次の問いに答えなさい。
問10 人工透析について正しい記述はどれか。3つ選べ。
1. 腹膜透析は血液透析と比べ通院回数が多い。
2. 腹膜透析と血液透析では血液透析のほうが利用患者は多い。
3. 血液透析は水分の摂取制限が必要となる。
4. シャントとは、動脈と静脈を体内または体外でつなぎ合わせた血管のことをいう。
5. 血液透析は腹膜透析に比べ感染のリスクが高い。
1:× 腹膜透析は在宅で患者またはその家族が毎日行うタイプの透析です。血液透析が週2~3回通院が必要なのに対し、腹膜透析は月1~2回の通院でよいとされています。
2:〇 透析患者のうち、およそ97%が血液透析を選択しています。
3:〇 血液透析の患者は体内の水分が過剰になると、心不全や肺水腫などを引き起こしかねません。そのため水分制限は必須となります。
4:〇 設問通りです。
5:× 血液透析より腹膜透析のほうが感染リスクは高いです。
問11 次の記述のうち適切なものはどれか。2つ選べ。
1. 中心静脈栄養法では点滴栄養剤を末梢血管に直接入れる。
2. 在宅中心静脈栄養法を行っている場合でも入浴してもよい。
3. 在宅中心静脈栄養法を行っている場合には、食事の経口摂取を行ってはならない。
4. 胃ろうの種類にはバンパー型とバルーン型がある。
5. 経鼻胃管の交換は一般的に5ヶ月を目途に行う。
1:× 中心静脈栄養法では、点滴栄養剤を中心静脈に直接入れます。具体的には、鎖骨の下の静脈(鎖骨下静脈)や首の静脈(内頚静脈)、鼠径部の静脈(大腿静脈)などに点滴の管を挿入します。
2:〇 入浴は可能です。ただ特別な配慮が必要であり、医師や看護師と連携し、入浴方法の確認が必要となります。
3:× 在宅中心静脈栄養法は食事を口から摂ることが難しい場合や食事が不十分な場合に行われます。在宅中心静脈栄養法を行っている場合でも食事の経口摂取は行って問題ありません。
4:〇 設問通りです。また、体外に出ている部分の違いにより、ボタン型とチューブ型にも分類できます。
5:× 経鼻胃管の交換時期は2週間~4週間です。
問12 次の記述のうち、より適切なものはどれか。2つ選べ。
1. バンパー型の胃ろうはカテーテルの交換が不要となることが利点である。
2. 人工呼吸療法のうち、マスクなどを使用するNPPV(非侵襲的陽圧換気法)では食事の経口摂取を行うことができる。
3. 在宅酸素療法では、酸素ボンベ等の機器を、火気の周囲2m以内に近づけてはならない。
4. SpO²の値が高齢者では若年層と比べ高値を示しやすい。
5. ネブライザーとは、心臓から全身に運ばれる動脈血の中を流れている赤血球に含まれるヘモグロビンの何%に酸素が結合しているかを測定する機器である。
1:× 胃ろうのカテーテルはタイプを問わず定期的な交換は必須です。バンパー型胃ろうのカテーテルの交換は4~6ヶ月に1回、バルーン型胃ろうのカテーテルの交換は原則1ヶ月に1回を目途に行います。
2:〇 設問通りです。非侵襲的陽圧換気法は会話や食事を行うことができ、患者の身体への負担も小さいことが利点です。
3:〇 設問通りです。過去には酸素ボンベを使用している状態でタバコを吸い、死亡事故なども発生しています。在宅酸素療法を行っている最中は火気厳禁です。
4:× SpO²の値が高齢者では若年層と比べ低値を示しやすいです。SpO²の正常値は96%以上ですが、加齢とともに正常値を下回りやすく、高齢者では容態が安定していても94%~95%を示すことは珍しくありません。
5:× 設問はパルスオキシメーターの説明です。ネブライザーとは、霧状にした薬を気管や肺に吸入させるための機器で、呼吸器疾患の患者が主に使用します。