この記事の学習優先度は”低い”です。
この記事を開いた方はおそらく、第26回ケアマネジャー試験問題を見て「地域医療介護総合確保基金」とはなんだろう?と考えたのではないでしょうか。
地域医療介護総合確保基金とは、平成26年度から始まった財政支援制度であり、第26回試験で初出題となりました。
そのため、多くの方が試験対策として学習していなかったと予想されます。
地域包括ケアシステムの実現が重要視される今日において、今後も出題される可能性があります。
この記事ではケアマネジャー試験でのポイントをわかりやすく解説していきます。
地域医療介護総合確保基金とはなにか
地域医療介護総合確保基金は、平成26年度から始まった制度で、国が消費税増収分の一部を各都道府県に交付し、地域の医療と介護の体制を支援するものです。
目的は、2025年に75歳以上となる団塊の世代に対応するため、効率的かつ質の高い医療提供体制の構築と、地域包括ケアシステムの構築の推進です。
地域医療介護総合確保基金の交付額は、都道府県の人口や高齢化などに応じて決められています。
地域医療介護総合確保基金の財源
財源は、国が消費税によって2/3を負担し、残りの1/3を都道府県の一般財源で負担します。
地域医療介護総合確保基金の支弁対象
支弁対象は次の通りです。
①-1 地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設又は設備の整備に関する事業
①-2 地域医療構想の達成に向けた病床の機能又は病床数の変更に関する事業
② 居宅等における医療の提供に関する事業
③ 介護施設等の整備に関する事業(地域密着型サービス等)
④ 医療従事者の確保に関する事業
⑤ 介護従事者の確保に関する事業
⑥ 勤務医の労働時間短縮に向けた体制の整備に関する事業
このように主に医療・介護事業の体制整備、人材確保、財政に対して助成を行うということが分かります。
支弁対象の事業のどのような内容に助成が行われるのかは次の通りです。
地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設又は設備の整備に関する事業
・急性期病床から回復期病床に転換したりするなどの、病床機能の転換等の施設・設備整備に対する助成事業
・ICT活用による地域医療情報ネットワークの構築を行う事業
地域医療構想の達成に向けた病床の機能又は病床数の変更に関する事業
・自主的に行われる病床減少を伴う病床機能の再編、病床減少を伴う医療機関の統合等の取組
居宅等における医療の提供に関する事業
・在宅医療に関する運営体制、人員の整備
・訪問看護の促進や人材確保のための研修の実施など
介護施設等の整備に関する事業介護施設等の整備に関する事業
・地域密着型サービス施設等の整備
・介護施設の開設準備経費等
・特養多床室のプライバシー保護のための改修等
④~⑥は文字通りであるため、解説は割愛します。
ケアマネジャー試験でのポイント
ケアマネジャー試験で出題が予想されるポイントは次の通りです。
・都道府県に設置される
・財源の負担は、国2/3、都道府県が1/3
・国が負担する費用の財源は消費税
・都道府県が負担する費用の財源は一般財源
・支弁対象事業
第26回ケアマネジャー試験に出題された内容が、
問題11 地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律に規定する基金(地域医療介護総合確保基金)について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 医療及び介護の総合的な確保に関する目標を達成するために必要な事業に要する費用を支弁するため、都道府県が設ける。
第26回介護支援専門員実務研修受講試験
2 公的介護施設等の整備に関する事業は、支弁の対象とならない。
3 医療従事者の確保に関する事業は、支弁の対象となる。
4 介護従事者の確保に関する事業は、支弁の対象となる。
5 国が負担する費用の財源は、所得税及び法人税である。
であるため、特に支弁対象と設置者、財源については必ず把握しておきましょう。
そのほかに出題されるとしたら、「地域医療介護総合確保基金の予算額は、介護分と医療分では医療分のほうが多い」などが挙げられます。
まとめ
ここまで地域医療介護総合確保基金について解説してきました。
地域医療介護総合確保基金はケアマネジャー試験での出題歴が第26回試験まで無く、分かりやすい解説が少ないため独学での学習に苦戦するポイントです。
しかし、試験に出題されるポイントは限定的で、要点さえ覚えてしまえばケアマネジャー試験に出題されたとしても対応が可能かと思われます。
ケアマネジャー試験合格に向けて、学習が上手く進むよう祈願しております。
地域医療介護総合確保基金の問題は初見ではキツかったけど、出題されるポイントはおそらく限定的なので対策は比較的簡単ですっ!