令和6年度第2回模擬試験 解答と解説ページ

解答番号

スクロールできます
介護支援分野解答保健医療サービスの知識等解答福祉サービスの知識等解答
問11、4、5問263、4、5問462、4
問21、2、3問271、4問472、4、5
問34、5問283、5問481、5
問41、3、5問292、3、5問491、2、5
問52、4問301、2、4問503、4、5
問61、2、5問312、3、4問512、4、5
問72、4、5問321、3、4問521、3
問81、2問331、2、4問532、4
問91、4、5問342、5問543、4、5
問102、4問352、3、5問551、3、5
問112、3、4問361、4、5問563、5
問121、3、5問371、4、5問571、2、5
問131、2、4問382、4、5問581、2、3
問142、3、5問393、4問594、5
問152、3、5問402、3、4問601、2、3
問161、2問413、4、5
問171、3、4問422、4
問181、2、3問432、4、5
問191、5問441、4、5
問201、3、5問453、4、5
問212、4、5
問223、5
問231、2
問241、3、5
問251、2、3

解説

問1 2020年介護保険法改正について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 要介護者が第1号事業のサービスを継続的に利用することが可能となった。

2 居宅介護支援事業所の管理者の要件が主任介護支援専門員と定められた。

3 都道府県知事は要介護者等に提供されるサービスの内容について調査及び分析を行い、その結果を公表するよう努めるものとされた。

4 一定年収以上の高所得者世帯の高額介護サービス費の負担上限が見直された。

5 市町村の任意事業として重層的支援体制整備事業が創設された。

正解 1,4,5

1:〇 2020年介護保険法改正により、要支援認定を受け、第1号事業のサービスを受けている間に要介護認定を受けたとしても、本人が希望すれば第1号事業のサービスを継続的に利用することが可能となりました。

2:× 居宅介護支援事業所の管理者の要件が主任介護支援専門員と定められたのは、2017年介護保険法改正です。

3:× 2020年介護保険法改正により、厚生労働大臣は要介護者等に提供されるサービスの内容について調査及び分析を行い、その結果を公表するよう努めるものと定められました。

4:〇 2020年介護保険法改正で最も被保険者に影響があったのが、この高額介護サービス費の負担上限の見直しでした。高所得者世帯は最大で9万円以上負担上限が上がり、費用負担が増大しました。

5:〇 重層的支援体制整備事業が創設されたのは2020年介護保険法改正です。重層的支援体制整備事業は社会福祉法に基づく事業ではあるものの、その一部に介護保険法における地域支援事業(地域包括支援センターの運営、地域介護予防活動支援事業、生活支援体制整備事業)が含まれているため、介護保険法と深いかかわりがあります。

2020年度介護保険法改正は「地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律」の一部であり、老人福祉法や社会福祉法などと同時に改正が行われています。


問2 介護保険法第1条(目的)に規定されている文言として正しいものはどれか。3つ選べ。

1 必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行う

2 国民の保健医療の向上

3 国民の共同連帯の理念

4 共生する活力ある社会の実現

5 要介護状態等の軽減又は悪化の防止

正解 1,2,3

介護保険法第1条は次の通りです。


「この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。」

よって正答は1,2,3となります。

4:× 共生社会を実現するための認知症基本法第1条に含まれている文言です。

5:× 介護保険法第2条に含まれている文言です。


問3 わが国の認知症等の動向について正しいものはどれか。2つ選べ。

1 「認知症及び軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究」によると、2025年の認知症患者の推計値は600万人を超える。

2 「認知症及び軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究」の推計値によると、2025年には認知症患者数が軽度認知障害を有する者の数を上回る。

3 65歳以上の認知症及び軽度認知障害の有病率は、2012年の厚生労働省の報告から2022年まで大きく増加している。

4 軽度認知障害の有病率は、85歳から89歳に比べ90歳以上では減少傾向が見られる。

5 2020年の若年性認知症実態調査によると、若年性認知症のうち、アルツハイマー型認知症が占める割合は50%を超える。

正解 4、5

1:×   2025年の認知症患者の推計値はおよそ471万人とされており、600万人を超えるのは早くても2040年と推計されています。

2:×   2022年の調査によると、日本における認知症患者数はおよそ443万人、軽度認知障害を有する者の数はおよそ558万人とされています。推計値では、2050年でも認知症患者数がおよそ586万人、軽度認知障害を有する者の数はおよそ631万人とされており、上回るのは2060年頃と予測されています。

3:×   65歳以上の認知症及び軽度認知障害の有病率は2012年では28.0%、2022年から2023年の調査では27.8%であり、大きな変化はありません。これは軽度認知障害から認知症に移行した者の割合が低下した可能性が指摘されています。

4:〇 65歳以上の認知症の有病率は年齢に比例して増加していきますが、軽度認知障害の有病率は85歳から89歳をピークに減少する傾向が見られます。

5:○   若年性認知症のうち、アルツハイマー型認知症が占める割合は52.6%と、患者の半数を占めていました。


問4 介護保険制度における市町村の役割について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 居宅介護支援事業者の人員に関する基準の設定

2 介護予防サービス事業者に対する指導監督

3 保健福祉事業の実施

4 第2号被保険者負担率の設定

5 介護保険被保険者証の発行

正解 1,3,5

1:〇 居宅介護支援事業者の人員、運営に関する基準は保険者(市町村および特別区)が設定します。

2:× 介護予防サービス事業者に対しての指導監督や指定、許可は都道府県の事務です。

3:〇 保健福祉事業は第1号被保険者の保険料を財源として行う事業です。保険者が行います。

4:× 第2号被保険者負担率は国が定めます。

5:〇 介護保険被保険者証の発行や更新に係る事務は保険者が行います。


問5 介護保険制度における利用者負担について正しいものはどれか。2つ選べ。

1 介護保険負担割合証はすべての被保険者に対して交付される。

2 生活保護の被保護者は高額介護サービス費の支給対象となる。

3 高額介護サービス費は、世帯あたりの利用者負担の1年間の合計が一定額を超えた場合に支給される。

4 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護では、おむつ代は保険給付の対象となる。

5 介護保険施設の居住費は特定入所者介護サービス費の対象とならない。

正解 2,4

1:× 介護保険負担割合証は、すべての要介護者・要支援者に対して交付されます。被保険者というだけでは交付されません。

2:〇 生活保護の被保護者は高額介護サービス費の支給対象です。

3:× 世帯ごとの利用者負担の1ヶ月の合計金額が政令で定める基準を上回った場合に、高額介護サービス費が償還払いで支給されます。

4:〇 介護保険施設および地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護ではおむつ代が保険給付の対象となっています。その他、短期入所生活介護、短期入所療養介護も保険給付の対象です。

5:× 特定入所者介護サービス費は低所得者対策の1つであり、入所者および短期入所者の食費や居住費、滞在費が負担限度額以上となった場合に補足給付されます。


問6 区分支給限度基準額について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 区分支給限度基準額の範囲内で複数のサービスを組み合わせて利用することができる。

2 認知症対応型共同生活介護には設定されていない。

3 区分支給限度基準額の範囲を超えるサービスの利用については、その費用は償還払いとなる。

4 月の途中に要介護度が変更となった場合、変更後の要介護度の区分支給限度基準額が適用される。

5 区分支給限度基準額の上乗せは市町村の条例で規定する。

正解 1,2,5

1:〇 区分支給限度基準額とは、介護保険サービスを利用する際に、要支援・要介護度ごとに設定された月の上限額を単位数で示したものです。利用者は設定された範囲内で複数のサービスを組み合わせて利用することができます。

2:〇 区分支給限度基準額が設定されないサービスがいくつかあり、認知症対応型共同生活介護もその1つです。

3:× 区分支給限度基準額の範囲を超えるサービスの利用については、その全額が利用者の負担となります。

4:× 月の途中に要介護認定または要支援認定が変更となった場合には、介護度の重いほうの区分支給限度基準額が適用されます。そのため、要介護2から要介護1に月の途中で変更となった場合には、要介護2の区分支給限度基準額が適用されたままです。この場合翌月から要介護1の区分支給限度基準額が適用されます。

5:〇 区分支給限度基準額の設定は国が行い、その上乗せは市町村の条例で定めます。


問7 指定介護予防支援事業者について正しいものはどれか。2つ選べ。

1 利用者に対して、複数の介護予防サービス事業者の紹介が義務付けられている。

2 地域包括支援センターの設置者である指定介護予防支援事業者は、その業務の一部を、介護予防支援事業者の指定を受けていない居宅介護支援事業者に委託することができる。

3 地域包括支援センターの設置者である指定介護予防支援事業者が、介護予防支援の一部を委託する場合には、社会福祉協議会の議を経なければならない。

4 指定居宅介護支援事業者である指定介護予防支援事業者の管理者は、主任介護支援専門員でなければならない。

5  具体的取扱方針に、身体拘束等の適正化に関する内容が含まれる。

正解 2,4,5

1:× 利用者が介護予防支援事業者に対して複数の介護予防サービス事業者の紹介を求めることができる旨を予め説明しなければならないと規定されていますが、利用者から求められなければ複数の事業者を紹介しなくても問題ありません。

2:〇 地域包括支援センターの設置者である指定介護予防支援事業者は、その業務の一部を、介護予防支援事業者の指定を受けていない居宅介護支援事業者に委託することができます。

3:×  地域包括支援センターの設置者である指定介護予防支援事業者が、介護予防支援の一部を委託する場合には、地域包括支援センター運営協議会の議を図らなければなりませ

4:〇 地域包括支援センターの設置者である介護予防支援事業者については、管理者は常勤、専従が要件であって資格の定めはありません。居宅介護支援事業者である介護予防支援事業者の管理者は主任介護支援専門員でなければならないと規定されています。

5:× 2024年度介護報酬改定より、具体的取扱方針に、身体拘束等の適正化に関する内容が追加されました。


問8 介護保険法に規定される市町村介護保険事業計画で定める事項について正しいものはどれか。2つ選べ。

1 認知症対応型共同生活介護の必要利用定員総数

2 地域支援事業の量の見込み

3 介護認定審査会の委員の定数

4 介護サービス情報の公表に関する事項

5 介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針

正解 1、2

1:○ 市町村介護保険事業計画で定めるべき事項です。

2:○ 市町村介護保険事業計画で定めるべき事項です。

3:× 介護認定審査会の委員の定数は市町村の条例で定めます。市町村介護保険事業計画で定めるとは規定されていません。

4:× 介護サービス情報の公表に関する事項は都道府県介護保険事業支援計画で定めるよう努めるべき事項です。

5:× 介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針(基本指針)は厚生労働大臣が定めます。


問9 介護保険の被保険者資格について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 日本に住所を有する外国人は第2号被保険者となることができる。

2 医療保険未加入の65歳以上の者は第1号被保険者となることができない。

3 第1号被保険者が亡くなったとき、死亡日の当日に被保険者資格が喪失する。

4 住所地特例適用被保険者は、転居先の地域支援事業を利用することができる。

5 介護保険被保険者証は個人単位で発行される。

正解 1、4、5

1:○ 日本に住所を有することが資格要件となるため、外国人であっても被保険者となることができます。

日本人であって外国に住所を有する場合は被保険者となることはできません。

2:× 65歳以上の者は市町村に住所有することが被保険者の要件です。医療保険未加入であっても第1号被保険者となります。

3:× 被保険者が亡くなったときは、その翌日に被保険者資格が喪失します。

4:○ 住所地特例適用被保険者は転居先の地域密着型サービスの一部と地域支援事業を利用することができます。

地域密着型サービスのうち、入居や入所を伴うものは利用できません。

5:○ 医療保険被保険者証は世帯単位で発行されますが、介護保険被保険者証は個人単位で発行されます。


問10 第2号被保険者にかかる介護保険料について正しいものはどれか。2つ選べ。

1 保険料の徴収は年金保険者が行う。

2 介護予防・日常生活支援総合事業の財源となる。

3 保険料の算定方法は国が定める。

4 徴収された保険料は介護給付費・地域支援事業支援納付金として納付される。

5 財政安定化基金の財源となる。

正解 2、4

1:× 第2号被保険者の保険料の徴収は医療保険者が行います。

2:○ 介護予防・日常生活支援総合事業の財源には、第1号保険料と第2号保険料のどちらも含まれています。包括的支援事業と任意事業の財源には、第2号保険料は含まれていません。

3:× 第2号保険料は、各医療保険者が算定方法を定めています。

4:○ 医療保険者が徴収した第2号保険料は、社会保険診療報酬支払基金に介護給付費・地域支援事業支援納付金として納付されます。

5:× 財政安定化基金の財源には第1号保険料が含まれていますが、第2号保険料は含まれていません。


問11 介護保険法に規定されている介護支援専門員の義務として正しいものはどれか。3つ選べ。

1 都道府県の定める基準に従い、その業務を行わなければならない。

2 名義を他人に貸してはならない。

3 公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。

4 介護支援専門員として知り得た情報を、正答な理由なしに漏らしてはならない。

5 施設入所の際に、円滑な支援を行わなければならない。

正解  2、3、4

介護支援専門員の義務は、介護保険法第69条34~39までに7つ規定されています。

・公正・誠実な業務遂行義務

・基準遵守義務

・資質向上努力義務

・介護支援専門員証の不正使用禁止

・名義貸しの禁止

・信用失墜行為の禁止

・秘密保持義務

基準遵守義務は、「厚生労働省の定める基準に従ってその業務を行わなければならない」と定められているため、選択肢1は誤りとなります。

また、資質向上は努力義務であるため、常に資質向上を図るよう努める必要があります。

選択肢5の施設入所の際の円滑な支援は、介護支援専門員の義務として規定されていないため誤りです。


問12 社会福祉法における「重層的支援体制整備事業」に含まれる事業はどれか。3つ選べ。

1 生活支援体制整備事業

2 認知症総合支援事業

3 地域介護予防活動支援事業

4 地域リハビリテーション活動支援事業

5 地域包括支援センターの運営

正解 1、3、5

重層的支援体制整備事業には高齢(介護保険法)、障がい(障害者総合支援法)、子育て(子ども・子育て支援法)、困窮(生活困窮者自立支援法)の4つの分野が含まれています。

重層的支援体制整備事業は社会福祉法に基づく事業ですが、含まれている事業は各法律に基づいて行われます。

高齢分野のうち、含まれているのが介護保険法に基づく生活支援体制整備事業、地域介護予防活動支援事業、地域包括支援センターの運営です。


問13 介護サービス事業者の指定について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 指定の効力期間は6年である。

2 小規模多機能型居宅介護事業者は共生型居宅サービス事業者の指定を受けることができる。

3 都道府県知事は指定認知症対応型通所介護事業者の指定を取り消すことができる。

4 看護小規模多機能型居宅介護は、市町村の公募指定の対象である。

5 事業の申請者が指定の申請前5年以内に居宅サービス等に関し不正な行為をした者であった場合には、都道府県知事は指定をしないことができる。

正解 1、2、4

1:○ 事業者や施設の指定や許可の効力は6年です。そのため事業を継続する場合には6年ごとに更新しなければなりません。

2:○ 介護保険法における、訪問介護、通所介護、短期入所生活介護、小規模多機能型居宅介護および看護小規模多機能型居宅介護は共生型サービスの指定を受けることができます。
ただし障害者総合支援法および児童福祉法に基づく事業者は、小規模多機能型居宅介護や看護小規模多機能型居宅介護として共生型サービスの指定を受けることはできません。

3:× 認知症対応型通所介護は地域密着型サービスであるため、指定権限は市町村長であり指定の取消しも市町村長が行います。

4:○ 看護小規模多機能型居宅介護や定期巡回・随時対応型訪問介護看護などは市町村の公募指定の対象です。

5:× 事業の申請者が指定の申請前5年以内に居宅サービス等に関し不正な行為をした者であった場合には、都道府県知事は指定をしてはならないとされています。

過去の試験にも似たような出題がありましたが、「指定をしてはならない」と「指定をしないことができる」は異なるため注意しましょう。


問14 財政安定化基金について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 国の財政安定化を図る目的で設置される。

2 市町村は財政安定化基金に拠出する。

3 基金の貸付は無利子で行われる。

4 保険料未納によって介護保険財政に収入不足が生じた場合、不足額の1/2を基準として必要な資金を貸し付ける。

5 財政安定化基金から生ずる収入は、すべて財政安定化基金に充てなければならない。

正解 2,3、5

1:× 財政安定化基金は、市町村や都道府県の介護保険財政の安定化を図る目的で都道府県が設置します。設置の目的は市町村の介護保険事業の安定化に注目されがちですが、都道府県でも保険給付費が見込みよりも増大して基金の収入よりも支出が多くなった場合には、財政安定化基金の取り崩しを行うことができます。
そのため、必ずしも市町村の介護保険財政の安定化だけが財政安定化基金の目的ではありません。

2:〇 財政安定化基金への拠出は、市町村、都道府県、国が行います、それぞれの負担分は1/3ずつとなっています。

3:〇 貸付を受けた市町村は、次期市町村介護保険事業計画期間の3年間で分割して返済を行います。次期市町村介護保険事業計画期間で返済する場合には貸付金に利子は発生しません。

4:× 保険料未納によって介護保険財政に収入不足が生じた場合、不足額の1/2を基準として交付金が交付されます。貸付金には不足額の1/2といった定めはありません。

5:〇 財政安定化基金の収入の使い道には縛りがあり、財政安定化基金で定められた目的以外の使い方は一切認められていません。


問15 一般介護予防事業として正しいものはどれか。3つ選べ。

1 第1号訪問事業が含まれる。

2 介護予防に関するボランティアの人材を育成する事業が含まれる。

3 生活保護の被保護者は事業の対象となる。

4 要支援者は事業の対象とならない。

5 介護予防・日常生活支援総合事業の一部である。

正解 2、3、5

1:× 第1号訪問事業が含まれるのは介護予防・生活支援サービス事業です。

2:○ 介護予防に関するボランティアの人材を育成する事業は、一般介護予防事業のうちの地域介護予防活動支援事業に含まれます。

3:○ 一般介護予防事業の対象者は、すべての65歳以上およびその支援にかかわる者です。生活保護の受給にかかわらず事業の対象者となります。

4:× 要介護認定の有無は事業の対象の要件に含まれていないため、要支援者も対象者です。

5:○ 介護予防・日常生活支援総合事業は、介護予防・生活支援サービス事業と一般介護予防事業で構成されています。


問16 生活支援体制整備事業に含まれるものはどれか。2つ選べ。

1 生活支援コーディネーターの配置

2 協議体の設置

3 認知症地域支援推進員の配置

4 認知症初期集中支援チームの配置

5 チームオレンジコーディネーターの配置

正解 1,2

生活支援体制整備事業の柱は、生活支援コーディネーターの配置と協議体の設置です。

協議体とは、地域における関係機関が連携し、高齢者の自立支援や地域全体の支え合い体制の構築について協議を行う場のことをいいます。

その役割としては、情報交換や地域資源の把握、ニーズの把握などがあります。

認知症地域支援推進員や認知症初期集中支援チーム、チームオレンジコーディネーターの配置は認知症総合支援事業で行います。


問17 居宅介護サービス費の支給対象となるサービスはどれか。3つ選べ。

1 福祉用具貸与

2 夜間対応型訪問介護

3 特定施設入居者生活介護

4 居宅療養管理指導

5 認知症対応型通所介護

正解 1、3、4

夜間対応型訪問介護と認知症対応型通所介護は地域密着型サービスであるため、地域密着型介護サービス費の支給対象です。


問18 介護サービス情報の公表制度について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 地域密着型サービス事業者は、介護サービス情報を都道府県知事に報告しなければならない。

2 居宅介護支援事業者は、介護サービス情報を都道府県知事に報告しなければならない。

3 都道府県知事は、介護サービス事業者に対して、報告内容の調査を命じることができる。

4 介護サービス事業者が介護サービスの提供を開始するとき、利用者等の権利擁護等のために講じている措置について報告しなければならない。

5 介護サービス事業者が介護サービスの提供を開始するとき、個人情報保護等のために講じている措置について報告しなければならない。

正解 1、2、3

1:○ 地域密着型サービス事業者は都道府県知事に対して介護サービス情報の報告を行います。

2:○ 居宅介護支援事業者は都道府県知事に対して介護サービス情報の報告を行います。

介護サービス情報の報告は、すべての介護事業者が都道府県知事に対して行います。

3:○ 都道府県知事は介護サービス事業者から受けた報告をもとに、是正命令や調査命令をすることができます。また、事業者がこの命令に従わない場合には都道府県知事は、期間を定めて指定の取り消しや停止を行うことができます。

4:× 利用者等の権利擁護等のために講じている措置は基本情報ではないため、サービス開始時に報告する義務はありません。

5:× 個人情報保護等のために講じている措置は基本情報でないため、サービス開始時に報告する義務はありません。


問19 指定居宅介護支援事業について正しいものはどれか。2つ選べ。

1 居宅介護支援事業の人員基準および運営基準は、市町村の条例で定める。

2 通常の事業の実施地域であれば、利用者から交通費の支払いを受けることができる。

3 管理者は介護支援専門員に対して、特定の居宅サービス事業者等によるサービスを居宅サービス計画に位置付けるよう指示しなければならない。

4 介護支援専門員の員数は、利用者35人またはその端数を増すごとに1人を基準とする。

5 要介護認定の更新の申請が、遅くとも有効期間満了日の30日前には行われるように必要な支援を行わなければならない。

正解 1、5

1:○ 居宅介護支援事業の基準は、国の定める基準をもとに、市町村の条例によって基準が定められます。

2:× 通常の事業の実施地域範囲内の利用者に対して交通費を請求してはならないとされています。

3:× 特定の事業者のサービスに偏って居宅サービス計画に位置付けるよう指示を行ってはならないとされています。

4:× 2024年度介護報酬改定により、介護支援専門員の員数は利用者44人またはその端数を増すごとに1人を基準とすると変更になりました。

5:○ 居宅介護支援事業所は、利用者の要介護認定の更新にあたっては遅くとも有効期間満了日の30日前にその申請が行われるように支援を行わなければなりません。

なお、更新認定の申請は有効期間満了日の60日前から行うことができます。


問20 指定居宅介護支援におけるサービス担当者会議について適切なものはどれか。3つ選べ。

1 サービス担当者会議の開催の目的として、利用者を支援するチームの方向性を定めることがある。

2 利用者の家族が出席する場合には、家族が主宰者となって居宅サービス計画原案の内容を検討する。

3 利用者の更新認定時、要介護度に変化がない場合でも開催しなければならない。

4 利用者が認知症の場合には、利用者不在での開催が認められている。

5 サービス担当者会議の記録は、その完結の日から2年間保存しなければならない。

正解 1、3、5

1:○ サービス担当者会議の目的としては、次のようなものがあります。

①利用者を支援するチームで支援の方向性を定める

②支援チームとアセスメント内容を共有する

③居宅サービス計画原案の内容を固める

2:× このような規定はなく、サービス担当者会議の主宰者は介護支援専門員が行います。

3:○ 利用者要介護認定の更新に伴うサービス担当者会議は、要介護度の変化の有無にかかわらず、原則として必ず開催します。

4:× 原則として利用者は必ず参加となります。認知症だからといって利用者不在での開催は不適切です。

5:○ 記録は「その完結から2年間保存」です。


問21 指定居宅介護支援のアセスメントについて正しいものはどれか。3つ選べ。

1 利用者が「何を行うことができないか」を中心に分析を行う。

2 アセスメントをもとに居宅サービス計画原案を作成する。

3 原則として居宅介護支援事業所の相談室内で行う。

4 居宅サービス事業者に委託することはできない。

5 課題分析標準項目には「家族等の状況」が含まれる。

正解 2、4、5

1:× アセスメントは利用者の持つストレングス(強み)を中心に分析を行うのが基本となります。「何を行うことができないか」というより、「何を行うことができるか」にまず着目します。

2:○ アセスメントを行った結果を居宅サービス計画原案に落とし込み、サービス担当者会議を経て居宅サービス計画が完成します。

3:× アセスメントは原則として利用者の居宅に介護支援専門員が訪問して行います。

4:○ アセスメントを委託することはできません。居宅介護支援事業所の介護支援専門員が行います。

5:○ 課題分析標準項目は令和5年10月16日より改正され、「介護力」が「家族等の状況」に変更となりました。


問22 要介護認定の認定調査について正しいものはどれか。2つ選べ。

1 新規認定調査は、原則として地域包括支援センターの職員が行う。

2 新規認定調査は、例外的に居宅介護支援事業者に委託することができる。

3 認定調査表は、市町村独自のものを作成し使用することは認められていない。

4 主治医意見書の項目に、「社会生活への適応」に関する項目は含まれる。

5 市町村事務受託法人は、更新認定の調査を行うことができる。

正解 3,5

1:× 新規認定調査は原則として市町村職員が行います。また、例外的に市町村事務受託法人にも委託することができます。

2:× 居宅介護支援事業者は新規認定調査を行うことができません。更新認定は行うことができます。

3:〇 認定調査表は全国一律のものを使用します。市町村独自の書式等は認められていません。

4:× 主治医意見書には社会生活への適応に関する項目は含まれていません。認定調査表の調査項目には、社会生活への適応に関する項目が含まれています。

5:〇 市町村事務受託法人は新規認定調査と更新認定調査を行うことができます。


問23 介護認定審査会について正しいものはどれか。2つ選べ。

1 認定の審査における二次判定を行う。

2 市町村職員は委員となることができない。

3 認定における審査・判定結果を被保険者に通知する。

4 被保険者が受けることができるサービスの種類を指定することができる。

5 被保険者に主治医がいない場合、主治医意見書の記載のための診断を行う医師を当該市町村内から指定する。

正解 1,2

1:〇 介護認定審査会は、一次判定結果、認定調査表の特記事項、主治医意見書をもとに二次判定を行います。

2:〇 公平性の確保のために、市町村職員は介護認定審査会の委員となることができません。

3:× 認定における審査・判定結果を被保険者に通知するのは市町村です。

4:× 被保険者が受けることができるサービスの種類を指定することができるのは市町村です。

5:× 診断を行う医師の指定は市町村が行います。介護認定審査会は指定できません。


問24 67歳のAさん(要介護1、独居)は、脳卒中により軽度の左半身麻痺の後遺症がある。介護支援専門員が居宅を訪問したところ、左腕が動かしづらくなり、食事や移動、入浴などの動作が以前より難しくなってきたと話している。また、転倒のリスクも高まっているようである。訪問介護の利用勧めたところ拒否され、知らない人が自宅に入ることに抵抗を感じている様子である。この時点における介護支援専門員の対応として、より適切な対応はどれか。3つ選べ。

1 Aさんが現状の1人で自立した生活の継続が可能か、聞き取りを行う。
2 「サービスを続けていけばそのうち慣れる」と、訪問介護の利用を勧める。
3 ADLを妨げる要因がないかアセスメントを行う。
4 介護付き有料老人ホームや介護保険施設の入所も検討すべきと助言する。
5 運動やリハビリテーションによる機能維持を提案する。

正解 1,3,5

1:〇 以前よりも身体機能の低下を感じているAさんが、今後どのように生活を行っていきたいのか、自立した生活は可能なのかを聴き取ることは、居宅サービス計画の根幹を形成するためにも重要となります。

2:× 自宅に知らない人を入れたくないという要望がある以上、基本的に避けるべきであり、訪問介護を利用しないケアプランを考えていく必要があります。

3:〇 身体面の機能の低下によってADLが低下しているのか、それとも他の要因があるのか、あるいはその両方なのか判断し、必要な支援を行っていくためにもアセスメントは重要となります。

4:× 現時点で施設入所や入居の意志が確認できておらず、「各動作が難しくなってきた」段階であるため勧めるのは早計であると考えられます。

5:〇 左片麻痺であり身体機能の低下しADL低下やQOL低下を防ぐためにも、こうした提案は適切であると考えられます。また、具体的な介護保険上のサービスを提案するのもいいですが、自身で行うことができる対策(運動など)も提案できることが望ましいです。


問25 Aさん(79歳、女性、要介護2、認知症高齢者の日常生活自立度2a)は、孫(20歳、男性、大学生)と2人で暮らしており、孫は大学の授業やアルバイトにより日中不在のことが多い。Aさんは半日型の地域密着型通所介護を週1回利用している。孫から介護支援専門員に、「最近1人でおばあちゃんが出掛けて迷子になり、警察から電話が掛かってきた。これからも続くようだと学業やアルバイトに支障が出ないか心配だ」と相談があった。介護支援専門員として適切な対応はどれか。3つ選べ。

1 孫に、Aさんの最近の様子について何か変化がないか聴き取りを行う。
2 Aさん本人から、迷子になってしまった経緯を聞く。
3 地域密着型通所介護通所介護の利用日数増加について、Aさんや孫に意見を聞く。
4 Aさんの担当の介護支援専門員であるため、孫の悩みの解決に協力することはできないと告げる。
5 Aさんにこれ以上1人で外出しないよう強く訴える。

正解 1,2,3

1:〇 Aさんの認知症症状が悪化した可能性もあり、最近のAさんの様子を確認するのは適切です。

2:〇 迷子になった理由や考えられる要因を本人から直接聞き、対策を助言することも適切です。

3:〇 孫がAさんの様子を見ることができない時間が多いと考えられるため、利用中のサービスの増加について意見を聞くことも適切な対応です。ただし、利用者負担やAさん本人の意向もあるため、意見を聞かずに一方的にサービスの増加を勧めるのはNGです。

4:× 主たる介護者、キーパーソンの生活の質の低下は、Aさんの介護の質の低下にも繋がるおそれがあり、家族の介護負担や介護の不安の解決を図ることも介護支援専門員としての業務の1つです。

5:× 外出の抑制は認知症の悪化にも繋がるおそれがあるため不適切です。介護支援専門員は利用者が利用者らしく生活を送るための支援を行うことが業務であるため、行動の抑制より迷子にならないための対策、迷子になったときの対策等を考えることのほうが適切な行動となります。


問26 高齢者に多い病や疾患について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 関節リウマチは、左右非対称に変形や疼痛が現れやすい。
2 後縦靭帯骨化症で最も多いのは、腰部後縦靭帯骨化症である。
3 高齢者のがんは、若年者と比べ痛みの訴えが少なくなる傾向がある。
4 高齢者の糖尿病では、2型糖尿病の割合が多い。
5 白内障では、水晶体の混濁により視力低下をきたす。

正解 3,4,5

1:× 関節リウマチの症状は左右対称に現れることが多いです。また、男性より女性に多くみられる傾向にあります。

2:× 後縦靭帯骨化症は後縦靭帯が骨化し、神経を圧迫することにより上下肢にしびれや疼痛が現れる特定疾病です。頸部が最も発症しやすいと言われています。

3:〇 高齢者のがんは若年層で発症するがんと比べ痛みの訴えが少ない傾向にあるといわれています。

4:〇 高齢者の罹患している糖尿病のほとんどが加齢や食生活、生活習慣が要因となって発症する2型糖尿病です。

5:〇 白内障は加齢によって発生する水晶体の混濁によって発症する目の疾患です。視力低下が主な症状ですが、放置することにより最終的に失明する可能性があります。


問27 認知症について正しいものはどれか。2つ選べ。

1 軽度認知障害(MCI)は年間およそ1割が認知症に移行するといわれている。
2 レビー小体型認知症では、人格変貌や社会生活を送るうえで逸脱した行動が目立つようになることが多い。
3 若年性認知症は認知症初期集中支援チームの支援対象となっていない。
4 徘徊はBPSD(認知症の行動・心理症状)に含まれる。
5 HDS-R(改定長谷川式認知症スケール)では、20点以上で認知症が疑われる。

正解 1,4

1:〇 MCIは年間8%~15%認知症に移行すると報告されている一方で、改善しMCIでなくなる人もいます。MCIは可逆的であるため、認知症に移行しないような対策を取ることが重要となります。

2:× レビー小体型認知症はパーキンソン症状やリアルな幻視が特徴ですが、症状が多彩となりやすいと言われています。人格変貌や社会に逸脱した行動が目立つようになるのはピック病の特徴です。

3:× 認知症初期集中支援チームの支援対象は「40歳以上、在宅で生活し、認知症あるいは認知症の疑いのある人」です。そのため若年性認知症も支援対象に含まれます。

4:〇 認知症の症状は大きく大別して中核症状とBPSDがありますが、徘徊はBPSDに含まれます。

5:× HDS-Rは認知症の有無や進行状況を評価する手法の1つです。30点満点の減点方式で、20点以下が認知症の疑いとなります。他の評価方法として、MMSEなどがあります。


問28 感染症の予防について正しいものはどれか。2つ選べ。

1 ノロウィルスは飛沫感染が主な感染経路であり、接触感染することはない。
2 A型肝炎の主な感染経路は血液を介しての感染である。
3 手指消毒は手袋を着用し処置を行った場合でも必要となる。
4 高齢者の肺炎球菌ワクチンは毎年予防接種を行うことが望ましいとされる。
5 通常疥癬はヒゼンダニの寄生によって発症する。

正解 3,5

1:× ノロウィルスの主な感染経路は接触感染と飛沫感染です。感染者の吐瀉物等や汚染された衣服類等に触れた手を口に入れたり飛沫を吸い込んだりすることにより感染します。

2:× A型肝炎の主な感染経路は経口感染です。血液感染や性感染も報告されていますが、稀です。その大半は、汚染された食べ物や飲み物を飲んで感染(経口感染)します。

3:〇 手袋は完全な感染予防にはなりません。稀に微細な穴が空いていることもあり、そこから感染することもあります。

4:× 肺炎球菌ワクチンは定期接種が推奨されていますが、一度接種すると5年以上免疫が持続するため毎年接種する必要はありません。

5:〇 疥癬はヒゼンダニによって引き起こされる皮膚の感染症です。かゆみが主な症状です。


問29 次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。

1 糖尿病患者である利用者のインスリン自己注射は、本人以外が行うことはできない。
2 腹膜透析は血液透析と比べ、1ヶ月当たりの通院回数が少ないのが特徴である。
3 血圧透析患者の血圧測定は、シャントがない側の腕で行う。
4 訪問介護職員は、予め利用者または家族と書面にて同意を得ることにより、利用者の血糖測定を行うことが認められている。
5 在宅中心静脈栄養法を行っている場合、原則として入浴は可能である。

正解 2,3,5

1:× インスリン自己注射は本人以外にも、介護者である家族が行うことができます。また訪問看護の看護職員も行うことができます。

2:〇 腹膜透析は血液透析と比べ通院回数が少なく、在宅でも行うことができるのが利点です。一方で血液透析よりも感染のリスクがあります。

3:〇 シャント側の腕で血圧測定を行ってはならないとされています。これはシャントの破損を防ぐためです。シャント破損時は再手術が必要となります。

4:× 血糖測定は医療行為に該当するため訪問介護員が行うことはできません。在宅で行う場合は原則本人または家族が行います。訪問看護の看護職員も行うことができます。

5:〇 在宅中心静脈栄養法を行っている場合、適切な処置を行うことにより入浴可能です。


問30 ターミナル期について、適切なものはどれか。3つ選べ。

1 末期がんでは、死亡前1ケ月以降に急速に身体機能が低下することが多い。
2 口渇対策として、氷片を口に含むことが有効である。
3 臨終間際には、クスマウル呼吸がみられる。
4 意識が低下した状態でも、周囲の音が聞こえていることが多い。
5 体重減少により、褥瘡が発生しづらくなる。

正解 1,2,4

1:〇 末期がん患者は、亡くなる1ヶ月ほど前まで通常通り生活できることも多く、死期が近づくと急速に身体機能の低下が現れることが多いとされています。

2:〇 口渇には小さな氷片やかき氷などで対応することができます。氷片も無味ではなく患者の好みの味とすることも可能とされる場合が多いです。

3:× 臨終間際にみられるのは下顎呼吸です。チェーンストークス呼吸がみられることもありますが、クスマウル呼吸はみられません。

4:〇 ターミナル期ではやがて意識が朦朧とし、傾眠状態に陥りますが、聴力は正常に働いていることも多く、患者は周囲の音が聞こえているとされています。そのため家族の声掛け等も注視する必要はありません。

5:× 栄養状態の悪化や活動の減少により褥瘡は発生しやすくなります。


問31 高齢者の機能の低下について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 フレイルの状態の者のほとんどが、介護が必要な状態となっている。
2 フレイルの基準に3つ以上該当すると、フレイルと判断される。
3 フレイルの基準には、握力の低下が含まれる。
4 「指輪っかテスト」で、下腿部と指輪っかの間に隙間が見られると、サルコペニアの疑いがある。
5 ロコモティブシンドロームとは、加齢に伴い身体の予備能力が低下して健康障害を起こしやすくなった状態をいう。

正解 2,3,4

1:× フレイルは、健常と要介護状態の中間の状態とされ、適切な対応により健常の状態に戻るとされています。そのため、フレイルの状態の者のほとんどが、介護が必要な状態となっている(=要介護状態)といった記述は適当ではありません。

2:〇 フレイルの基準のうち、2つ当てはまるとプレフレイル、3つ以上当てはまるとフレイルと判断されます。

3:〇 フレイルの基準は次の通りです。
①体重減少 ②疲れやすい ③歩行速度の低下 ④握力の低下 ⑤身体活動量の低下

4:〇 指輪っかテストは、サルコペニアの簡易的な検査法の1つです。下腿の最も太い部分を指輪っかで囲い、親指同士と人差し指同士が離れているとサルコペニアの可能性は低く、親指同士と人差し指同士が完全に付き、輪っかと下腿の間に隙間があるとサルコペニアの疑いが強まります。

5:〇 ロコモティブシンドローム(運動器症候群)とは、運動器の障害のために立ち上がりや歩行のための身体能力(移動機能)が低下した状態をいいます。選択肢はフレイルの説明です。


問32 次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。

1 処方された薬を、家族に譲渡してはならない。
2 薬の飲み忘れに気付いた場合には、次の服薬時間に2回分服薬する。
3 薬の一包化は訪問介護職員が行ってはならない。
4 セミファーラー位とは、仰臥位から上半身を15°~30°程度起こした状態をいう。
5 処方された薬を服薬し副作用が現れた場合には、その程度にかかわらず、ただちに服薬を中止する。

正解 1,3,4

1:〇 処方された薬は原則として他人に譲渡してはなりません。処方箋はあくまでもその人に対して処方された薬であり、他人が服薬して同じ効果が得られるとは限りません。

2:× 服薬は1回に1回分の量を飲まなければなりません。飲み忘れたからといった2回分を1回で飲んでしまうと思わぬ作用が現れ健康を著しく害する危険があります。飲み忘れた場合には次の服薬時間を待つか、気が付いたときに直ちに服薬します。

3:〇 薬の一包化を行うことができるのは医師または薬剤師です。また、調剤薬局は医師の指示がなくても条件付きで一包化を行うことができます。

4:〇 セミファーラー位は嚥下しやすい体位です。寝たきりの人の食事や服薬の際に誤嚥をしにくくするために、仰臥位から上半身を30°程度起こします。

5:× 処方された薬の場合には、直ちに服薬を中止するとかえって身体に悪影響を及ぼす場合もあります。(抗パーキンソン病薬など)自己判断で服薬を中止せず、必ず医師に相談する必要があります。なお、市販薬の服薬で副作用が現れた場合には直ちに服薬を中止し、医師又は薬剤師に相談することが望ましいです。


問33 次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。

1 高齢者の妄想性障害では、幻覚や錯覚がみられる場合がある。
2 妄想性障害は、脳疾患や薬物による妄想を含まない。
3 統合失調症は、年齢と共に発症率が増加する傾向がある。
4 高齢者のうつ病は、認知症との鑑別が重要となる。
5 高齢者の多くのアルコール依存症は、若年発症型が大半を占める。

正解 1、2,4

1:〇 高齢者の妄想性障害では、実際の生活に沿った内容であることが多く、幻視や錯覚を伴うこともあります。

2:〇 脳疾患や薬物による妄想は急性のものであり妄想性障害には含まれません。

3:× 統合失調症は20代~30代での発症が多く、年齢と共に発症率が増加するということはありません。

4:〇 高齢者のうつ病は認知症やMCIと区別がつきにくく、それぞれ治療法も異なるため鑑別が重要となります。

5:× 高齢者のアルコール依存症は、やや老年発症型が多いというデータがありますが一概にどちらが多いとは言えない状況にあります。


問34 検査について適切なものはどれか。2つ選べ。

1 高齢者では若年者と比べ、SpO²の値が高値を示す傾向がある。
2 血清アルブミン値は、高齢者の腎機能が悪化すると低値を示す。
3 尿酸値は肥満や飲酒、プリン体を多く含む食生活の継続が原因で低値を示す。
4 感染症により炎症が起きた場合には、血小板数が減少する。
5 24時間心電図(ホルター心電図)は、不整脈や狭心症の検査に用いられる。

正解 2,5

1:× SpO²(動脈血酸素飽和度)は高齢者では心肺機能の低下かから若年層と比べ低値を示す傾向があります。

2:〇 血清アルブミン値は高齢者の長期の栄養状態を示す指標としても用いられますが、腎機能の状態を示す指標にもなります。栄養状態の悪化や腎機能の悪化により低値を示します。

3:× 尿酸値は肥満や飲酒、プリン体を多く含む食生活の継続が原因で高値を示す傾向がみられます。

4:× 炎症が起きると、血小板数は増加します。

5:〇 24時間心電図は日常生活時にどのように心臓が動いているかを検査するもので、不整脈や狭心症の検査に用いられます。


問35 次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。

1 高齢者の睡眠障害のうち最も多くみられるのは、睡眠時無呼吸症候群である。
2 閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、虚血性心疾患や脳梗塞の原因となる。
3 褥瘡は、肩甲骨部に発生しやすい。
4 ヒートショックは、夏場において最もよくみられる。
5 脳卒中後遺症による片麻痺がある場合、麻痺側の口腔内が汚れやすい。

正解 2,3、5

1:× 睡眠障害のうち最も多くみられるのは不眠症です。一説によると高齢者のうち4人に1人が不眠症に罹っていると言われています。

2:〇 睡眠時無呼吸症候群の大半は閉塞性睡眠時無呼吸症候群であり、虚血性心疾患や脳梗塞の原因となります。

3:〇 褥瘡の好発部位は、後頭部、肩甲骨部、仙骨部、大転子部、踵骨部、足関節外果部などがあります。また体位によっては、腸骨稜部や膝関節外果部、肩峰部なども褥瘡が発生しやすいです。

4:× ヒートショックの好発時期は11月から2月といわれています。これは室内の寒暖差によって血圧スパイクが引き起こされやすいためです。

5:〇 脳卒中後遺症の片麻痺がある場合には、口腔の動きも麻痺側が悪く、汚れや咀嚼物が麻痺側に残留しやすいため汚れやすくなっています。


問36 排泄について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 切迫性尿失禁とは、膀胱炎や括約筋の筋力の低下により排尿が我慢できずに漏れ出てしまうものをいう。
2 腹圧性尿失禁には、膀胱訓練が有効である。
3 機能性尿失禁では、一般に導尿やバルーンカテーテルを使用し対策する。
4 高齢者の頻尿は、夜間に多くみられる。
5 排尿動作のアセスメントでは、歩行動作やトイレまでの動線の確認も行う。

正解 1,4,5

1:〇 切迫性尿失禁とは、膀胱炎や括約筋の筋力の低下により排尿が我慢できずに漏れ出てしまうものです。切迫性尿失禁に対しては膀胱訓練が有効です。

2:× 腹圧性尿失禁は咳やくしゃみをした拍子に漏れ出てしまうものをいいます。骨盤底筋群の筋力トレーニングが有効です。

3:× 機能性尿失禁は排泄機能自体に問題がなく、運動障害や認知症で排泄が間に合わずに漏れ出てしまうものをいいます。日常生活の見直しや、トイレまでの環境を整えるなどして対策を取ります。

4:〇 高齢者は夜間に品用の症状が現れやすく、何度もトイレに行くことで睡眠障害を併発することが度々あります。

5:〇 排尿動作のアセスメントでは、歩行動作やトイレまでの動線の確認のほか、おむつやリハパンの使用状況、水分摂取量などを確認します。


問37 次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。

1 二次性高血圧症よりも本態性高血圧症が多い。
2 急性心筋梗塞には、ニトログリセリンの舌下投与が有効である。
3 ペースメーカーの埋め込み手術後は、有酸素運動が厳禁となる。
4 胃潰瘍では、食後に胃部の痛みが現れることが多い。
5 初期の肝硬変は、自覚症状が目立たず発見が遅れやすい。

正解 1,4,5

1:〇 高血圧症には大きく分けて2種類あり、原因の特定できない本態性高血圧症と原因が明らかな二次性高血圧症があります。本態性高血圧症が大半を占めているといわれています。

2:× 急性心筋梗塞と狭心症は症状の違いが分かりにくく、狭心症ではニトログリセリン舌下投与が極めて効果的であるのに対し、急性心筋梗塞ではほとんど効果がないとされています。そのため、ニトログリセリンの舌下投与をしても狭心症の症状が改善しない場合には、速やかに医療機関の受診が必要となります。

3:× ペースメーカーを埋め込んだ場合でも有酸素運動は可能です。ただし、コンタクトスポーツや、鉄棒、腕立て伏せなどの繰り返し埋め込み側の腕を使用する運動は控えたほうがよいとされています。

4:〇 胃潰瘍は満腹時に痛みが現れることが特徴です。ちなみに十二指腸潰瘍は空腹時に痛みが現れることが特徴です。

5:〇 初期の肝硬変はほとんど自覚症状がなく、発見が遅れやすいです。ある程度進行し、肝不全となった段階で黄疸や腹水、むくみなどが現れてきます。


問38 リハビリテーションについて正しいものはどれか。3つ選べ。

1 介護の現場で行われるリハビリテーションは、回復期リハビリテーションである。
2 右片麻痺がある者に対して行う歩行介助では、麻痺側に介助者が立つ。
3 ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者に対しては、筋力増強訓練は行われない。
4 使用した器具は、使いまわさず1回使用ごとに消毒を行う。

5 摂食嚥下訓練には、食事環境に対するアプローチも含まれる。

正解 2,4,5

1:× 介護の現場で行われるリハビリテーションは維持期リハビリテーションです。回復期のリハビリテーションは回復期リハビリテーション病棟で行われます。

2:〇 片麻痺のある者に歩行介助をする場合、原則として麻痺側に立ち必要に応じて麻痺側を支持します。

3:× ALSで起きる筋力低下に対して筋力増強訓練はほぼ効果がありませんが、残存機能の維持やQOLの維持といった目的で行われます。ただし、高負荷のものはかえって悪影響を及ぼすため負荷の調整が必要となります。

4:〇 使用した器具類は原則として使いまわすことは推奨されません。これは感染症予防のためです。

5:〇 摂食嚥下訓練は、単に食事動作や嚥下訓練だけを指すのではなく、食事環境に対してもアプローチします。


問39 次の記述のうち適切なものはどれか。2つ選べ。

1 甲状腺機能亢進症では、徐脈がみられることが多い。
2 悪性症候群は、抗パーキンソン病薬の最初の服薬で多くみられる。
3 稽留熱とは、解熱せず持続する発熱のことをいう。
4 高齢者では、拡張期血圧が低くなる傾向がみられる。
5 ジャパン・コーマ・スケールの0は、痛み刺激に反応しない状態である。

正解 3,4

1:× 甲状腺機能亢進症では頻脈がみられることが多いです。

2:× 悪性症候群は抗精神病薬の増量時や抗パーキンソン病薬の急激な減少や中止でみられることがあります。

3:〇 稽留熱は解熱せず持続する発熱のことです。肺炎や悪性リンパ腫、髄膜炎などでみられます。

4:〇 高齢者では血管の弾力性の低下により収縮期血圧が高くなりやすいです。対して、拡張期血圧は低くなる傾向がみられます。

5:× ジャパン・コーマ・スケールの0は意識清明の状態です。数値が高くなるほど意識レベルが低下した状態です。


問40 急変時の対応についてより適切なものはどれか。3つ選べ。

1 AED(自動体外式除細動器)は、消防庁で定める所定の研修を修了した者のみが使用できる。
2 一次救命処置は、医療従事者以外も行うことができる。
3 上肢に出血が激しくみられる場合には、出血部位より心臓に近い部位を圧迫し止血を図る。
4 ハイムリック法は、肥満体型の者に対しては禁忌となる。
5 高齢者が頭部を打撲し悪心がみられる場合には、仰向けにして嘔吐を防ぐ。

正解 2,3,4

1:× AEDは音声に従って操作する機器であって誰でも使用可能です。

2:〇 一次救命処置は救急隊や医師に引き継ぐまでの処置のことをいい、医療従事者以外も行うことができます。

3:〇 上肢や下肢に激しい出血がある場合には出血部位から心臓に近い部位を圧迫し止血を試みます。

4:〇 ハイムリック法(腹部突き上げ法)は妊婦や肥満体型の者に対しては禁忌です。

5:× 悪心がみられる場合には嘔吐する可能性があるため、横向きにするのが望ましいです。仰向けでは嘔吐による誤嚥リスクが高まります。


問41 訪問看護について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 訪問看護ステーションは、365日24時間利用者からの連絡を受け取ることができる体制でなければならない。

2 主治医から交付される訪問看護指示書の有効期間は、最長で14日である。

3 訪問看護ステーションの看護職員は、利用者の急変時の応急手当てを行うことが認められている。

4 訪問看護の内容にリハビリテーションが含まれる。

5 サービス提供時間は4区分に分けられる。

正解 3、4、5

1:× 365日24時間連絡が取れる体制は義務ではありません。

2:× 訪問看護指示書は主治医から交付されますが、その有効期限は6ヶ月です。

3:○ 訪問看護の看護職員は利用者の応急手当てを行うことができます。

4:○ 訪問看護ではリハビリテーションも行われます。リハビリ職(PT、OT、ST)も配置することができます。

5:○ 訪問看護は、サービス提供時間を次の4区分に分けられています。

① 20分未満

② 30分未満

③ 30分以上1時間未満

④ 1時間以上1時間30分未満


問42 指定看護小規模多機能型居宅介護について正しいものはどれか。2つ選べ。

1 管理者は看護師または保健師に限られる。
2 介護支援専門員の配置は1人以上であれば非常勤でもよい。
3 訪問看護サービスは、外部の訪問看護ステーションに委託することができる。
4 訪問リハビリテーションを併用することができる。
5 利用者は看護サービスが必要な者に限られる。

正解 2,4

1:× 看護小規模多機能型居宅介護の管理者は看護師、保健師のほかに「専従喝常勤で3年以上認知症高齢者の介護に従事した経験を有し厚生労働大臣の定める研修を修了した者」も就くことができます。

2:〇 介護支援専門員は1人以上配置することとされていますが、常勤・非常勤の定めはありません。専従でもありません。また、サテライト事業所においては介護支援専門員を配置しなくてもいい場合があります。

3:× 訪問看護サービスは外部委託することはできません。

4:〇 看護小規模多機能型居宅介護の利用中は、次のサービスだけ併用することができます。

・訪問リハビリテーション
・居宅療養管理指導
・福祉用具貸与
また、福祉用具購入と住宅改修も利用可能であるため、福祉用具購入費支給限度基準額と住宅改修費支給限度基準額内の利用であれば償還払いで給付を受けることができます。

5:× 原則として看護サービスが必要な者が利用対象ですが、登録定員に空きがある場合には看護サービスが必要な者以外を利用させることも可能です。


問43 居宅療養管理指導について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 褥瘡の処置はサービスに含まれる。
2 通常の事業の実施地域内の利用者から、交通費を受け取ることができる。
3 医師の行う居宅療養管理指導は1ヶ月に8回を限度とする。
4 居宅療養管理指導費は、居宅サービス計画が作成されていない場合も算定できる。
5 居宅療養管理指導費は、区分支給限度基準額の対象とならない。

正解 2,4,5

1:× 褥瘡の処置は居宅療養管理指導で行うことはできません。居宅療養管理指導はあくまでも療養上の管理および指導であるため、医師が行う場合でも処置は行うことができません。行う場合には居宅療養管理指導のサービス以外でなければなりません。

2:〇 居宅療養管理指導では事業の実施地域内の利用者から交通費を受け取ることができます。

3:× 医師・歯科医師の行う居宅療養管理指導は1ヶ月に2回が限度です。

4:〇 居宅療養管理指導費は居宅サービス計画が作成されていなくても、医師が必要と判断した場合は算定可能です。居宅療養管理指導は、他の居宅サービスと違い扱いが特殊なので注意しましょう。

5:〇 居宅療養管理指導費は区分支給限度基準額の対象外です。これは利用対象者の大半が医学的管理を必要としており、必要性が高いためです。


問44 指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 365日24時間利用者からの通報に対応できる体制を整えていなければならない。
2 連携型定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所では、随時訪問サービスを当該事業所と連携する訪問介護事業所が行う。
3 要介護度に応じて月あたりの利用回数上限が定められている。
4 介護福祉士はオペレーターを行うことができる。
5 定期巡回・随時対応型訪問介護看護計画の作成責任者は、当該事業所の介護支援専門員以外も行うことができる。

正解 1,4,5

1:〇 定期巡回・随時対応型訪問介護看護は365日24時間稼働しており、常に利用者からの通報に対応できる体制を整えていなければなりません。

2:× 連携型定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、当該事業所と連携する訪問看護事業所が訪問看護サービスを行います。

3:× 定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、月あたりの利用上限が定められていません。

4:〇 オペレーターは、医師、看護師、保健師、准看護師、社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員が行うことができます。
また、サービス提供責任者の業務に1年以上従事した経験のある者も条件付きで行うことができます。

5:〇 計画責任者は介護支援専門員のほか、医師、看護師、保健師、准看護師、社会福祉士、介護福祉士が行うことができます。


問45 介護医療院について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 ユニット型は認められていない。
2 Ⅰ型療養床は原則として要介護3以上の者が利用できる。
3 非常災害対策訓練の実施にあたっては、地域住民の参加が得られるよう、連携に努めなければならない。
4 医療法上の医療提供施設として位置づけられている。
5 その開設に伴い、訪問リハビリテーション事業所の指定を受けたものと見なされる。

正解 3,4,5

1:× ユニット型の介護医療院は認められています。1ユニットの定員は、原則として10人以下とし15人を超えないものとされています。

2:× Ⅰ型療養床の対象者は重篤な身体疾患を有する者、身体合併症を有する認知症高齢者等です。
要介護度による制限はなく、Ⅰ型、Ⅱ型ともに要介護1から利用可能です。

3:〇 非常災害対策訓練の実施にあたっては地域住民の参加が得られるよう連携に努めなければなりません。また避難訓練等は定期的に実施されている必要があります。

4:〇 介護医療院は医療法上の医療提供施設の1つです。ただし、病院や診療所といった扱いではありません。

5:〇 2024年度介護報酬改定から介護医療院はその開設に伴って訪問リハビリテーション事業所の指定を受けたものと見なされるようになりました。また既存の介護医療院は医師の人員配置を満たしている場合、自動的に訪問リハビリテーションの指定を受けたものと見なされます。


問46 面接場面におけるコミュニケーション技術について、より適切なものはどれか。2つ選べ。

1 感情の反射とは、クライエントの話した事実や感情を整理し、簡潔な別の言葉に置き換えて伝え返すことである。
2 支持とは、クライエントの行動や考えに対し肯定的な立場を示し、クライエントを精神的に支えるような応答を援助者が行うことである。
3 閉じられた質問は、クライエントに自由な回答を促す質問法である。
4 エンパワメントアプローチでは、クライエントの「強み」を強化することを目指す。
5 アイメッセージとは、援助者がクライエントの目の様子を観察し質問に対しての動揺を読み取ることである。

正解 2,4

1:× 感情の反射とは、クライエントの感情を意見や評価、批判を付け加えることなくそのままクライエントに伝え返すことをいいます。選択肢は要約の説明です。

2:〇 支持はコミュニケーション技法の1つで、クライエントの思考や行動を肯定し、それを継続できるよう促す目的で用いられます。

3:× 閉じられた質問(クローズドクエスチョン)は、「はい」「いいえ」で答えられる質問のことであり、自由な回答は促されません。選択肢はオープンクエスチョンの説明です。

4:〇 エンパワメントアプローチは、加齢や障害等によりクライエントの力を上手く発揮できない状態から、強みを強化し、本来持つ力を発揮できるよう促すアプローチです。

5:× アイメッセージとは、援助者が「私なら~」といった、主語を「私」に代えて、一般論ではなく一個人としての意見をクライエントに伝える技法です。相手を尊重し対等な立場で自身の考えを伝えることができます。


問47 ソーシャルワークの視点から、支援困難事例への対応として、より適切なのはどれか。3つ選べ。

1 同居家族に虐待されているおそれがあると情報提供された場合には、直ちに警察に通報する。
2 介護サービスの利用の必要性が高いものの、サービスの利用を拒否している独居の高齢者に対しては、まずサービスを拒否している理由を理解するよう努める。
3 生活保護の被保護者であるクライエントが、保護を受けていてもなお最低限度の生活の維持に苦慮している場合、生活困窮者自立支援制度の利用を勧める。
4 居宅内に物が散乱し、不衛生な環境に住んでいる独居高齢者に対しては、物が散乱した背景についてまず把握するよう努める。
5 援助者単独でクライエントに対しての支援が困難であると判断した場合、地域包括支援センターに相談する。

正解 2,4,5

1:× 高齢者虐待の情報提供があった場合でも、事実確認を行っていない段階では警察への通報は尚早です。まずは情報収集または市町村(地域包括支援センターや福祉事務所)に通報することが望ましいです。

2:〇 サービスの利用拒否は比較的遭遇することが多い困難事例であり、サービスの利用を拒否している理由などを聞き信頼関係の構築に努めることが重要です。

3:× 生活保護受給者は生活困窮者自立支援制度を利用することができません。この場合は福祉事務所に相談することが望ましいです。

4:〇 居宅内に物が散乱し不衛生な環境に住んでいる独居高齢者に対しては、物が散乱した背景をまず把握し、クライエントの意志を尊重しつつ支援計画を策定していきます。

5:〇 援助者の事例の抱え込みは近年の福祉を取り巻く問題の1つであり、単独での援助が難しい場合には他者への相談や地域包括支援センターへの相談などで解決を図ることも有効です。


問48 ソーシャルワークにおける地域援助技術として、より適切なものはどれか。2つ選べ。

1 社会福祉協議会による地域の福祉マップの作製
2 地域の診療所が開催するがん患者家族のための分かち合いの場
3 公認心理士による措置入院中のクライエントの心理的な問題に関する面接
4 通所介護の機能訓練指導員による利用者に対してのグループで行う体操
5 地域包括支援センターによる地域住民のための認知症サポーター養成講座

正解 1,5

1:〇 地域の福祉マップの作製は社会資源の作成にあたるため地域援助技術に含まれます。

2:× 援助の対象が限定されたグループであるため、集団援助技術に含まれます。

3:× 援助の対象が個人であるため個別援助技術に含まれます。

4:× 通所介護の利用者という限定された集団に対して援助を行っているため集団援助技術に含まれます。

5:〇 地域の認知症サポーターの養成は社会資源の開発になるため集団援助技術に含まれます。


問49 介護福祉領域における情報通信技術( ICT )の活用に関する次の記述のうち、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1 情報通信技術( ICT )の活用の目的として、事業所や施設の業務効率化や業務負担の軽減がある。

2 利用者の同意なく個人情報データを第三者に提供してはならない。

3 電子メールによる相談は、情報漏洩の防止のために原則として受けてはならない。

4 介護保険施設においては見守り機器等を導入した場合に、日中の人員配置基準が緩和されることがある。

5 居宅介護支援では利用者の居宅を訪問せず、テレビ電話装置等の情報通信機器を使用しモニタリングを行うことが認められている。

正解 1,2、5

1:〇 事業所や施設の業務効率化や業務負担の軽減のために、ICTの活用が推奨されています。また、ICTの活用が加算の算定基準であったり、人員配置基準の緩和措置の要件であったりすることがあります。

2:〇 収集した個人データを第三者に提供する場合には必ず利用者の同意が必要となります。

3:× 電子メールで相談を受けることは禁止されていません。

4:× 介護保険施設においては見守り機器等を導入した場合には、夜間の人員配置基準が緩和されることがあります。

5:〇 居宅介護支援では利用者の居宅を訪問せず、テレビ電話装置等の情報通信機器を使用しモニタリングを行うことが認められています。ただし2ヶ月に1回は最低でも利用者の居宅を訪問し、モニタリングを行わなければならないとされています。


問50 介護保険における訪問介護について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 生活援助中心のサービス提供時間は、3区分に分けられる。
2 訪問介護員は、常勤で1人以上配置しなければならない。
3 サービス担当責任者は、訪問介護計画の作成にあたって、その内容について利用者またはその家族に説明し、利用者の同意を得なければならない。
4 通院等のための乗車または降車の介助は、医療機関での会計等の手続きも含まれる。
5 糖尿病の利用者に対しての糖尿病食の調理は、身体介護として算定できる。

正解 3,4,5

1:× 生活援助中心のサービス提供時間は①20分以上45分未満、②45分以上の2区分に分けられます。

2:× 訪問介護員は常勤換算で2.5人以上配置しなければなりません。

3:〇 訪問介護計画の作成はサービス提供責任者が行うため、その説明と同意を利用者から得るのもサービス提供責任者です。

4:〇 通院等のための乗降車の介助は、訪問介護員が自ら運転する車両への乗降車の介助だけでなく、乗降車前後の移動の介助や、医療機関の会計手続きや薬の受け取りまで含まれます。

5:〇 糖尿病食や流動食など特別な配慮が必要となる食事の調理は身体介護として算定することができます。


問51 介護保険における訪問入浴介護について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 浴槽を使用した全身入浴は、利用者の居宅の浴室内で行わなければならない。
2 感染症に罹患している者も利用することができる。
3 利用者の希望による部分浴は、全身入浴と同様の単位数を算定することができる。
4 サービスの提供に用いる浴槽や器具は、サービスの提供ごとに、消毒したものを使用しなければならない。
5 介護職員は、サービス提供の責任者となることができる。

正解 2,4,5

1:× 全身入浴は必ずしも浴室で行う必要はなく、居室で行うこともできます。

2:〇 感染症に罹患している者や、在宅中心静脈栄養法などで入浴にあたって特別な対応が必要な者、終末期の者も利用することができます。

3:× 部分浴や清拭は所定の単位から10%減算となります。

4:〇 感染症予防の観点から、浴槽や器具はサービスごとに消毒したものを使用しなければなりません。

5:〇 サービスの提供責任者は利用者に対しサービスを提供している看護職員または介護職員がなることができます。


問52 介護保険における短期入所生活介護について正しいものはどれか。2つ選べ。

1 利用定員が20人未満の併設型短期入所生活介護事業所では 、看護職員および介護職員は非常勤でもよい。
2 介護支援専門員を常勤で1人以上配置しなければならない。
3 ユニット型の短期入所生活介護事業所では、固定された職員によるサービスの提供が望ましい。
4 空床利用型短期入所生活介護の定員を20人未満とすることは、認められていない。
5 空床利用型短期入所生活介護は、介護老人保健施設や介護医療院の入所者に利用されていない居室またはベッドを利用して行われる。

正解 1,3

1:〇 短期入所生活介護の介護職員または看護職員の配置基準は、常勤換算方法で、利用者の数が3またはその端数を増すごとに1人以上であり1人以上を常勤としなければなりません。ただし併設型短期入所生活介護事業所では、利用定員が20人未満であれば全員非常勤でも可とされています。

2:× 短期入所生活介護では介護支援専門員の配置は義務付けられていません。

3:〇 ユニット型サービスは短期入所生活介護に限らず「馴染みの関係」の構築が求められ、固定された職員によるサービスの提供が望ましいとされています。

4:× 短期入所生活介護の定員は20人以上です。ただし併設型と空床利用型では20人未満でも可とされています。

5:× 空床利用型短期入所生活介護は特別養護老人ホーム等において入所者に利用されていない居室またはベッドを利用して行われるものです。介護老人保健施設や介護医療院で行われるショートステイは短期入所療養介護です。


問53 介護保険法における通所介護について正しいものはどれか。2つ選べ。

1 通所介護事業所の所在する建物と同一の建物に居住する利用者に対して、サービスを提供してはならない。

2 通所介護の基本報酬は、事業所の規模によって3区分に分けて設定されている。

3 利用者の送迎を行う場合、送迎加算を算定することができる。

4 通所介護を利用している者は、介護保険での通所リハビリテーションを併用することができる。

5 利用定員が一定数以下であれば、看護職員を配置しないことができる。

正解 2,4

1:× 通所介護事業所の所在する建物と同一の建物に居住する利用者に対してサービスを行う場合には介護報酬の減算があります。提供してはならないということはありません。

2:〇 通所介護の基本報酬は事業所の規模によって3区分、要介護度によって5区分、利用時間によって6区分に分かれています。

3:× 通所介護では送迎は基本報酬に組み込まれているため、加算を算定することはできません。送迎を行わないことにより減算があります。

4:〇 通所リハビリテーションは通所介護と併用することができるサービスです。併用とは、同日同時間に行うといった意味ではなく、同時に居宅サービス計画に位置付けることができるといった意味合いとなります。

5:× 通所介護の看護職員は単位ごとに専従で1人以上配置しなければなりません。利用定員が一定数以下(10人以下)であれば看護職員を配置しないことができるのは地域密着型通所介護です。


問54 介護保険における特定福祉用具販売の対象となるものとして正しいものはどれか。3つ選べ。

1 自動排泄処理装置の本体部分
2 移動用リフトの本体部分
3 簡易浴槽
4 浴槽内椅子
5 洋式便器の上に置いて高さを補うための腰掛便座

正解 3,4,5

1:× 自動排泄処理装置の交換部分が特定福祉用具販売の対象となります。本体は福祉用具貸与の対象です。

2:× 移動用リフトの本体部分は福祉用具貸与の対象です。釣り具部分は特定福祉用具販売の対象となります。

3:〇 なお設置に工事を必要となるものは住宅改修の対象となるため注意して下さい。

4:〇 浴槽内椅子は特定福祉用具販売の対象です。

5:〇 洋式便器の上に置いて高さを補うための腰掛便座は特定福祉用具販売の対象です。


問55 介護保険における夜間対応型訪問介護について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 定期巡回サービス、オペレーションセンターサービス、随時訪問サービスを一括して利用者に提供する。
2 要支援の者も利用することができる。
3 オペレーションセンターが設置されている事業所においては、定期巡回サービスは1回の利用ごとに利用料金が発生する。
4 オペレーターは訪問介護事業所でサービス提供責任者として3年以上従事した経験のある者でなければならない。
5 運営推進会議を設置しなくてもよい。

正解 1,3,5

1:〇 夜間対応型訪問介護は定期巡回サービス、オペレーションセンターサービス、随時訪問サービスが組み合わさった夜間対応型のサービスです。定期巡回・随時対応型訪問介護看護と類似していますが、オペレーションセンターサービス以外のサービスが夜間帯に限定されていることが異なる点です。

2:× 要支援者は利用することができません。要介護1から利用可能です。

3:〇 夜間対応型訪問介護はオペレーションセンターの有無により介護報酬や利用者負担部分が異なります。オペレーションセンターが設置されていない事業所は、オペレーションセンターサービス、定期巡回サービス、随時訪問サービスの3つ一括して月額定額制となります。

4:× オペレーターの要件は、看護師、保健師、医師、准看護師、社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員、または訪問介護事業所でサービス提供責任者として1年以上従事した経験のある者です。

5:〇 夜間対応型訪問介護は地域密着型サービスですが、運営推進会議の設置は規定されていません。


問56 介護保険における認知症対応型共同生活介護について正しいものはどれか。2つ選べ。

1 施設サービスに含まれる。
2 1つの居室あたりの定員は4人以下である。
3 おむつ代の支払いを利用者から受けることができる。
4 居宅療養管理指導を同時に利用することができない。
5 身体的拘束等の適正化のための対策を検討するための委員会を3ヶ月に1回以上開催しなければならない。

正解 3,5

1;× 認知症対応型共同生活介護は地域密着型サービスに含まれます。

2:× 認知症対応型共同生活介護の1つの居室の定員は1人です。処遇上必要と認められる場合には2人とすることも可能です。

3:〇 認知症対応型共同生活介護ではおむつ代は介護報酬に含まれていないため、利用者の自己負担となります。 

4:× 認知症対応型共同生活介護の利用中は、居宅療養管理指導以外の居宅サービスを利用することができません。

5:〇 身体的拘束等の適正化のための対策を検討するための委員会(身体的拘束適正化検討委員会)は3ヶ月に1回以上開催しなければなりません。また、その結果は従業者に周知徹底を図ることとされています。


問57 指定介護老人福祉施設について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 老人福祉法上の養護老人ホームは指定を受けることができない。
2 入所は原則として要介護3以上の者であって、やむを得ない事情がある場合、要介護1又は2の者も入所することができる。
3 機能訓練指導員は専従の者を1人以上配置しなければならない。
4 便所は居室ごとに設けなければならない。
5 1週間に2回以上、適切な方法により入所者を入浴させるか清拭をしなければならない。

正解 1,2,5

1:〇 介護老人福祉施設の指定を受けるためには、前提として老人福祉法上の特別養護老人ホームでなければならないとされています。養護老人ホームは指定を受けることができません。

2:〇 介護老人福祉施設の入所は原則として要介護3以上の者です。例外的に、やむを得ない事情がある場合には要介護1,2の者も入所することができます。

3:× 介護老人福祉施設では機能訓練指導員は兼務可とされています。常勤、非常勤についても定めがありません。

4:× 一のユニットの入居定員は、原則としておおむね10人以下とし、15人を超えないものとすると規定されています。

5:〇 1週間に2回以上、適切な方法により入所者を入浴させるか清拭をしなければならないと定められています。


問58 後期高齢者医療制度について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 寝たきりの65歳以上74歳未満は対象となる。

2 生活保護の被保護者は対象とならない。

3 財源に後期高齢者の保険料は含まれる。

4 保険料は世帯ごとに納付する。

5 都道府県が保険者となる。

正解 1、2、3

1:○ 後期高齢者医療制度の対象者は原則として75歳以上ですが、寝たきり等、一定の障害が認められる者は65歳以上からも対象となります。

2:○ 生活保護の被保護者は適用除外となります。

3:○ 後期高齢者医療制度の財源は75歳以上の保険料が1割、後期高齢者支援金が約4割、公費が約5割(国:都道府県:市町村=4:1:1)となっています。

4:× 保険料は原則として年金から天引きされるため、1人ごとの納付となります。

5:× 後期高齢者医療制度の保険者は、都道府県単位で設置されている後期高齢者医療広域連合です。


問59 生活保護制度について正しいものはどれか。2つ選べ。

1 扶養義務者のいる者は保護の受給対象とならない。

2 保護の申請は要保護者及びその扶養義務者に限られている。

3 被保護者は、保護を受ける権利を譲り渡すことができる。

4 介護保険の被保険者ではない要保護者の要支援・要介護認定の判定は、生活保護制度で行う。

5 介護扶助における居宅介護は、居宅介護支援計画に基づかないものは認められていない。

正解 4、5

1:× 扶養義務者がいる場合でも、扶養義務を果たすことができない場合には保護を受けることができます。

2:× 保護の申請は保護を受ける本人、扶養義務者、本人と同居する親族が行うことができます。

3:× 保護の権利を譲ったり相続させたりすることはできません。

4:○ 介護保険の被保険者ではない要保護者の要介護認定および要支援については、介護扶助が必要か判断するために、生活保護制度で独自に行います。

5:○ 生活保護被保護者が介護扶助を受けるには、居宅介護支援計画等の写しが必要となります。原則として居宅介護支援計画に基づかない居宅介護は認められていません。


問60 成年後見制度について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 成年後見制度の利用者数は年々増加している。

2 後見開始の申し立ては、本人が行うことができる。

3 任意後見制度では、配偶者が任意後見監督人となることはできない。

4 成年被後見人が行った法律行為は、原則として本人の同意がなければ取り消すことができない。

5 保佐人は、被保佐人の行う法律行為に同意することはできない。

正解 1、2、3

1:○ 厚生労働省が発表している成年後見制度の現状によると、成年後見制度の利用者数は年々増加傾向がみられます。

2:○ 後見開始の申し立ては、本人や配偶者、4親等内の親族などが行うことができます。

3:○ 任意後見監督人は任意後見人が任意後見契約の内容どおり,適正に仕事をしているかをチェックする役割があります。公平の立場である必要があるため配偶者や兄弟姉妹などは任意後見監督人になることができません。

4:× 成年後見人は成年被後見人の法律行為を本人の許可を得ることなく取り消すことができます。ただし、日用品の買い物など日常生活に関わる行為に関しては取り消すことができません。

5:× 保佐人には同意権があるため、被保佐人の行う法律行為に同意することができます。