包括的支援事業の覚え方とケアマネジャー試験対策

この記事の学習優先度は”非常に高い”です。

包括的支援事業はケアマネジャー試験の頻出ポイントの1つであり、学習の難所の1つです。
包括的支援事業の8つ(7つ)あり、関連する事業名称も似たような漢字であることが多く、多くの受験者が苦戦を強いられていると予想されます。

実際、筆者も試験勉強で包括的支援事業を覚えるのは苦労しました。
ただ、ケアマネジャー試験を終えて改めて過去問を調べてみると、試験で重要なポイントが浮き彫りになってきました。
この記事では、

やぴぃ

これさえ覚えておけば包括的支援事業の試験対策は万全っ!

といったケアマネジャー試験勉強を効率的行うための包括的支援事業の覚え方の解説を行っていきます。
重要な点だけを載せていますので、そもそも包括的支援事業って?といった方や事業の概要を知りたい方は、まずはこちらの記事をご覧ください。↷

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まずは事業名だけ

覚えることが一見多い包括的支援事業ですが、実はケアマネジャー試験で重要となる点は限られています。

包括支援センターの運営に関する包括的支援事業の4つの事業について、設問としての出題はほとんどされていません。
少なくとも過去10年の試験では1回しか出題されていません。

今後もこの傾向が続くとは限りませんが、学習の優先度は低いです。
そのためこの記事では記載を省いています。

対して、社会保障充実分の4つの業務は非常に重要度が高いです。
令和に入ってからの試験では、毎年設問または選択肢として出題がありました。

試験では介護予防・日常生活支援総合事業や任意事業の問題でも社会保障充実分の事業の名称が選択肢として出題されていることもあるため、事業の名称を覚えておくだけでも一定の試験対策として機能します。

そのためまずは事業内容は置いておいて、社会保障充実分の事業名を覚えてみましょう。

包括的支援事業の社会保障充実分

在宅医療・介護連携推進事業

認知症総合支援事業

生活支援体制整備事業

地域ケア会議推進事業

②の認知症総合支援事業だけは任意事業に認知症高齢者見守り事業があるため区別が必要ですが、基本的に赤字で略して覚えるのが名称の覚え方のコツです。

また社会保障充実分の事業のうち、地域ケア会議推進事業は地域包括支援センターが実施しますが他の3つの事業は地域包括支援センター以外に委託することができます。


これは今後の試験に出題される可能性もあるため覚えておきましょう。

ここで一旦、包括的支援事業の社会保障充実分の名称だけを覚えただけで解答が容易となった過去に出題されたケアマネジャー試験の問題をご紹介します。

ケアマネジャー試験 令和5年度(第26回) 介護支援分野 問13

地域支援事業の包括的支援事業として正しいものはどれか。2つ選べ。

1 家族介護支援事業

2 一般介護予防事業

3 在宅医療・介護連携推進事業

4 保健福祉事業

5 生活支援体制整備事業

ケアマネジャー試験 令和5年度(第26回) 介護支援分野 問13
ケアマネジャー試験 令和2年度(第23回) 介護支援分野 問14

地域支援事業の任意事業として正しいものはどれか。2つ選べ。

1 地域リハビリテーション活動支援事業

2 家族介護支援事業

3 在宅医療・介護連携推進事業

4 地域ケア会議推進事業

5 介護給付等費用適正化事業

ケアマネジャー試験 令和2年度(第23回) 介護支援分野 問14
ケアマネジャー試験 令和元年度(第22回) 介護支援分野 問12

地域支援事業のうち包括的支援事業として正しいものはどれか。3つ選べ。

1 生活支援体制整備事業

2 介護予防把握事業

3 認知症総合支援事業

4 介護給付費等費用適正化事業

5 在宅医療・介護連携推進事業

ケアマネジャー試験 令和元年度(第22回) 介護支援分野 問12

このように令和からの試験では3回、社会保障充実分の事業名に関連する出題がありました。

社会保障充実分の事業名と併せて一般介護予防事業の事業名や、任意事業の事業名を覚えると一層効果的であるため、試験直前でもいいので確認しておきましょう。

各事業の内容についてのポイント

ここまでは事業名を覚えるだけでも試験対策としては効果的であると解説をしてきました。
ただ、包括的支援事業についての設問では、各事業の内容について問われることもあります。

ここからは各事業で試験に出題されるポイントの覚え方について解説していきます。
事業の内容については別ページの包括的支援事業のポイント解説に記載していますので、よろしければご確認ください。

在宅医療・介護連携推進事業

在宅医療・介護連携推進事業に関する出題は令和に入ってから一度もありません。
最後に出題されたのが第21回(平成30年)の試験で、事業で実施されている内容について問われました。

試験対策としては、何を行っているかについて把握しておくことがオススメです…が大きく分けて8つの事業があります。

在宅医療・介護連携推進事業の内容

地域の医療・介護の資源の把握
② 在宅医療・介護連携の課題の抽出と対応策の検討
③ 切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築推進
④ 医療・介護関係者の情報共有の支援
⑤ 在宅医療・介護連携に関する相談支援
医療・介護関係者の研修 
地域住民への普及啓発
⑧ 在宅医療・介護連携に関する関係市区町村の連携

今後出題されるとしても、この事業内容についての問題がほとんどだと予想されます。

実際の試験では、生活支援体制整備事業や認知症総合支援事業の事業内容等を含んだ選択肢が混ざった出題が予想されますので、8つすべて完璧に覚えなくてもいいので大まかに覚えておきましょう。

赤字は実際に試験に選択肢として出題された事業内容です。
「在宅医療・介護」というワードが入っているものが多いため判別がしやすそうですが、資源の把握や普及啓発は一般介護予防事業の事業と混同して覚えないよう注意しましょう。

おそらく過去の試験では一般介護予防事業との混同を狙われて出題されています。

認知症総合支援事業

認知症総合支援事業に関する出題は過去5年のうち4回ありました。
そのうち3回は保健医療のサービスの知識等認知症初期集中支援チームに関する選択肢として出題されています。

そのため認知症初期集中支援チームの概要が試験対策として重要となるわけですが、それ以外の配置する者についての出題もあったため覚えておきましょう。

認知症総合支援事業で配置する者

認知症初期集中支援チーム
チームオレンジコーディネーター
認知症地域支援推進員

認知症地域支援推進員の業務についてはあまり出題されることはありません。

チームオレンジコーディネーターは認知症サポーターを取りまとめてチームオレンジを構成するなどが主な役割で、地域包括支援センターに1人配置されるということは要チェックです。
また、チームオレンジは認知症カフェの運営などを行います。

やぴぃ

認知症カフェはチームオレンジだけが運営できるわけじゃないよっ
地域のボランティアやNPO法人が運営していることもあるんだっ

認知症初期集中支援チームに関する過去の出題は、概要、配置、支援対象など様々な内容でされているため、しっかり学習を進めておくことがオススメです。
下記の図に試験に出題されやすい要点をまとめていますのでよろしければご覧ください。

認知症初期集中支援チームのケアマネジャー試験で出題されやすい要点。
概要、認知症患者やその家族のための初期の支援を行う。
地域包括支援センターや病院に市町村が配置を行う。
支援対象は40歳以上の認知症患者または認知症と疑われる人で、その治療や介護サービスを受けていないまたは認知症状が強く対応に苦慮していることのいずれかが条件。

最低限、上記の要点を覚えておけば現状のケアマネジャー試験の難易度ならば認知症初期集中支援チームに関する出題に対応することが可能と思われます。
出題頻度も多いため、包括的支援事業のうちケアマネジャー試験で最も重要なのが認知症総合支援事業といえるでしょう。

生活支援体制整備事業

生活支援体制整備事業の事業内容について触れる設問は、過去5年の試験ではありませんでした。
平成29年第20回ケアマネジャー試験で1回出題がありますが、重要度はあまり高くないと見ていいでしょう。
過去にどのような出題がされたか確認してみましょう。

ケアマネジャー試験 平成29年度(第20回) 介護支援分野 問20

生活支援体制整備事業において生活支援コーデイネーター( 地域支え合い推進員 )の機能として規定されている内容について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 地域のニーズと資源の状況の見える化、問題提起

2 生活支援の担い手の養成やサービスの開発

3 要支援認定に係る認定調査の状況のチェック

4 地域支え合いの観点からのケアプランの点検

5 地縁組織等多様な主体への協力依頼等の働きかけ

ケアマネジャー試験  平成29年度 問題20

このように生活支援体制整備事業で配置される生活支援コーディネーターの機能について問われていました。
生活支援コーディネーターの機能は大まかに分けると、①資源開発ネットワークの構築ニーズと取り組みのマッチングであり上記の過去問の答えは1,2,5となります。

出題された内容以外に覚えておくべきは、生活支援体制整備事業で配置するものの名称です。
生活支援コーディネーター以外には、就労的活動支援コーディネーターを配置します。

また、情報共有や連携強化の場となる協議体を設置します。
この2つの役割や活動内容については今回が省いていますので、よろしければ↷のページでご確認ください。

地域ケア会議推進事業

地域ケア会議推進事業に関する出題は過去5年の試験で1回ありました。
出題された内容は地域ケア会議の機能についてです。

平成28年第19回試験にも地域ケア会議に関する問題が出題されたことがありますが、その時もその機能について問われました。
地域ケア会議の機能は次の通りです。

地域ケア会議の機能

個別課題の解決
② 地域包括支援ネットワークの構築
地域課題の発見
④ 地域づくり、資源開発
政策の形成

過去に出題された2回とも赤字の機能が選択肢として挙がっています。
それぞれの機能の詳細な内容までは問われていないため、機能の名称だけ覚えておくだけでも試験対策としては一定の効果が望めるかと思われます。

ここまで包括的支援事業の社会保障充実分の事業の覚え方について解説してきました。
包括的支援事業のうち、特に重要となるのが社会保障充実分の4つの事業であり、その事業の名称を問う問題認知症総合支援事業に関連する問題の出題が多くみられるのが近年のケアマネジャー試験の特徴となっています。

また、認知症初期集中支援チームに関する問題も保健医療のサービスの知識等に出題されやすいため重点的に覚えておくことをおすすめします。

皆さまが試験に合格できるよう祈願しております。

やぴぃ

今後試験の出題傾向が大きく変わることも考えられるので、時間に余裕があればこの記事にまとめている内容以外のことも目を通してみてねっ

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この記事を書いた人

ケアマネでまんねん運営者
主に問題の作成と解説作成担当。
ケアマネジャー試験の独学による学習をサポートし、みなさんが最短で合格するため、実践問題や一問一答、解説について書いています。