この記事の学習優先度は”やや高い”です。
財政安定化基金はケアマネジャー試験に2,3年に1回程度の頻度で出題されており、内容の理解に苦戦するポイントの1つです。
自身で「財政安定化基金とは」と調べようとすると、難しい言葉遣いで解説されている地方自治体HPや厚生労働省HPが出てきて読むのを諦めてしまう人もいるのではないでしょうか。
しかし、実際に試験に出題されている内容はかなり範囲が狭く定型的で、出題されればボーナス問題であったりするポイントであるため、しっかりと学習しておきましょう。
この記事ではケアマネジャー試験向けに、財政安定化基金について出題されやすいポイントを踏まえて分かりやすく解説していきます。
財政安定化基金とは
財政安定化基金とは市町村の介護保険財政が安定的に運営できるよう都道府県が設置する基金です。
主に交付金の交付と貸付の2つの事業を行います。
交付金の交付
保険料未納によって介護保険財政に不足が生じた場合に、不足した金額の1/2を基準に交付金を交付します。
残った不足金額については貸付を行います。
交付は3年ごと(事業運営期間の最終年度)に行われます。
貸付
市町村で当初見込んでいた給付費が予想以上に増大した場合などに、必要な資金を貸し付けます。
交付とは異なり貸付金額に基準となる金額はありません。
財政安定化基金にお金を借りた市町村は、借りた事業運営期間(1期=3年)の次の事業運営期間に、3年間分割して保険料を財源として返済を行います。
この貸付に伴う利子はありません。
また、3年での返済が難しいと都道府県が認めた場合はさらに3年返済期間を延長してもらうことができます。
償還期限を守らないと無利子が有利子となります。
財政安定化基金の拠出
財政安定化基金への拠出は、国1/3,都道府県1/3、市町村1/3ずつ行います。
市町村の拠出分のお金は、第1号被保険者の保険料を財源としています。第2号被保険者の保険料は使われていません。
拠出の割合は介護給付費の負担割合と混同しやすいので注意してくださいっ
なお財政安定化基金から生じた収入は、すべて財政安定化基金のために使わなければなりません。
一旦まとめ
以上が財政安定化基金についてケアマネジャー試験に出題されやすいポイントの解説でした。
赤字、黄マーカーの文字は実際に試験に出題されたことのあるポイントです。
ここまで読んでいて「あれ?少ない?」と感じた人もいるのではないでしょうか。
すでにお気付きの人もいるかもしれませんが、財政安定化基金についての出題は過去に出題された選択肢と重複した問題の出題が多くみられます。
これは今後も似たような選択肢の出題となる可能性が高く、深堀りして問われることが少ない可能性があることを示していると思われます。
現状では過去問を繰り返し解くだけでも十分に対応が可能なボーナス問題であるため、失点を防ぐためにも赤字、黄マーカー部分は覚えておくことをおすすめします。
似たようなワードの「地域医療介護総合確保基金」について2023年の試験で新たに問われたので、出題頻度がもしかしたら減る…かもっ?
そしてここからは、財政安定化基金についてケアマネジャー試験に出題されたことがなく、今後出題される可能性のあるポイントを少しだけ解説していきます。
飛ばしても基本的に差し支えないと思われます。
今後出題される”かも”しれないポイント
ポイントだけ箇条書きで記載しています。
・国、都道府県の拠出分は一般財源から行う。
・都道府県が保険者に対して拠出を求める率は、財政安定化基金拠出率を標準として都道府県の条例で定める。
・財政安定化基金拠出率は3年ごとに厚生労働大臣が定める。
・市町村は他の市町村と共同して広域的な保険財政の調整を図ることができる。
もし財政安定化基金に関する出題傾向が難化方向にシフトした場合、もしかしたら上記のようなポイントが選択肢と出題されるかもしれません。
現状、無理に覚える必要性は低いため、学習の後期に余裕があれば目を通してみてはいかがでしょうか。
皆様が試験に合格できるよう祈願しております。