなかでも介護認定審査会に関する内容を含む選択肢は比較的高い頻度で見られます。

出題頻度が高いにもかかわらず過去2年で出題が無かったため、令和6年度のケアマネ試験での出題は警戒しておきましょう。
また、介護認定審査会が何をする合議体なのかについては、しっかり整理して試験に臨むのがおすすめです。

皆さまがケアマネジャー試験に合格できるよう、祈願しております。

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この記事を書いた人

ケアマネでまんねん運営者
主に問題の作成と解説作成担当。
ケアマネジャー試験の独学による学習をサポートし、みなさんが最短で合格するため、実践問題や一問一答、解説について書いています。