次の問いに答えなさい。
問25 高齢者に多く見られる疾病について正しいのはどれか。3つ選べ。
1. 変形性膝関節症の発症リスクは減量することにより低下する。
2. 関節リウマチは、症状が左右対称に現れやすい。
3. 腰部脊柱管狭窄症では前かがみの姿勢を取ることにより症状が緩和する。
4. 後縦靭帯骨化症は腰椎に最も生じる頻度が高い。
5. 骨粗鬆症の影響で腰椎圧迫骨折が生じた場合、圧迫骨折前よりBMI値は小さくなりやすい。
1:〇 変形性膝関節症は肥満も原因の1つです。理由は体重があればあるほど膝関節へより大きな負担が生じるためです。そのため減量は変形性膝関節症の予防や症状の緩和に重要です。
2:〇 関節リウマチは左右対象に変形や朝の手のこわばり、腫脹や熱感が現れやすい疾病です。
3:〇 設問通りです。症状が現れているときに前屈をすると、脊柱管が広がり症状が緩和しやすいです。また、脊柱管狭窄症は腰部の背屈(後ろに逸らす動作)は症状を誘発するためNGです。
4:× 後縦靭帯骨化症は頸部に最も多く、40歳以上の男性に多く見られる疾病です。介護保険における特定疾病、および難病法に基づく指定難病にも定められています。
5:× 過去にケアマネ試験で実際に出題された内容の類似問題です。何らかの影響により身長が低くなった場合、低くなる前と比べBMI値は大きくなります。BMI値の計算方法はkg÷(m×m)であるため、計算式さえ覚えてしまえばこのような出題は容易に解けるようになるため極力覚えておきましょう。
問26 高齢者に多く見られる疾病について正しいのはどれか。2つ選べ。
1. 関節リウマチでは夜に手指のこわばりが現れやすい。
2. 腰部脊柱管狭窄症では間欠性跛行がみられる。
3. ヒッププロテクターは腰部椎間板ヘルニアの予防に効果的である。
4. 高齢者の下肢の骨折で最も多いのは大腿骨骨幹部骨折である。
5. 変形性腰椎症はロコモティブシンドロームの原因となることがある。
1:× 関節リウマチの症状の1つである手指のこわばりは、朝(起床時)に最も多く見られます。熱感や痛みは夜間に現れることも珍しくなく、睡眠時の体動により痛みが現れ睡眠障害につながる場合もあります。
2:〇 設問通りです。間欠性跛行は腰部脊柱管狭窄症などで見られる特徴的な症状の1つです。歩行を続けていると段々とふくらはぎに痛みが現れたり、痺れや疲労感を感じるようになりますが、休息をすると症状が落ち着きまた歩くことができるようになります。
3:× ヒッププロテクターは大腿骨頸部骨折や腰椎圧迫骨折の予防には効果が期待できるものの、腰椎椎間板ヘルニアの予防には効果がないと思われます。
4:× 高齢者の下肢の骨折で最も多いのは大腿骨頚部骨折です。
5:〇 設問通りです。変形性腰椎症の症状により継続した歩行がやや難しくなると、ロコモティブシンドロームとなることがあります。
問27 循環器の疾病について、より適切なのはどれか。3つ選べ。
1. 高齢者の心筋梗塞では胸部の痛みを感じにくく、成人と比べ発見が遅れることが多い。
2. 狭心症では症状が消失すると心電図での異常がみられなくなることが多い。
3. 狭心症の発作時にはニトロ製剤を舌下に服用する。
4. 高齢者の高血圧症のほとんどが原因の特定が可能な二次性高血圧症である。
5. 高齢者の高血圧症のほとんどが頭痛や動悸などの自覚症状がみられる。
1:〇 設問通りです。高齢者は心筋梗塞を発症しても自覚症状が不明確であることが少なくなく、発見が遅れ重篤なケースに繋がることも珍しくありません。
2:〇 狭心症は発作時に心電図の異常がみられますが、症状が消失すると多くの場合は心電図の異常も消失します。
3:〇 設問通りです。
4:× 高齢者に限らず、高血圧症のほとんどは原因の分からない本態性高血圧症です。二次性高血圧症はあまりみられません。
5:× 高血圧症の多くは自覚症状がありません。動悸や頭痛、ほてりなどが現れることもありますが自覚症状が現れるほうが珍しいです。