介護保険制度上のサービスのなかには併用できないサービスがあります。
このページでは、それぞれのサービスで併用できないものについてまとめています。
ケアマネジャー試験勉強や、ケアマネジャーとして勤務した後にも確認用としてご覧ください。
サービスの併用とは
サービスの併用とは、介護サービスを同時に利用することを指します。
分かりやすく解説すると、Aサービスの介護報酬を算定しているなら、Bサービスの介護報酬は算定できないよ!ということになります。
注意したいのが、この併用という意味は同一時間帯に2つ以上のサービスを同時利用することではないということです。それは同一時間帯の複数サービスの利用といいます。
余談ですが、同一時間帯の複数サービスの利用は基本的にNGです。
ただ、次のようなケースは例外的に認められています。
- 利用者の処遇上、訪問系サービスの同一時間帯での利用(訪問介護+訪問看護など)が必要だと認められる場合。
- 居宅サービスや地域密着型サービス利用時に、利用者が既に福祉用具貸与を利用しており貸与を受けている福祉用具を持ち込む場合。
1に関しては、保険者に認められなければなりません。保険者ごとに解釈が異なるため、必ず相談が必要となります。
話を戻します。それでは介護保険上のサービスのうち併用できないサービスを紹介していきましょう。
併用できないサービス
① 施設サービス
まず大前提として、施設サービス(地域密着型介護老人福祉施設を含め)を利用している人は他のサービスを併用することはできません。
これは、介護保険施設では施設職員以外の者に入所者の介護をさせてはならないと介護保険法に定められているためです。
ただ、併用とは異なりますが介護老人福祉施設の入所者のうち「がん末期の人」は、入所中であっても「医療保険による訪問看護」を利用することが可能です。
介護老人保健施設と介護医療院に入所中の人は、医療保険による訪問看護も利用することはできません。
②(地域密着型)特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護
(地域密着型)特定施設入居者生活介護と認知症対応型共同生活介護は、居宅療養管理指導以外の居宅サービスの併用ができません。
よく見られる疑問として、特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護の利用中は訪問看護を併用することができるのか?といったものがありますが、併用はできません。
③ 看護小規模多機能型居宅介護
看護小規模多機能型居宅介護は、次のサービス以外の併用ができません。
- 訪問リハビリテーション
- 居宅療養管理指導
- 福祉用具貸与
④ 小規模多機能型居宅介護
小規模多機能型居宅介護では、次のサービス以外の併用ができません。
- 訪問リハビリテーション
- 居宅療養管理指導
- 訪問看護
- 福祉用具貸与
⑤ 訪問系サービス
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、②~④を含む次のサービスと併用することができません。
- 訪問介護
- 夜間対応型訪問介護
- 訪問看護
ただし、訪問介護については「通院等乗降介助」のみの利用の場合は例外的に併用可能です。
これは定期巡回・随時対応型訪問介護看護のサービスに含まれていないためです。
⑥ 通所系サービス
総合事業の通所型サービスは、介護予防分の②~④と介護予防通所リハビリテーションを併用することができません。
両方のサービスを利用したいと考えていても、利用者はどちらかを選択しなければなりません。
⑦ 短期入所系サービス
短期入所生活介護や短期入所療養介護は、②~④以外のサービスを併用することができます。
また利用者が短期入所している最中の同時利用は、利用者が普段貸与している物を持ち込む場合の福祉用具貸与が例外的に認められています。他のサービス(訪問介護など)は短期入所生活介護を受けている期間は利用できません。
おわりに
介護保険上のサービスのうち併用できないサービスは、ケアマネジャーとして働くうえでも把握しておきたい内容の1つです。
ケアマネジャー試験でもたまに出題されるため、受験生はしっかり覚えておきましょう。