この記事の学習優先度は”低い”です。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は2012年に創設された、比較的新しい居宅サービスです。
そのためか保健医療サービス分野のなかでも、出題頻度が多いほうではありません。
出題頻度的にも、2024年度ケアマネジャー試験で出題される可能性は高くないと予想していますが、万が一に備えしっかりポイントを押さえておくことが重要となります。
この記事では次のような事柄について解説を行っていきます。
・定期巡回・随時対応型訪問介護看護の過去のケアマネジャー試験での出題ポイント
・2024年度介護報酬改定に伴う出題への影響
・2024年度の試験に出題が予想されるポイント
予想は絶対じゃないからねっ!参考程度にねっ
過去のケアマネジャー試験の出題ポイント
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は過去5年間の試験では、設問として1回出題されています。
過去10年間に遡っても試験で設問として出題されたのは2回で、出題頻度は高くありません。
選択肢としては何度か出題されています。
過去には次のような設問が出題がされていました。
指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 利用者が尊厳を保持し、可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう援助を行う。
2 要支援者も利用できる。
3 利用者の心身の状況にかかわらず、毎日、訪問しなければならない。
4 随時対応サービスについては、利用者のみならずその家族等からの在宅介護における相談等にも適切に対応する。
5 介護・医療連携推進会議は、おおむね6月に1回以上、開催しなければならない。
令和4年度第25回介護支援専門員実務研修受講試験 問44解答をみる
正解 1,4,5
定期巡回・随時対応型訪問介護看護について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 居宅で生活している要支援者も利用できる。
2 心身の機能の維持回復を目指す。
3 随時訪問サービスは、随時の通報からおおむね30分以内に居宅に駆けつけられる体制確保に努めなければならない。
4 介護・医療連携推進会議の会議記録は、守秘義務の観点から公表してはならない。
5 苦情処理では、苦情の内容を記録しなければならない。
平成30年度第21回介護支援専門員実務研修受講試験 問40解答をみる
正解 2,3,5
定期巡回・随時対応型訪問介護看護について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 提供するサービスは、定期巡回サービス、随時対応サービス及び訪問看護サービスの3つである。
2 主治の医師が認めた居宅要介護者以外は、給付対象とならない。
3 「介護・看護一体型」の場合には、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士を事業所に配置することができる。
4 訪問看護サービスを行うのは、看護師に限られる。
5 入浴の介護も行うことができる。
平成24年度第15回介護支援専門員実務研修受講試験 問5解答をみる
正解 3,5
設問の出題傾向を見てみると、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の利用対象について問う選択肢が多くみられます。
2回連続で「要支援者が利用できるか否か」という選択肢が出題されたのも象徴的です。
そのため、まずは利用対象について必ず押さえておきましょう。
・要支援者は利用できない。
・主治医が認めていなくても利用可能。(ただし定期巡回・随時対応・随時訪問に係る部分のみ)
そのほか、出題傾向としては定期巡回・随時対応型訪問介護看護がどのようなサービスなのか基本的な内容を問う選択肢が多めに見られます。
チェックしておきたい定期巡回・随時対応型訪問介護看護の内容は次の通りです。
・定期巡回サービス、随時対応サービス、随時訪問サービス+訪問看護の4つを提供する。
・一体型と連携型があり、連携型は外部の訪問看護事業所と連携してサービスを提供する。
・利用者の家族等からの在宅介護における相談等にも対応する。
・入浴介助も可能。
・随時訪問サービスでは、利用者の通報からおおむね30分以内に居宅に駆けつけられる体制確保に努める。
・定期巡回サービス=毎日訪問ではなく、利用者と合意のもと、訪問回数や時間を決める。
また意外にも、人員基準に関する選択肢の出題があまり見られていません。
ただ定期巡回・随時対応型訪問介護看護自体の出題頻度が少ないことから、出題傾向も決して信頼性が高いものではなく、過去問の傾向を過信して勉強するのはややリスクが高い選択だと考えられます。
出題されていない=出題の余地がまだまだあると考えておいた方がいいかもしれません。
2024年度介護報酬改定の影響
2024年度の介護報酬改定では、様々なサービスに介護報酬を中心とした改定がありました。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護でも、1点、今後ケアマネジャー試験に出題されると予想される内容があります。
夜間対応型の区分の新設
定期巡回・随時対応型訪問介護看護に新たに「夜間対応型」のサービス区分が新設されました。
夜間対応型の事業所では、夜間帯(18:00~翌8:00)のみサービス提供を行います。
サービス提供時間帯に22:00~6:00までを最低でも含む必要があります。
この点はほぼ夜間対応型訪問介護と同様であるため、まとめて覚えてしまいましょう。
最大の試験対策ポイントは、夜間対応型の介護報酬にあります。
夜間対応型の介護報酬
新設された夜間対応型の基本報酬は、月額の定額制です。
これに定期巡回サービス費と随時訪問サービス費が、それぞれ1回の利用あたりに算定されます。
どの介護度でも単位数は同じ(=料金が同じ)です。
そのほかの改定については、試験に出題される可能性は低いと思われます。
勉強に余裕がある場合には、こちらの記事に詳細が載っているためご確認ください。(※外部リンク)
なお2024年度介護報酬改定の改定内容のうち、2024年度ケアマネジャー試験に出題されるかもしれないポイントについてはこちらの記事でまとめています。
2024年度に出題が予想されるポイント
ここからは2024年度の試験に出題が予想されるポイントを、独自の視点で解説していきます。
ピンポイントで的中させることは流石に難しいので、ざっくりとした予想です。
何卒ご了承ください。
人員基準
まだ深堀されて出題されていない人員基準については、設問の出題があれば選択肢として出題される可能性があると予想されます。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護の人員基準は次の通りです。
管理者 | 特段の資格要件なし。常勤専従。 |
---|---|
オペレーター | 資格:医師、看護師、保健師、准看護師、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員 看護師等と連携すればサービス提供責任者を1年以上経験した者でも可 提供時間を通じ1人以上常勤。兼務可。 |
計画作成責任者 | 医師、看護師、保健師、准看護師、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員のうち1人以上 |
訪問介護員等 | 定期巡回サービス:必要数 随時訪問サービス:提供時間を通じて常勤で1人以上 |
看護師等 ※一体型のみ | 常勤換算方法で2.5人以上。 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を適当数。(配置しなくてもいい) |
管理者やオペレーターの要件などは、他のサービスの設問をみても出題されやすいことが予想されますので、ポイントを押さえておくことをお勧めします。
運営基準
運営基準については、サービス提供日時の決定に関するもののほか、同居家族へのサービスの提供禁止と合鍵の預かりに関する部分は出題されやすいポイントと予想されます。
・サービス提供日時は、居宅サービス計画にかかわらず、計画作成責任者が決定することができる。
・同居家族である利用者へのサービスを行ってはならない。(ただし随時対応サービスを除く)
・合鍵を預かる場合には、管理を厳重にし、紛失時の対応等を記載した文書を利用者に交付する。
設備基準
設備基準に関しては、ケアコール端末の扱いに関する出題が予想されます。
・利用者がオペレーターに通報するためのケアコール端末等を配布しなければならない。
・ケアコール端末等には、携帯電話も含まれる。
・ケアコール端末等の設置料金、保守料金、貸出料金などを利用者から受け取ってはならない。ただし、通報に係る通信料、通話料等は利用者負担となる。
夜間対応型訪問介護と内容が被るポイントでもあるため、まとめて覚えてしまうのがいいかもしれません。
介護報酬
定期巡回・随時対応型訪問介護看護費は月額定額制となっています。
利用者が月に何度利用しても、利用料金は変わりません。
介護報酬区分は、要介護度や事業所の形態別で区分されています。
加算や減算に関する出題は、近年の試験ではあまり見られませんが、緊急時訪問看護加算やターミナルケア加算など一体型の事業所でなければ算定することができない加算があるのは、一応押さえておいていいかもしれません。
併用することができないサービス
定期巡回・随時対応型訪問介護看護と併用できないサービスは次の3つです。
- 訪問介護(通院時の乗降介助を除く)
- 訪問看護
- 夜間対応型訪問介護
これは、定期巡回・随時対応型訪問介護看護とサービスの内容が被っているためです。
おわりに
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、ケアマネジャー試験での出題頻度はそこまで高くありません。
2022年度試験で出題されているため、出題頻度の傾向的には2024年試験で出題される可能性は高くないかもしれません。
ただ出題頻度が低いことから、今後出題される場合には過去問に掲載されていないような選択肢が出題されることも十分に予想できます。しっかりとテキストベースで対策をしていきましょう。
皆さまがケアマネジャー試験に合格できるよう、祈願しております。
繰り返しになりますが、この記事の出題予想はあくまで予想なのでご了承くださいっ!