あなたがケアマネとして初めての転職の成功を左右する意外な要素、それは『服装』かもしれません。
多くの転職希望者が、面接での自己アピールや履歴書の準備に注力する一方で、服装の重要性を見落としがちです。
しかし、第一印象は数秒で決まると言われており、適切な服装選びは想像以上に重要な要素なのです。
それがケアマネジャー未経験の人となれば、なおさら悪い印象を与えることは避けなければなりません。
この記事では、ケアマネの転職時の適切な服装について性別ごとに詳しく解説します。
スーツは果たして正解なのか
スーツは転職の基本の服装ですが、介護業界の転職ではスーツ以外の服装を選択し面接に臨む人は少なくありません。
筆者は以前の職場(従業員1桁の小規模事業所)に事業所の立ち上げから11年間勤め、中途社員の採用面接も担当していました。その経験のうち、ビジネススーツを着て面接に訪れた人は今までゼロでした。
それでも採用されている人間はゼロではないことから、スーツ以外のビジネスカジュアルな服装でも問題ないことが窺えます。(もっとも、勤めていた企業風土もあるのかもしれませんが)
ただ、面接に来る人のうちスーツ着用の割合が極端に少ないことから、「介護業界の転職はビジネスカジュアルであればよい」という風潮があるのかもしれません。
逆にそうなると、スーツ着用はかえって相手に堅い印象を与えてしまうのではないかという疑念も浮かんできます。
…つまりケアマネの転職はスーツよりもビジネスカジュアルのほうがいいってこと?
まずはそんな疑問を解決しましょう。
結論:どちらでもいい
私が面接を担当していたとき、応募者がスーツを着用していなくても、それ自体が問題であると感じたことは一度もありませんでした。
スーツを着用していても、ビジネスカジュアルな服装であっても、面接時にふさわしい服装と身だしなみであれば悪い印象を受けません。
面接時にふさわしい服装と身だしなみ
大事な事なので強調して書きましたが、スーツやビジネスカジュアルかで迷うよりこちらのほうが重要です。
もしそれでもスーツ着用の有無で迷ったとしたら、応募時に服装について聞いてしまいましょう。
その質問自体でマイナスな印象を相手方に与えることはほとんどありません。
女性はスーツ着用でなくても問題ないことが多い
女性の中途採用の面接時の服装は、介護業界に限らずスーツのセットアップを着用しないことも多々見られます。
特に指定がない場合には、ビジネスカジュアルで面接に臨むのがベターです。
ただし、ジャケットの着用は必須です。
着用していないと「TPOを考えない人なのかな?」と、印象がマイナススタートから始まる可能性が大いにあります。
男性が中小企業や保守的な事業所・施設の面接を受けるなら、スーツ着用が無難
男性もビジネスカジュアルを選ぶ場合にはジャケットは必須です。
ただ中小企業などで事業所が各地に点在している場合や、保守的な事業所の場合は、男性だと特にスーツ着用が無難です。
その理由としては、前者は一般企業と同様、人事のプロが面接を行う可能性があるためです。
後者は面接担当者の世代や企業風土が「企業面接=スーツ着用」と考えている可能性が比較的高いと想定されます。
この記事でいう保守的な事業所とは、地域包括支援センターや特養、老健などの公的な面が強い事業所を指しています。
ただどのような事業所の面接でも、スーツを着て臨むこと自体で印象を悪くすることはほとんどありません。もしあなたがスーツを持っているならば、基本的に着て面接に臨むのがベターです。
- 面接はスーツでもビジネスカジュアルでもどちらでもいい
- スーツを持っているならスーツ着用で面接に臨むのが無難
- 女性はビジネスカジュアルで問題ない場合が多いが、ジャケットは必須
ケアマネの転職時のおすすめの服装
スーツやビジネスカジュアルといっても、種類や色、シャツや靴の組み合わせなど面接前に考えるべきことは多くあります。
それでは具体的に、どのようなスーツや服装、身だしなみが面接でマイナスイメージを与えないのでしょうか?
ここからはそれについて詳しく解説していきます。
女性の面接時の身だしなみ
面接時に最も気を付けなければならないのは「清潔感」です。
株式会社マンダムが実施した調査によると、採用面接において「清潔感」は「礼儀」と同等に重要であるとしており、9割以上の採用担当者が「身だしなみから受ける印象は選考に影響する」と回答しています。
このことから、清潔感をテーマに服装を選ぶのが基本となります。
ここでは主流のビジネスカジュアルについて、解説していきます。
ジャケット
女性用のジャケットは種類が豊富で、形も様々です。
面接のために選ぶ場合には、派手な色や形は極力避け、オーソドックスな形のものを選びましょう。
暗めの落ち着いた色のものを選ぶのがベターですが、パンツやスカートとの組み合わせが重要であるため、服装によってはベージュなども選択肢の1つとなります。
ジャケットのインナー
ジャケットのなかのインナーはカットソーやシャツ、ブラウスのいずれを選んでも問題はありません。
無地を基本とし、色合いは淡い色のものか白で、ジャケットの色と組み合わせを考慮したほうがいいです。
この組み合わせは年代ごとにもやや異なります。
例えば20代後半の転職では、黒のジャケットに明るい白のインナーを組み合わせると「若さ」をアピールすることができる一方で、40代~では「経験が浅そう」といった印象を与える場合もあります。
基本的には落ち着いた印象を与えるような色合い・組み合わせを選ぶとマイナスな印象を与えません。フリルやレース、ロゴなどが付いたカジュアルなものは避けましょう。
スカートorパンツスタイル
面接時の服装は、スカートでもパンツスタイルでも好きな方を着て問題ありません。
ただしいずれもカジュアルな印象を与える形や素材は避け、無地のものを選びましょう。
デニム素材やスウェット生地などは厳禁です。
ケアマネは事務職であるものの、サービス担当者会議やモニタリング、関係者との連絡調整などで動き回ることも多い職種です。そのため、パンツスタイルのほうが選択としてはややふさわしいかもしれません。
足元
スカートでもパンツスタイルでも、ストッキングの着用は必須です。
面接の場で素足はマナー違反となります。女性は靴下でも基本的にマイナスイメージを与える場合が多いです。靴を脱いだ時や着席したときに足元は見えるため、注意しましょう。
靴はローヒール~ミドルヒールの落ち着いた色のパンプスが基本です。これ以外の靴はカジュアルな印象を与えるため、履くのはおすすめしません。
アクセサリー
アクセサリーは極力、最低限でシンプルなものを選びましょう。ネックレスやピアス、イヤリングなどは主張の強いものを選ぶと派手な印象を与えてしまいがちです。
ネイルに関しては近年はネイルOKの介護の職場も増えつつありますが、その場合でも派手なネイルは避けたほうが無難です。ベージュや薄いピンクなどの目立たないものや、透明なマニキュアを選ぶといいでしょう。
男性の面接時の身だしなみ
男性も女性と同様、面接時の服装は清潔感を第一に選びましょう。
上下スーツが無難であるということもあり、ここではスーツについて解説します。
スーツ
男性の面接時の服装はスーツが無難であるため、セットアップスーツを選ぶのをおすすめします。
色合いは黒、ネイビー、またはグレーなどのいわゆるビジネススーツを選べば間違いがありません。
柄は無地が基本です。ただし黒の無地のスーツはリクルートスーツや冠婚葬祭といった印象を与える可能性があるため注意が必要です。
ストライプなどの柄があるスーツも選択肢としてはありですが、柄が目立たないものを選ぶことをおすすめします。
2つボタン、3つボタンのものがありますが、こちらはどちらを選択しても構いません。面接に臨む場合には1番下のボタンを外すのがマナーです。
シャツ
セットアップスーツのインナーは、シャツ以外の選択肢はありません。
シャツも無地が基本です。
色合いは白または淡い水色を選びましょう。
ノーカラーのシャツやボタンダウンシャツは面接などのフォーマルな場には適していません。
ネットで新たに購入する場合には間違えないように注意して下さい。
なお、シャツはできれば妥協しないほうがいいです。
安物はどうしても形が良くないものも多く、清潔感や真面目な印象が損なわれがちです。
どうしても予算的に厳しい…という場合には、ORIHICAやi-Shirtのシャツおすすめです。商品レビューを見ても「普段使いならこれで十分」という意見が非常に多いです。
ネクタイ
ネクタイにも様々な柄がありますが、フォーマルな場では無地またはレジメンタルが基本です。
水玉やチェックはややカジュアルダウンしますので、できれば避けたほうが無難です。
ネクタイの色は面接相手に与える人柄の印象に影響すると言われています。
真面目、誠実といった印象を与えたい場合には青系を、積極的な印象を与えたい場合は赤系などを選びましょう。
ケアマネのイメージを想像してネクタイを選んでみてください。
足元
靴は革靴一択です。これ以外はNGであるとさえ言えます。
色は黒またはダークブラウンなどの色合いだと、落ち着いた印象を与えることができます。
靴下は丈の長い黒または紺色以外はNGです。
間違ってもショート丈のものを履いて面接に臨んではいけません。着席したときに脛が見えだらしない印象を与えてしまいます。
革靴をまだ持っていない場合、長く使うことを考えるならばREGALなどのシューズメーカーの革靴をおすすめしますが、面接用で普段履く機会も少ないならば、割り切ってGUの「リアルレザーダービーシューズ」を選ぶのも選択肢の1つです。
もちろん価格帯が安いので革質や作り込みはそれなりですが、それでも5,000円以下で買えるビジネスシューズのなかでは比肩するものはないのではないでしょうか。
ちょっと見た目を気にする場合はフォクスセンスがおすすめです。売れに売れまくった本革のビジネスシューズは1万円前半となりますが、妥協して合皮のものを選ぶのであれば5,000~6,000円台で購入できます。
中国製ですが、革質は同価格帯の日本製よりも優れているとの声が聞かれるほど。スニーカーのような履き心地が売り文句で、革靴を履きなれていない人にもかなりオススメできるビジネスシューズです。
腕時計
男性の場合には腕時計を付けていくのも面接時のマナーです。
アナログ式の、黒またはシルバーのものがおすすめです。
デジタル式の腕時計はカジュアルであるため面接時にはふさわしくありません。
スマートウォッチは賛否両論ありますが、基本的に問題ないとされています。
ただ、保守的な事業所の面接を受ける場合には避けたほうがいいです。
バンドはメタルバンドか革が無難です。ナイロンやラバー素材はカジュアルな印象を与えるため控えたほうがいいでしょう。
特にこだわりがなく、値段も安いものでいい!と考えている人はCITIZENのQ&Qという時計がおすすめです。ビジネスシーンでも浮くことのないデザインで、Amazonであれば2,000円台で購入可能です。
面接を受けに行く服を準備しなければならない場合
面接の予定が決まったものの、ふさわしい服を持っていない場合は用意しなければなりません。
ここからはビジネスカジュアルとスーツごとに、準備するに当たっての外すことができないポイントについて解説していきます。
ビジネスカジュアル
ビジネスカジュアルを選ぶ場合には、男女ともに選択肢の幅が広く、既に持っているものを組み合わせることも可能です。
また、ケアマネとして働く際にも着ることができるというメリットもあります。スーツで仕事する人はあまりいませんからね。
ただ着古した服を着て行ってしまうと、カジュアルな印象を与えたり清潔感が失われる可能性があります。なるべく新しいものを着ていった方が見栄えは良いです。
スーツに比べ、全て用意するとなっても予算が大きくなりづらいのもコスパ的に〇です。
ただし、ジャケットだけはなるべく安いものを選ばないほうがいいです。安い価格帯のジャケットは形がカジュアルなものが多いだけでなく、素材自体が薄いため見栄えが悪いことが非常に多いです。
そのためジャケットだけは最低でも紳士服店で準備することをおすすめします。紳士服店のジャケットであれば、試着さえすれば大ハズレを引くことは少ないでしょう。
ビジネスカジュアルを新たに用意するなら「ORIHICA(オリヒカ)」
「ビジネスカジュアルは選択肢が多すぎて何を買えばいいか分からない」
「何年も前の服だからちょっといいモノに買い替えたい」
こういった悩みがある方は、ORIHICA(オリヒカ)が断然おすすめです。
ORIHICAは、大手紳士服メーカーの株式会社AOKIホールディングスが手掛けるビジネスカジュアルブランドです。
紳士服メーカーであるため、ジャケットの形が粗悪ではありません。1万円台のジャケットは素材も薄く形もよれっとするものが多いですが、ORIHICAのものはそこまで安っぽさを感じませんでした。
また、ジャケット以外も男女ともに服のバリエーションが豊富です。コーディネートの見本も掲載されているため着用イメージが付きやすいのも〇。
店舗もありますが、ECサイトもあるためweb上で購入もできます。
特にシャツは使い勝手が良く、コスパが良いと評判です。
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スーツ
ビジネススーツは、ケアマネの業務上あまり使用する機会がないため転職後はクローゼットに眠りがちというデメリットがあります。
ただ、ケアマネとして独立を目指したり、事業所内でのキャリアアップを目指すならば必ず必要になる場面が訪れます。ビジネスカジュアルは使い勝手はいいですが、よりフォーマルな場面では使えません。カジュアルはあくまでもカジュアルなのです。
もしあなたが先を見据えているならば、スーツは予め用意しておきましょう。
ビジネススーツを購入する場合、極力、サイズ感の合ったものを選びましょう。
サイズ感はスーツの命と言っても過言ではありません。
むしろサイズ感を最重要視しなければスーツを選ぶ意味が全くありません。悪い印象を与える大きな要因となります。
しかしサイズ感が完全に合ったものを選ぼうとすると既製品では難しい場合も多く、セミオーダーまたはフルオーダーとなると予算も日数が掛かることは念頭に置いておきましょう。
まだビジネススーツを持っておらず、購入を検討している場合には基本的に紳士服専門店で購入できるものをおすすめします。紳士服専門店で購入する場合、サイズも計ってくれるため、既製品を選ぶ場合にも極端にミスマッチなスーツを選ぶリスクが小さくなるメリットがあります。
「UNITED ARROWS」や「BEAMS」などのセレクトショップでもセットアップスーツは購入できますが、カジュアルな形も多いです。
フォーマルな場でも使用できるものか否かの判断が難しい場合にはおすすめできません。
でも、スーツって高いよねっ…
どうしても予算的に厳しい!とあれば、ユニクロのスーツのカスタムオーダーがおすすめです。店舗で採寸してもらうことができ、自分に合ったスーツを10,980円から選ぶことができます。ただ、質感やサイズ感、見た目はどうしても5万円台~のスーツに比べて劣ります。特にジャケットは素人目に見てもどうしても「それなり」に見えがち。
また、ユニクロのスーツは日本人の普通体型にはマッチしやすいですが、それ以外の体系にはサイズ感がマッチしづらいという欠点があります。ガッチリ体系であったり細身であったりする場合は、選択肢として考えないほうがいいです。
それと、採寸をしてくれる店員は紳士服のプロではないため、採寸に誤差が生じる可能性があることにも注意です。
それでも2万円台で他のスーツを買うならば、ユニクロのスーツがベストとなると思います。やはりそこは世界のユニクロ、無難であるものの質が悪いということは一切ありません。
ユニクロのスーツよりもコスパ良くいいスーツを着たいなら
Suit Yaは男女問わず自分に合ったオーダースーツを追加費用無しで29,800円から作ることができるオーダースーツブランドです。セール時には高級生地も29,800円になるため、質に対して非常にコスパが良いです。
でも安いってことは質もそれなりなんじゃ…?
Suit Yaは企画、製造、販売まですべて自社で行っているため、コストが抑えられこの価格でオーダースーツを提供できているとのことです。初回の一着は直しも無料なので、万が一「ちょっと合わないかも…」といったことにも安心です。
さらにSuit Yaで特徴的なのがそのオーダーの方法。web上で完結するため店舗に行く煩わしさがありません。
価格はユニクロよりもやや高くなりますが、より長く着ることを考えるとベターな選択肢の1つです。
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まとめ
ここまでケアマネの転職時の服装について男女ごとに解説してきました。
特に忘れてほしくない重要なポイント次の通りです。
- 面接ではスーツもビジネスカジュアルも可だが、清潔感が最重要。
- 女性はジャケット必須で、スカートかパンツを選択可。アクセサリーは控えめに。
- 男性は基本的にスーツが無難。色は黒、ネイビー、グレーが安全。
- 靴は女性はパンプス、男性は革靴が適切。
- スーツはサイズ感が合っているかどうかが最重要。
- ビジネスカジュアルの場合、ジャケットの質は妥協しないこと。
服装は面接時の印象を大きく左右し、採用の可否にも影響するため決して適当に選ぶべきではありません。
十分に時間を使って、熟慮して選ぶ価値があります。
皆さまがケアマネとして転職が成功しますよう、祈願しております。