【6月追記】2024年介護報酬改定のケアマネ試験出題ポイントと出題される可能性について

この記事の学習優先度は”やや高い”です。

2024年に介護保険法改正が施行され、ケアマネジャー試験の試験問題に及ぼす影響について気になっている方も多いかと思われます。

また2024年度の介護報酬改定はやや大きな改定となっており、2023年までの試験対策テキストの記載が古い情報となってしまうものもいくつかあります。

誤った知識をインプットし、失点するリスクを抑えるためにも、介護報酬改定の内容については十分に把握しておくことを前もってお伝えしておきます。

さて、この記事では2024年介護報酬改定内容のうち、今後特にケアマネジャー試験に出題されそうなポイントについて解説していきます。

すべての改定内容を網羅していないため、必要な際はこちらご覧ください。(※外部リンク)

2024年のケアマネジャー試験に今回の介護報酬改定の内容が出題される可能性は、十分あると筆者は考えています。

その理由としては、まず第一に過去の介護報酬改定年度の試験においての当年度の改定内容は少なくない割合で出題されています。

下記の表に改定が行われた年度の改定内容を含んだ選択肢または設問が出題された試験をまとめています。

介護報酬改定施行年度の試験出題内容
2021年(第24回)・2020年(2021年施行)介護保険法改正に関する設問
(介護支援分野 問1)
2018年(第21回)・身体的拘束等の適正化の推進に関する設問
(介護支援分野 問19)
・介護医療院に関する設問
(保健医療サービスの知識等 問44)
2015年(第18回)確認できず
2012年(第15回)・定期巡回・随時対応型訪問介護看護に関する設問
(介護支援分野 問5)
(介護支援分野 問20)

上の表にあるように既に施行されている介護報酬改定の内容は、過去の試験の出題のように「個別の介護サービスでの設問で選択肢」として出題される可能性が高いと考えられます。

「改正年の介護保険法改正について正しいものはどれか。」といった形式の出題も、2021年に見られましたので本年は警戒が必要です。

ただ、2020年度の介護保険法改正について問われることも視野に入れておいたほうがよいと思われます。

2024年度の介護報酬改定はやや大きな改定となるため、試験勉強がより一層大変になると思われる方もいるかもしれません。

ただ、試験に出題されると考えられるポイントはそこまで多くないと考えられます。

その理由は、近年のケアマネジャー試験の出題傾向として各介護サービスの「サービス費や加算に関する出題」が少ない傾向がみられるためです。

また改定年度の試験の改定内容を含む設問を見ても、加算に触れる選択肢が含まれていることは非常に少ないです。

そのためそれ以外の改定内容について、試験に出題されると予想されるポイントを解説していきます。

高齢者虐待防止と身体拘束の適正化

2024年度の介護報酬改定では、特定福祉用具購入を除くほぼすべての介護サービス高齢者虐待防止の措置が義務付けられました。

それにより虐待の防止のための対策を検討する委員会定期的に開催しなければならないと定められました。

また、身体拘束の適正化の推進が図られ、ほぼすべての介護サービスが身体的拘束等を行う場合にその態様及び時間、その際の利用者の心身の状況ならびに拘束を行うに至ったやむを得ない理由を記録することが義務付けられました。

特に居宅介護支援事業者身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を3月に1回以上開催することとされたことは要チェックです。

身体拘束の適正化についての問題は、改定のあった2018年度試験にも出題されており、2024年度試験にも出題される可能性を考慮しておいたほうがいいかもしれません。

管理者の兼務の緩和

多くの介護サービス事業所や施設では、管理者が自身の勤務する事業所以外で行う兼務は、同一敷地内の事業所または施設の職務であれば可とされていました。
これが2024年度介護報酬改定で制限が取り払われ、管理者を行っている事業所または施設から離れた事業所、施設の職務と兼務することができるようになりました。

ケアマネジャー試験の出題傾向に合わせた選択肢として表すならば、

〇 or × 管理者は、その業務を行うことに支障がなければ、同一敷地内の事業所または施設の職務に限って兼務することができる。

解答
正解 ×同一敷地の事業所、施設でなくても兼務することができるようになったため。

ということになります。

居宅介護支援

居宅介護支援は2024年度介護報酬改定により、試験の出題内容に影響を及ぼす可能性が非常に高いと予想されるほど、大きな変化が生じました。

ケアマネジャー1人あたりの取扱件数の変更

以前はケアマネジャー1人あたりの取扱件数は、「利用者の数が35又はその端数を増すごとに1とする」とされていました。

今回の介護報酬改定によって、「利用者の数が44又はその端数を増すごとに1とする」と変更になりました。

同一敷地内などに居住する利用者に対してのサービス

居宅介護支援事業所のある敷地内、または隣接する敷地内、あるいは居宅介護支援事業所と同じ建物に居住する利用者に対しては居宅介護支援を提供する場合、所定単位数の95%を算定することと新たに定められました。

介護予防支援の指定

2024年度4月から、居宅介護支援事業者は介護予防支援の指定を受けることができるようになりました。
これにより介護予防支援の指定を受けることができるのは、地域包括支援センターと居宅介護支援事業者となりました。

オンラインモニタリングの解禁

一定の要件を満たした場合、モニタリングを利用者の居宅に伺うことなくテレビ電話等で行うことができるようになりました。

ただし毎回モニタリングをオンラインで行うことはできず、少なくとも2ヶ月に1回は利用者の居宅に訪問することとされています。

介護予防支援の場合は少なくとも6ヶ月に1回、利用者の居宅に訪問することとされています。

他にも居宅介護支援は多くの見直しや変更がなされましたが、上記4つのポイントがケアマネジャー試験に今後出題されやすいと予想しています。

 福祉用具

2024年度介護報酬改定により、一部の福祉用具について貸与と販売の選択制が導入されました。
対象となる福祉用具は次の通りです。

貸与と販売の選択制の対象

固定用スロープ

歩行器(歩行車を除く

単点杖(松葉づえを除く

多点杖

これにより上記の4つの福祉用具を特定福祉用具販売で取り扱うことができるようになりました。

「特定福祉用具販売の対象となる福祉用具」についての出題はよく見られるため、必ずチェックしておきましょう。

やぴぃ

余談だけど2024年度のケアマネジャー試験は福祉用具に関する問題が出題される可能性が高いと予想されるよっ

訪問リハビリテーションのみなし指定

2024年6月より、介護老人保健施設及び介護医療院の開設許可があったときは、訪問リハビリテーション事業所の指定があったものとみなされるようになります。

これにより介護老人保健施設と介護医療院では次の3つがその開設許可と共に指定があったとみなされるようになります。

  • (介護予防)短期入所療養介護
  • (介護予防)通所リハビリテーション
  • (介護予防)訪問リハビリテーション ← New!

包括的支援事業の一部委託

2024年度より、地域包括支援センターは、総合相談支援事業の一部居宅介護支援事業者に委託することができるようになりました。

介護保険法改正の主な改正事項

「2023年介護保険法改正について正しいものはどれか。」といった設問が出題された場合に、上記以外の内容で選択肢として出題される可能性のあるポイントは大まかに分けると次の通りです。

1. 市町村の事業に、被保険者等に係る医療・介護情報の収集・提供等が追加。医療保険者と一体的に行う。
なお、この事業は国保連・支払基金に委託することができます。

2. 1と内容がほぼ同様ですが、地域支援事業介護情報等を共有・活用することを促進する事業が追加。

3. が介護事業所、施設の財政状況の報告の義務付け。当該情報を収集・整理し、分析した情報を公表する。

法改正の内容はこれだけではありませんが、出題されやすいポイントは上記の3つと予想しています。
詳しい改正内容については、こちらでご確認ください。※外部リンク

ここまで2024年介護報酬改定の内容のうち、ケアマネジャー試験に出題されると予想されるポイントについて解説しました。

今回の介護報酬改定では多くの見直しや変更、追加された内容がありますが、ケアマネジャー試験の出題傾向からそのすべてを押さえておく必要はありません。

この記事で紹介したポイントは、ほとんどのケアマネジャー試験対策テキストに記載のある内容の変更点や追加点であるため、今後の試験で出題される可能性は高いと予想されます。

皆さまがケアマネジャー試験に合格できるよう祈願しております。

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この記事を書いた人

ケアマネでまんねん運営者
主に問題の作成と解説作成担当。
ケアマネジャー試験の独学による学習をサポートし、みなさんが最短で合格するため、実践問題や一問一答、解説について書いています。