次の問いに答えなさい。
問4 次の記述のうち適切なものはどれか。2つ選べ。
1. 脱水時には頻脈がみられる。
2. 脱水がある場合では頭痛や吐き気は生じない。
3. 手の甲の皮膚をつまみ上げ、離した時にすぐに元の状態に戻る場合は低栄養を疑う。
4. BMI値が21.5未満の場合は低栄養を疑う。
5. せん妄は原因を取り除くことにより回復が見込まれることがある。
1:〇 設問通りです。頻脈とは1分間の脈拍数が100回以上のものをいいます。また、1分間の脈拍数が60回未満のものを徐脈といいます。
2:× 脱水時の自覚症状として、頭痛、吐き気、口の渇き、立ち眩み、食欲不振、全身の倦怠感などがあります。
3:× 手の甲の皮膚をつまみ上げ離した時に、おおむね2秒以内に元の状態に戻らない場合は脱水を疑います。低栄養状態とはあまり関係がありません。
4:× BMI値の正常値は18.5以上~25未満で、22を適正体重としています。18.5を下回ると低体重と判断することができ、低栄養状態が疑われます。反対に25以上であると肥満であると判断できます。
5:〇 せん妄は一過性の意識障害であり、原因を取り除くことにより症状が無くなる場合もあります。せん妄の原因の一部に、薬やアルコール、違法薬物の摂取があります。
問5 次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。
1. 高齢者の難聴は伝音性難聴が多い。
2. 高齢者の耳鳴りは外耳道に何らかの原因がある場合が最も多い。
3. 良性発作性頭位めまい症では回転性のめまいを呈する。
4. 睡眠時無呼吸症候群は認知症の発症リスクを増大させる。
5. ツルゴール反応が低下している場合には脱水を疑う。
1:× 高齢者の難聴は感音性難聴、または感音性難聴と伝音性難聴の混合型が多いとされています。
2:× 耳鳴りの原因は、実はまだ完全には解明されていません。ただ、原因として最も多いのは、蝸牛から脳に至るまでの聴覚路の異常です。蝸牛は内耳の器官であるため、外耳道に何らかの原因がある場合が最も多いというのは誤りです。
3:〇 めまいの種類には、回転性めまい、眼前暗黒感(立ち眩み)、浮動感があります。良性発作性頭位めまい症は回転性のめまいを呈する症状です。
4:〇 睡眠時無呼吸症候群(SAS)は中枢性(CSA)と閉塞性(OSA)に分類することができます。中枢性は中枢神経障害が原因となるもので、閉塞性は気道の狭窄または閉塞が原因となるものです。このうち、閉塞性のものは認知症の発症と深い関係があるとされ、健常者と比べ認知症発症リスクが高いということが報告されています。
5:〇 ツルゴール反応とは、問4の3にある「手の甲の皮膚をつまみ上げ、離した時にすぐに元の状態に戻るか」の検査です。ツルゴール反応が低下している=2秒以内に元の状態に戻らないということになるため、脱水の疑いが強まります。
問6 次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。
1. 白内障は、黄斑が白く混濁し視力が低下する。
2. 緑内障では眼圧の上昇がみられる。
3. 高齢者の誤嚥では症状がみられない場合も多い。
4. 咳反射の低下は誤嚥を引き起こす原因となる。
5. パーキンソン病では回転性めまいが現れる場合が多い。
1:× 白内障は水晶体が白く混濁し、視力が低下する加齢変性です。
2:〇 設問通りです。緑内障は眼圧が上昇することによって視神経が障害され、視力低下や視野狭窄、失明などが引き起こされます。
3:〇 高齢者の誤嚥は不顕性誤嚥(誤嚥しても症状がはっきり現れないもの)である場合も多く、誤嚥性肺炎を発症しやすいとされています。
4:〇 咳反射は誤嚥を防ぐための防御反応であり、これが低下していると誤嚥のリスクが高まります。
5:× パーキンソン病では回転性めまいを呈することは少なく、浮動感のあるめまいが多いとされています。