出題傾向…クセ強くない?訪問介護のケアマネ試験のポイント解説

この記事の学習優先度は”非常に高い”です。

ケアマネジャー試験で出題されないことがないと言えるほど、高い頻度で出題されている訪問介護。

近年の出題傾向に若干のクセがみられるため、出題難易度にバラつきがみられます。

ただ令和7年度の試験は、昨年よりも若干難易度が低い出題がされると個人的には予想しています。

この記事では次のような事柄について解説を行っていきます。

この記事でわかること

・訪問介護の過去のケアマネジャー試験での出題ポイント
・令和6年度(2024年度)介護報酬改定に伴う出題への影響
・令和7年度の試験に出題が予想されるポイント

やぴぃ

予想は絶対じゃないからねっ!参考程度にねっ

訪問介護は過去5年間でケアマネジャー試験に5回連続で出題されています。
令和以前の試験を含めると、確認できる範囲では16年連続出題されており、まさに鉄板のポイントだと言えるでしょう。

出題傾向としては、「生活援助で算定できるもの、できないもの」「身体介護で算定できるもの、できないもの」について特に高い頻度で出題されています。過去5年間で3回出題されています。

やぴぃ

令和5年の試験にも出題されていますっ!

それでは過去5年でどのような出題があったか、どのような傾向が見られるかをここで見ていきましょう。

令和6年度

問題50 介護保険における訪問介護について正しいものはどれか。3つ選べ。

   1  指定訪問介護事業所の管理者は、介護福祉士でなければならない。

   2  サービス提供責任者は、利用者のサービスに関する意向を定期的に把握するものとする。

   3  指定訪問介護事業者は、サービス提供中に事故が発生した場合は、市町村、利用者の家族、担当の居宅介護支援事業者等に連絡を行わなければならない。

   4  居宅サービス計画にないサービスでも、利用者の要望があった場合には、訪問介護員は直ちに提供しなければならない。

   5  指定訪問介護事業者は、定期的に業務継続計画の見直しを行い、必要に応じて業務継続計画の変更を行うものとする。

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正解 2,3,5

令和5年度(第26回)介護支援専門員実務研修受講試験

令和5年度

問題50 介護保険における訪問介護について正しいものはどれか。3つ選べ。

   1  掃除の際に特別な手間をかけて行う床のワックスがけは、生活援助として算定できる。

   2  手助けや声かけ及び見守りしながら、利用者と一緒に行うシーツ交換は、身体介護として算定できる。

   3  夏服と冬服を入れ替えるなどの衣類の整理は、生活援助として算定できる。

   4  訪問介護員が車いす等での移動介助を行って店に行き、利用者本人が自ら品物を選べるようにする援助は、身体介護として算定できる。

   5  安否確認を主たる目的とする訪問は、生活援助として算定できる。

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正解 2,3,4

令和5年度(第26回)介護支援専門員実務研修受講試験

令和4年度試験

問題50 介護保険における訪問介護について正しいものはどれか。3つ選べ。

   1  訪問介護計画の作成は、管理者の業務として位置付けられている。

   2  利用回数が少ない利用者であっても、訪問介護計画を作成しなければならない。

   3  サービス提供責任者は、居宅介護支援事業者に対し、サービス提供に当たり把握した利用者の心身の状態及び生活の状況について必要な情報の提供を行うものとする。

   4  指定訪問介護事業者は、利用者が不正な行為によって保険給付を受けたときは、遅滞なく、市町村に通知しなければならない。

   5  指定訪問介護事業者は、法定代理受領サービスに該当しないサービスの利用料の支払を受けた場合には、サービス提供証明書を交付しなくてよい。

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正解 2,3,4

令和4年度(第25回)介護支援専門員実務研修受講試験

令和3年度試験

問題50 介護保険における訪問介護について正しいものはどれか。2つ選べ。

   1  嚥下困難な利用者のための流動食の調理は、生活援助として算定できる。

   2  利用者とその家族が通院で使用している自家用車の洗車は、生活援助として算定できる。

   3  手助け及び見守りをしながら利用者と一緒に行う被服の補修は、身体介護として算定できる。

   4  特別な手間をかけて行う正月料理の調理は、年に一度であれば、生活援助として算定できる。

   5  専門的な判断や技術が必要でない場合における手足の爪切りは、身体介護として算定できる。

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正解 3,5

令和3年度(第24回)介護支援専門員実務研修受講試験

令和2年度試験

問題52 介護保険における訪問介護について正しいものはどれか。3つ選べ。

   1  指定訪問介護事業所の管理者については、特段の資格は不要である。

   2  サービス提供責任者は、介護福祉士でなければならない。

   3  介護支援専門員は、一定回数以上の生活援助中心型の訪問介護を居宅サービス計画に位置付ける場合には、その居宅サービス計画を市町村に届け出なければならない。

   4  利用者が保険給付の範囲外のサービス利用を希望した場合には、訪問介護員は、居宅介護支援事業者又は市町村に連絡するものとする。

   5  指定訪問介護事業者は、利用申込者の要介護度が重いことを理由として、サービスの提供を拒むことができる。

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正解 1,3,4

令和2年度(第23回)介護支援専門員実務研修受講試験

過去5年間の試験を見てみると、基準や介護報酬に関する設問が主に出題されている年と、生活援助と身体介助で算定できるものについての設問が主に出題されている年が、1年ごとに切り替わっているのが分かります。

なおこの傾向は平成29年度試験から続いています。
この傾向が今年も続くかは不明ですが、もし勉強時間が足りないなど”ヤマ”を張らなければならない事態となった場合には、生活援助として算定できるものを特に重点的に覚えるのがいいかもしれません。

生活援助と身体介助で算定できるものについての設問が中心の場合、比較的出題パターンが定型的で解きやすいのですが、基準や介護報酬に関する設問が中心の場合には出題傾向がやや読みづらいです。

ただ、今までの傾向では高い割合でサービス提供責任者訪問介護計画に関連する選択肢が出題されています。
次いで目につくのが、居宅サービス計画との関連についての選択肢でしょうか。

特に出題が多いポイント

① サービス提供責任者

② 訪問介護計画

比較的出題が多いポイント

① 居宅サービス計画との関連する内容

そのため令和7年度の試験ではそこまで警戒しなくてもいいかもしれませんが、この3つのポイントを特に重点的に覚えておくことをお勧めします。

令和6年度試験では、業務継続計画(BCP)が訪問介護の設問の選択肢に出題されています。

しかしBCPは訪問介護に限った内容ではなく、訪問介護に関する改定内容が出題される可能性は低いと予想されます。
その理由は、現在の出題傾向に適合するような改定内容が非常に少ないためです。

あえて時間を掛けて勉強する意義は低いと思われますが、心配な場合や勉強に余裕がある場合には、こちらの記事に詳細が載っているためご確認ください。(※外部リンク)

なお令和6年度介護報酬改定の改定内容のうち、令和7年度ケアマネジャー試験に出題されるかもしれないポイントについてはこちらの記事でまとめています。

令和7年度試験では生活援助として算定できるものを問う設問が出題される可能性がやや高いです。
算定できる内容についてはこちらのページをご覧ください。※外部リンク

また、仮に生活援助として算定できるもの以外を問われた場合、以下のようなポイントを押さえておくことをおすすめします。

比較的出題のしやすい、医療行為となるもの(=訪問介護員ができないこと)についての出題が、そろそろ選択肢として出題されるのではないかと予想しています。

また、出題頻度がやや低い通院等のための乗降車の介助についても、念のため学習しておくことをおすすめします。

サービス提供責任者が特に重要なポイントとなるため、重点的に学習しましょう。
また、サービス提供責任者が行う業務についても同様に覚えておくことをおすすめします。

なることができる者配置基準業務
介護福祉士
実務者研修修了者
旧介護職員基礎研修課程修了者
旧訪問介護員1級課程修了者
常勤の訪問介護員のうち、利用者数が40人またはその端数を増すごとに1人以上配置訪問介護計画の作成、利用者への説明
・サービス担当者会議への出席
・居宅介護支援事業者に対しての利用者の服薬状況や、心身の状態、生活状況などの必要な情報の提供
・訪問介護員等に対する技術的な指導
など
訪問介護のサービス提供責任者

運営基準

管理者とサービス提供責任者の責務も運営基準に含まれているため、確認しておくことをおすすめします。
そのほか、次のようなものが出題される可能性があると予想しています。

運営基準の重要ポイント

① 訪問介護員等に、その同居する家族である利用者に対する訪問介護を提供させてはならない。
② 要介護度や日常生活自立度、所得の多寡などを理由にサービスの提供を拒んではならない。
③ 訪問介護員等は、利用者宅への初回訪問時および利用者またはその家族から身分証の提示を求められた場合には、提示する必要がある。
④ 利用者に必要のないサービスを利用させようとしたり、居宅介護支援事業者に働きかけたりしてはならない。

設備基準

訪問介護の設備基準はあまり出題されません。
試験に出題されるとすれば、相談室を設けることと、その相談室の構造をプライバシーに配慮することかと思われます。

考えづらいですが試験傾向が難化した場合に、最も厄介となるのが介護報酬です。

生活援助中心の場合のサービス提供時間区分身体介護中心の場合のサービス提供時間区分は出題されてもおかしくないポイントであるため、覚えておいた方が無難です。

生活援助中心身体介護中心
20分以上、45分未満
45分以上
2区分に分けられる。
身体介護に引き続き生活援助を行う場合には、時間区分を以下の3区分に分けられる。
③20分以上
④45分以上
⑤70分以上
① 20分未満
② 20分以上30分未満
③ 30分以上1時間未満
④ 1時間以上
4区分に分けられる。
これ以降は、30分ごとに所定の単位が加算される。

そのほかは、初回加算緊急時訪問加算1人の利用者に対し訪問介護員2人でサービスを提供する場合などが出題されやすいポイントかと予想されます。

初回加算の算定要件

新規利用者に対して、訪問介護計画を作成し、サービス提供責任者が訪問介護を提供した場合に加算。

緊急時訪問加算の算定要件

計画外の、緊急的に訪問介護を行った場合に加算。

1人の利用者に対し訪問介護員2人でサービスを提供する場合

介護報酬は200/100(2倍)となる。

また、同時利用(=併用)で訪問介護費を算定できないサービスについても押さえておいた方がいいかと思われます。

訪問介護費を同時算定できないサービス

① 短期入所系サービス(短期入所生活介護、短期入所療養介護)
②(看護)小規模多機能型居宅介護
③ 認知症対応型共同生活介護
④(地域密着型)特定施設入居者生活介護
⑤ 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
定期巡回・随時対応型訪問介護看護

※ 施設サービスも不可

その他

訪問介護は共生型サービスの対象であるため、障害者福祉制度における居宅介護重度訪問介護の指定を受けている事業所は、共生型訪問介護の指定を受けることができます。逆もしかりです。

また、居宅介護支援事業者の内容と被りますが、一定回数以上、生活援助中心の訪問介護を居宅サービス計画に位置付ける場合には、その居宅サービスを市町村に届け出なければなりません。

さらに、居宅サービス費のなかで訪問介護に係る費用が特に高く、市町村から求めがあった場合には、介護支援専門員は居宅サービス計画に訪問介護が必要となる理由を記載し、当該市町村に届け出なければなりません。

上記の他制度や居宅介護支援事業者との関連などは、チェックしておきましょう。

訪問介護は、ケアマネジャー試験でほぼ確実に出題されるポイントです。
例年の出題傾向から予想すると、令和7年度の試験での出題は前年よりも易しくなるかもしれません。

2024年介護報酬改定の影響はないと予想されるため、テキストである程度知識をインプットできたら、過去問や問題集に繰り返し取り組む勉強法が基本的におすすめです。

ケアマネでまんねんでは過去問実践問題一問一答で訪問介護の問題に挑戦できるため、よろしければご利用ください。

まだ訪問入浴介護の勉強に取り組んでいない人は、今回紹介させていただいたポイントを中心に、試験勉強に取り組んでみてはいかがでしょうか。

皆さまがケアマネジャー試験に合格できるよう、祈願しております。

やぴぃ

繰り返しになりますが、この記事の出題予想はあくまで予想なのでご了承くださいっ!

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この記事を書いた人

ケアマネでまんねん運営者
主に問題の作成と解説作成担当。
ケアマネジャー試験の独学による学習をサポートし、みなさんが最短で合格するため、実践問題や一問一答、解説について書いています。