第27回試験は要注意?後期高齢者医療制度についてのケアマネ試験対策

この記事の学習優先度は”やや高い”です。

ケアマネ試験の福祉サービスの知識等で度々出題されている後期高齢者医療制度ですが、その出題頻度的に令和6年度第27回試験では要注意のポイントの1つとなっています。

この記事では後期高齢者医療制度について、ケアマネ試験での勉強のポイント解説を行っていきます。

後期高齢者医療制度は、その名の通り、後期高齢者(75歳以上)を対象とした医療保険制度です。
しかし、実は前期高齢者(65歳以上74歳以下)も条件付きで被保険者となることができます。

具体的には次のような者が後期高齢者医療制度の被保険者となります。

後期高齢者医療制度の被保険者
  1. 後期高齢者(75歳以上)
  2. 広域連合の障害認定を受けた前期高齢者(65歳以上74歳以下)

障害認定が受けられる条件は、広域連合によって異なります。具体的な疾患に罹患していることなどは条件とされていません。保険組合や市町村の説明では、寝たきり等でも障害認定とするとの記載もあります。

なお、生活保護の被保護者は被保険者となりません。

運営主体は都道府県ごとにすべての市町村が加入している広域連合です。

保険料の負担

後期高齢者医療制度の被保険者負担は、基本が1割負担です。
ただし所得が現役並みである場合には3割負担、現役並みとはいかずとも一定以上ある場合には2割負担とされています。

保険給付の種類

後期高齢者医療制度の保険給付には次のようなものがあります。

保険給付の種類
  1. 療養の給付
  2. 療養費
  3. 高額療養費
  4. 入院時食事療養費
  5. 訪問看護療養費
  6. 高額介護合算療養費
  7. 入院時生活療養費
  8. 特別療養費
  9. 保険外併用療養費
  10. 移送費
  11. 条例で定める給付
やぴぃ

「療養」って文字が多いのがポイントだねっ

療養の給付

医療機関の受診時に保険証を見せると、1割~3割を自己負担し、残り部分が療養の給付から支払われます。

療養費

保険証を持たないで医療機関を受診した場合は全額自己負担となりますが、後から窓口に申請をすれば自己負担額を除いた金額をこの療養費から支給されます。

高額療養費

1ヶ月当たりの自己負担額が限度額を超えたときに、超えた分に高額療養費が支給されます。

入院時食事療養費

被保険者が入院した場合に食費から標準負担額を引いた金額を、広域連合が支払います。

訪問看護療養費

居宅で療養している方が、主治医の指示に基づいて訪問看護ステーションを利用した場合訪問看護療養費が支払われます。

高額介護合算療養費

世帯で1年間に支払った後期高齢者医療制度の一部負担金等の額と、介護保険の利用者負担額の合算額が世帯の算定基準額を超えるときに支払われます。

入院時生活療養費

被保険者が療養病床に入院したときに、食費と居住費から標準負担額を引いた金額を広域連合が支払います。

特別療養費

被保険者資格証明書の交付を受けている人が保健医療機関を受診し、医療費の全額を支払った場合に申請を行えば自己負担額を除いた額に特別療養費が支給されます。

保険外併用療養費

一定の条件を満たした場合に、保険外の診療・検査・投薬などが保険の適用となります。

移送費

被保険者に緊急的な移送の必要性を広域連合が認めた場合に移送費が支給されます。ただし救急車は無料であるため、救急車に乗って搬送された場合には移送費は支給されません。

後期高齢医者医療制度には以上のような給付がありますが、基本的にその内容についてケアマネ試験で出題される可能性は、今までの出題傾向から低いと予想されます。

ただ、給付の名称は過去選択肢として出題されているため、極力覚えておきましょう。今までの出題では「療養」と「移送費」と覚えておけば解答可能であったため、すべて覚えるのが大変な場合は最低限この2つのキーワードだけ覚えておきましょう。

保険料の徴収方法

後期高齢者医療制度の保険料の徴収方法は、介護保険料の徴収に類似しています。

徴収方法
  1. 年金を年額18万円以上受給 → 特別徴収(年金から天引き)
  2. 年金を年額18円未満の受給 → 普通徴収

徴収する保険料は各広域連合が条例で定めます。

後期高齢者医療制度についての設問が今までで出題された回数は4回です。
過去にはこのような問題が出題されていました。

後期高齢者医療制度について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 後期高齢者医療給付には、高額療養費及び高額介護合算療養費の支給が含まれる。

2 一部負担の割合は、原則として1割であるが、現役並み所得者は3割である。

3 後期高齢者医療給付には、入院時食事療養費及び移送費の支給は含まれない。

4 生活保護を受けている者も、被保険者となる。

5 運営主体は、都道府県ごとにすべての市町村が加入する後期高齢者医療広域連合である。

解答をみる

正解 1、2、5

第22回介護支援専門員実務研修受講試験再試験 問60

後期高齢者医療制度について正しいものはどれか。1つ選べ。

1 運営主体は、都道府県である。

2 75歳以上の者であって生活保護世帯に属する者も、被保険者となる。

3 患者の一部負担の割合は、1割又は3割である。

4 診療報酬点数表は、健康保険法に基づくものと同一である。

5 他の都道府県の特別養護老人ホームに入所するため住所を変更した者は、そのホームの所在する都道府県に被保険者の届出を行う。

解答をみる

正解 4(第21回試験では正答は3,4でしたが、法改正により患者負担が3段階となったため)

第21回介護支援専門員実務研修受講試験 問60 改

後期高齢者医療制度について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 保険料は、厚生労働省令で定める。

2 65 歳以上 75歳未満であって、後期高齢者医療広域連合の障害認定を受けた者も、被保険者となる。

3 生活保護世帯に属する者も、被保険者となる。

4 一部負担の割合は、原則として1割であるが、現役並み所得者は3割である。

5 給付には、高額療養費及び高額介護合算療養費の支給が含まれる。

解答をみる

正解 2、4、5

第19回介護支援専門員実務研修受講試験 問60

最後に出題されたのが第22回再試験です。
出題傾向を見てみると、この記事にまとめているようなポイントについて多く出題されています。
似たような選択肢の出題が非常に多いため、過去問をベースに勉強しておけばあまり問題はないかもしれません。

ただし、法改正によって現在は一部負担割合が異なりますのでその点だけ注意してください。

過去の負担割合 1割、3割 → 現在の負担割合 1割、2割、3割

やぴぃ

負担割合の選択肢だけど、なんで第21回試験だけ不適当でそれ以外は適当なのかというと第21回試験だけ「1割又は3割である」って限定しちゃってるからだよっ!
他の過去問だと2割負担が仮に存在していても間違ってない選択肢だからねっ

ここまで後期高齢者医療制度についてのケアマネ試験対策について解説してきました。
給付の中身まで覚えようとすると苦労するポイントではありますが、その出題はされにくい傾向にあるため余裕があったら覚える程度にしてもいいかもしれません。

それ以外の内容については、必ず覚えておきましょう。第27回試験に出題されるかはわかりませんが、出題頻度的にそろそろ出題があってもおかしくありません。

皆さまがケアマネジャー試験に合格できるよう、祈願しております。

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この記事を書いた人

ケアマネでまんねん運営者
主に問題の作成と解説作成担当。
ケアマネジャー試験の独学による学習をサポートし、みなさんが最短で合格するため、実践問題や一問一答、解説について書いています。