この記事の学習優先度は”非常に高い”です。
訪問入浴介護は毎年ケアマネジャー試験の福祉サービス分野の知識等に出題される可能性が非常に高いポイントの1つです。
試験範囲に含まれるサービスのなかでも、ポイントを抑えれば比較的得点しやすい傾向がみられます。
それだけに訪問入浴介護での失点はなるべくは避けたいところ。
しっかりポイントを絞って勉強を進めていきましょう。
この記事では次のような事柄について解説を行っていきます。
・訪問入浴介護の過去のケアマネジャー試験での出題ポイント
・2024年度介護報酬改定に伴う出題への影響
・2024年度の試験に出題が予想されるポイント
出題が予想されるポイントについては確証がないので外れても許してねっ
過去のケアマネジャー試験の出題ポイント
訪問入浴介護は過去5年間でケアマネジャー試験に5回連続で出題されています。
令和以前も出題率は高かったものの、出題がない年もあるため、近年の試験でさらに重要度が増していると捉えることができます。
また介護予防訪問入浴介護の出題がみられなくなった点にも注目すべきです。
過去の試験では何度か「介護予防訪問入浴介護について正しいものはどれか。」といった設問が出題されていましたが、令和になってからはこういった出題が一度もありません。
そのため介護予防訪問入浴介護のケアマネジャー試験での重要度は、近年ではやや低下していると捉えることができます。
ではここで過去5年間に出題された問題を見てみましょう。
令和5年度試験
問題51 介護保険における訪問入浴介護について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 訪問入浴介護従業者として、看護職員又は介護職員のうち1人以上は、常勤でなければならない。
2 指定訪問入浴介護事業者は、機能訓練指導員を配置しなければならない。
3 サービスの提供の責任者は、看護職員でなければならない。
4 サービスの提供方法等の説明には、入浴方法等の内容、作業手順、入浴後の留意点などが含まれる。
5 指定訪問入浴介護事業者は、協力医療機関を事業の通常の実施地域内と実施地域外に、それぞれ定めなければならない。
令和5年度(第26回)介護支援専門員実務研修受講試験解答をみる
正解 1,4
令和4年度試験
問題52 介護保険における訪問入浴介護について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 指定訪問入浴介護事業所ごとに、医師を1人以上置かなければならない。
2 管理者は、看護師又は准看護師でなければならない。
3 サービス提供時に使用する浴槽は、事業者が備えなければならない。
4 利用者が小規模多機能型居宅介護を利用している場合でも、訪問入浴介護費を算定できる。
5 事業者は、サービスの利用に当たっての留意事項を運営規程に定めておかなければならない。
令和4年度(第25回)介護支援専門員実務研修受講試験解答をみる
正解 3,5
令和3年度試験
問題52 介護保険における訪問入浴介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 訪問入浴介護費は、サービス提供時間によって2つに区分されている。
2 訪問入浴介護事業者は、利用者の選定により提供される特別な浴槽水等に係る費用を、通常の利用料以外の料金として受け取ることができる。
3 利用者の肌に直接触れるタオル等は、個人専用のものを使うなど安全清潔なもの使用する。
4 利用者の身体の状況等に支障を生ずるおそれがない場合には、主治の医師の意見を確認した上で、看護職員に代えて介護職員のみで実施することができる。
5 利用者の心身の状況から全身入浴が困難であって、利用者の希望により清拭のみを実施した場合には、全身入浴と同じ単位数を算定することができる。
令和3年度(第24回)介護支援専門員実務研修受講試験解答をみる
正解 2,3,4
令和2年度試験
問題54 介護保険における訪問入浴介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 利用者宅に浴室があっても、訪問入浴介護を提供することができる。
2 利用者が訪問入浴介護事業所と同一の建物に居住する場合でも、訪問入浴介護を提供することができる。
3 利用者が短期入所生活介護を利用している間は、訪問入浴介護費は算定しない。
4 訪問入浴介護は、事業所数が少ないため、通常の事業の実施地域を定めなくてもよい。
5 サービスの提供の責任者は、専らその職務に従事する常勤のものとする。
令和2年度(第23回)介護支援専門員実務研修受講試験解答をみる
正解 1,2,3
令和元年度試験
問題52 介護保険における訪問入浴介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 サービス提供は、1回の訪問につき、看護職員1名と介護職員1名で行う。
2 終末期にある者も、訪問入浴介護を利用できる。
3 同一時間帯での同一利用者に対する入浴介助については、別に訪問介護費を算定することはできない。
4 利用者に病状の急変が生じた場合には、速やかに事業所の管理者に連絡し、変更・中止の指示を受ければよい。
5 協力医療機関は、事業の通常の実施地域内にあることが望ましい。
令和元年度(第22回)介護支援専門員実務研修受講試験解答をみる
正解 2,3,5
過去5年間の出題を見るに、毎年、運営基準や人員基準、設備基準と概要や介護報酬について、規則性もなくランダムに出題されている印象です。
ただ、設備基準についての問題が少ない印象を受けます。
また、過去5年間で同様の選択肢があまり見られません。
令和元年と令和5年の協力医療機関についての選択肢が若干被っているくらいでしょうか。
令和元年再試験を含めると、サービス提供時間の区分や清拭、小規模多機能型居宅介護利用中の訪問入浴介護費の扱いについての選択肢に類似がみられます。
加えて、選択肢の類似ではありませんが、サービスの提供責任者、看護職員と介護職員の数、浴槽について短期間で複数回出題されています。
つまりこの赤字と青字のポイントが、近年の試験で複数回出題されている重要なポイントであると言えるかもしれません。
① 協力医療機関
② サービス提供期間の区分
③ 清拭時の介護報酬
④ 小規模多機能型居宅介護利用中の訪問入浴介護費の扱い
⑤ サービス提供責任者
⑥ 看護職員と介護職員の数
⑦ 浴槽
訪問入浴介護の試験勉強に行き詰ったら、とりあえずこの7つのポイントを勉強してみようっ!
2024年度介護報酬改定の影響
2024年度の介護報酬改定により様々なサービスに介護報酬改定を中心とした改定がありました。
しかし訪問入浴介護については、この改定の内容がケアマネジャー試験に出題される可能性は低いと予想しています。
その理由として、試験に出題される傾向と改定内容が合致していないことが挙げられます。
試験に出題されたことがないような点の改定が多いのです。
しいて言えば、看取り連携体制加算が追加されたことと、サービスの多くに追加された身体拘束適正化の義務化は出題される可能性が若干ありますが、そこまで警戒する必要はないと思われます。
2024年度の試験に出題が予想されるポイント
ここからは2024年度の試験に出題が予想されるポイントを、独自の視点で解説していきます。
とは言ってもピンポイントで的中させることは流石に難しいので、ざっくりとした予想です。
何卒ご了承ください。
概要
訪問入浴介護の利用対象者や利用者の特徴についてはそろそろ出題されるのではないかと予想しています。
① 要介護4,5の人の利用が多い。
② 医療依存度が高い人(在宅中心静脈栄養法、胃ろう、など)、終末期の人も利用対象。
③ 利用に介護者の有無は関係ない
人員基準
令和5年度の試験では人員基準の選択肢が多くみられたため、令和6年度の試験では出題が少ないかもしれません。
ただ訪問入浴介護の人員基準はそこまで複雑でないため、すべて覚えておいた方が無難です。
職種 | 要件や配置 |
---|---|
管理者 | 特段の資格は不要 事業所ごとに常勤、専従で1人以上。 事業所の他の職種や、同一敷地内の他事業所・施設の職務の兼務可能。 |
看護職員 介護職員 | (准)看護師を1人以上 介護職員を2人以上(ただし介護予防の場合には1人以上) 看護職員と介護職員のうち1人以上は常勤でなければならない。 |
サービス提供の責任者 | サービスを提供している看護職員、介護職員のうちの1人が行う。 |
運営基準
運営基準については、次のようなものが出題される可能性があると予想しています。
① 利用者都合でサービス実施地域外の居宅でのサービスを行う場合は交通費を請求できる。
② 利用者都合で特別な浴槽や水を使用する場合はその費用を請求できる。
③ 利用者の体調が安定していれば、主治医の意見を確認したうえで、看護職員を介護職員に代えてサービスを提供することができる。(看護職員1と介護職員2 → 介護職員3 )
設備基準
訪問入浴介護の設備基準は、近年ではあまり出題されていません。
サービスの提供に必要な浴槽などの設備や備品を備えておかなければならないことが、やや重要なポイントかと思われます。
介護報酬
介護報酬については基本報酬から減算となるものと、訪問入浴介護費を同時算定できないサービスが出題される可能性があると予想しています。
① 介護職員3人(看護職員なし)でのサービスの提供
② 清拭や部分浴(※利用者の希望でも減算)
③ 事業所のある建物と同一建物の利用者にサービスを提供
④ 1つの建物の利用者20人以上にサービスを提供
この減算については、減算率がそれぞれ異なりますが、近年の試験の出題傾向ではそこまで問われる可能性は高くないと思われます。
この記事では記載を省いていますので、必要な場合にはお手元のテキスト等でご確認ください。
① 短期入所系サービス(短期入所生活介護、短期入所療養介護)
②(看護)小規模多機能型居宅介護
③ 認知症対応型共同生活介護
④(地域密着型)特定施設入居者生活介護
⑤ 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
※ 施設サービスも不可
おわりに
訪問入浴介護の設問は、近年のケアマネジャー試験で非常に高い頻度で出題されています。
試験に出題されるポイントはやや限られているため、しっかり押さえてケアレスミスに注意しましょう。
2024年介護報酬改定の影響はないと予想されるため、テキストである程度知識をインプットできたら過去問や問題集に繰り返し取り組む勉強法が基本的におすすめです。
ケアマネでまんねんでは過去問や実践問題、一問一答で訪問入浴介護の問題に挑戦できるため、よろしければご利用ください。
まだ訪問入浴介護の勉強に取り組んでいない人は、今回紹介させていただいたポイントを中心に、試験勉強に取り組んでみてはいかがでしょうか。
皆さまがケアマネジャー試験に合格できるよう、祈願しております。
繰り返しになりますが、この記事の出題予想はあくまで予想なのでご了承くださいっ!