ソーシャルワークとコミュニケーションについて〇か×で答えなさい。
問1 ウェルビーイングとは、身体的、精神的、社会的に良好な状態が継続していることをいう
ウェルビーイングとは1946年にWHO設立に際して、「健康」と定義する内容に登場した言葉で、一時的な健康ではなく継続した健康な状態のことを指します。
問2 アドボカシーとは援助者がクライエントの世界をクライエント自身がとらえるように理解することをいう
アドボカシーとは権利擁護のことをいいます。
権利擁護とは、個人の権利を行使できない人に代わり、権利の実現を支援する仕組みです。
例えば認知症で判断能力を欠いている人に代わって権利の代弁などを行い、その人が通常の生活を自分らしく過ごすための支援を行うことがそれに当たります。
問3 スーパービジョンとは自分の担当しているケースについて第三者(指導者など)から意見や助言を求め、それを教育に繋げたりさまざまな検討を行なっていくことである
設問通りです。ケアマネが行うスーパービジョンは、とても簡単に言うと「実際のケースを用いた第三者と共に行う検討」です。
問4 焦点化とは、クライエントが持つ矛盾しついて問いかけ、クライエント自身の感情や行動、体験を見直すきっかけを設けるためのコミュニケーション技法である
問題文は直面化のことです。
焦点化とは、相手の話す内容を受け止める側が要約し、それを相手に伝えるコミュニケーション技法です。
問5 第一次共感とは、相手の話をよく聴いたうえで内容を理解し、話に含まれる相手の思考を受け止めて内容の理解と思考をこちら側の言葉に変えて応答する技法である。
基本的共感とも言われます。
問6 エンパワメントとは、その人の有するハンディキャップや弱点に着目し、それらを補うよう援助を行なっていくことをいう
福祉におけるエンパワメントとは、その人の持つ長所(ストレングス)に着目し、援助を行なっていくことです。
問7 SOLERはコミュニケーションの阻害要素を示す5つの動作のことをいう
SOLERとは、コミュニケーション技法の1つであり、かかわりを示す5つの基本動作の頭文字をとって名付けられています。
S→ Squarely クライエントとまっすぐに向かい合う
O→ Open 開いた姿勢
L→ Lean 相手へ少し体を傾ける
E→ Eye contact 適切に視線を合わせる
R→ Relaxed リラックスして話を聴く
問8 ラポールとは援助者とクライエントとの間に築かれる信頼関係のことをいう
カウンセリングを行ううえで最も重要なこととされています。
問9 オープンクエスチョンはクローズドクエスチョンよりも明確な回答を得られやすい
オープンクエスチョンは相手が自由に答えられる質問であり、クライエントが自分自身で答えを選択することができます。
その反面、コミュニケーションが不得手な場合や、話がうまくまとめられないなど、明確な答えが導き出せない場合もあります。
そのような場面では、クローズドクエスチョンを用いてクライエントの発信をサポートするのも有効です。
問10 地域包括支援センターが主催する認知症の人を介護する人を対象とした介護教室は集団援助に含まれる
対象の集団がより限定されている場合、例えば、
・「アルコール依存症」の高齢者を対象とした〜
・「1人暮らし」の高齢者を集めて行う〜
などが集団援助(メゾ・ソーシャルワーク)にあたります。
問11 コンビニエンスストアが行う高齢者への声掛け活動は地域援助に含まれる
援助対象の集団が限定されていない、または集団の示す範囲が広い場合は地域援助(コミュニティ・ワーク)にあたります。
問12 居宅介護支援事業所の主任介護支援専門員による家族介護者との相談は個別援助に含まれる
援助が1対1で行われる場合は、個別援助(ケース・ワーク)にあたります。
問13 社会福祉法人が主催する認知症カフェを通じた交流活動は地域援助に含まれる
認知症カフェの性質は、認知所の人やその家族、だけでなく地域住民などあらゆる属性の人が集まり交流を行うものです。
援助対象が限定されていないため、認知症カフェの運営は地域援助となります。
問14 支援困難事例のアウトリーチの対象に本人の家族は含まない
アウトリーチとは、支援が必要なのに支援が届いていない人に対して、行政や支援機関が積極的にはたらきかけて支援を届けるプロセスのことを指します。
支援困難となっている本人への対応に悩む家族もアウトリーチの対象です。
問15 自発的にサービスを求めようとしない人を発見し、その人にサービスの必要性を伝えるこどアウトリーチに含まれる
本人が支援を積極的に望んでいない場合も、支援の重要性を理解しきれていない可能性もあるためはたらきかけを行なっていきます。
問16 面談を行ううえで、面談室の温度や明るさを調節することは有効である
コミュニケーションを阻害する要素に物理的雑音があります。
人が不快に思う温度や光加減は、コミュニケーションを阻害するため注意を払わなければいけません。
問17 フォーマルサービスに住民主体のボランティア活動が含まれる。
フォーマルサービスとは公的な主体によって提供される社会資源を指します。
住民主体のボランティアは公的ではないため、インフォーマルサポートに含まれます。
ソーシャルワークとコミュニケーションについてのケアマネジャー試験対策
ソーシャルワークおよびそのコミュニケーションはケアマネ試験の「福祉サービスの知識等」で非常に高い頻度で出題される超重要ポイントの1つです。
毎年、複数問出題されています。
出題難易度は易しめですが、単語の意味を理解していないと正答が導き出せない問題の出題も毎年1問はあります。
出題傾向のパターンも過去問を繰り返し解いていれば読みやすく、インテークやアセスメント、コミュニケーションに関する出題は点数が比較的取りやすいかと思われます。
ソーシャルワークについて問われる場合も、「個別援助、集団援助、地域援助」を区別する方法さえ覚えてしまえば、かなり正答しやすいと思われます。
出題頻度の多さから優先的に学習を行うべきですが、出題難易度が低いため、過去問や問題集を繰り返し解いてほぼ誤答することがなくなったら飛ばして他の学習に時間を割いてもいいかもしれません。