2ヶ所以上の訪問看護の利用はできる？OKな例とNGな例を解説！

ケアマネ1年目の分からないことあるあるの１つである「訪問看護の併用」
ケアマネ試験の勉強ではサービスの併用についてあまり触れられないので、実務的な内容は教えてもらったり自分で調べることでしか知ることができませんよね。

冒頭から結論を書いてしまいますが、介護保険の訪問看護は2ヶ所以上の併用OKです。
1日のうちに2ヶ所の訪問看護を利用することだって可能です。
だけど訪問看護って医療保険のものであったり、自立支援医療によるものであったりと介護保険法以外の法制度が絡むこともあってちょっと複雑…。

この記事では、ケアマネの実務で遭遇する訪問看護の併用ついてざっくり解説していきます。

訪問看護の併用、OKなものとNGなもの

訪問看護の併用については、その可否を次の表に〇×でまとめました。

介護保険の訪問看護2ヶ所以上の併用	〇
介護保険の訪問看護と医療保険の訪問看護の併用	×
介護保険の訪問看護と精神科訪問看護の併用	×
医療保険の訪問看護と自立支援医療の訪問看護の併用	〇
医療保険の訪問看護2ヶ所以上の併用	〇

介護保険の訪問看護2ヶ所以上の併用

介護保険の訪問看護は2ヶ所以上の事業所の併用は可能です。
実は3ヶ所だって（保険者が納得する理由があれば）可能です。

2ヶ所の訪問看護をケアプランに位置付けるときって、例えばこんなときです。

介護保険の訪問看護は利用制限がないため、ケアプランに組み込むことができるなら全然問題なし！となります。
ただ次の加算は、複数の事業所で同時に算定することができません。

緊急時訪問看護加算	1ヶ月に1ヶ所のみ算定可
ターミナルケア加算	1ヶ所のみ算定可
退院時共同指導加算	原則として1ヶ所のみ算定。ただし2回算定することができる利用者（特別な管理が必要）もいるので、その場合は2ヶ所でも算定可
特定管理加算	1ヶ月に1ヶ所のみ算定が原則。ただし、事業所間の話し合いで分配可能

介護保険の訪問看護と医療保険の訪問看護の併用

この組み合わせは併用できません。
制度上、介護保険と医療保険に同じサービスがある場合は、介護保険のサービスが優先されます。
ただ、実際に医療保険による訪問看護を利用するときって何かしらの医療処置が必要な病名が付いていることがほとんどです。そのため医療保険による訪問看護が必要な場合には、そちらを優先します。

ちなみに医療処置が必要な病名というのは、「厚生労働大臣が定める疾病等」に含まれるものです。

介護保険の訪問看護と精神科訪問看護の併用

この組み合わせもNGです。
精神科訪問看護を利用している場合には、介護保険の訪問看護を利用することができません。

精神科訪問看護も医療保険によるものなので、利用者が引き続き精神科訪問看護が必要な状態なら介護保険の訪問看護よりも優先します。

また自立支援医療制度を使っての訪問看護（精神科訪問看護）も、介護保険の訪問看護と併用ができません。

医療保険の訪問看護と自立支援医療の訪問看護の併用

この組み合わせはOKです。
自立支援医療の訪問看護は、医療保険による訪問看護の自己負担額の軽減のための制度です。そのため併用はいたって自然なことです。

医療保険の訪問看護2ヶ所以上の併用

こちらも併用可能です。
このケースはケアマネの業務をしているとそこそこあります。こんな感じ↓

ただ特別訪問看護指示書がなければ、週に4回以上利用者は医療保険による訪問看護を受けることができません。これは1事業所につき週3日が限度というわけではないため注意してください。
特別な医療処置が必要なときって大抵、特別訪問看護指示書が出されるんですけどね。一応。

医療保険の訪問看護を利用しているけど、介護保険でリハビリを受けたい！

この場合は訪問リハビリテーションを利用しましょう。
介護保険の訪問看護によるリハビリは、医療保険の訪問看護を利用しているときは利用できませんが、訪問リハビリテーションは別のサービスとなるため併用OKです。

ただ訪問リハビリテーションを利用する場合には、医師の診察＆指示書が必要なので注意！訪問看護指示書だけではNGですので、また主治医に交付をお願いする必要があります。
ちなみに医師が、「〇さんにリハビリはいらないんじゃない？」って言うパターンもたまにあります。