ケアマネジャー試験対策問題 介護支援分野エキストラ問題⑤

問118 指定居宅介護支援事業者について正しいものはどれか。2つ選べ。

1. 利用者が不正行為によって保険給付の支給を受けたときは、意見を付けて国民健康保険団体連合会に通知しなければならない。

2. 書面に代えて電磁的方法による重要事項の説明は認められていない。

3. 利用者が病院・診療所に入院する必要が生じた場合には、利用者を担当する介護支援専門員が病院・診療所に対して氏名及び連絡先を伝えなければならない。

4. 障害者総合支援法に規定する指定特定支援事業者との連携に努めなければならない。

5. 利用者が通所リハビリテーションの利用を希望する場合には、利用者の同意を得て主治医等の意見を求めなければならない。

解答をみる

正解 4,5

1:× 利用者が不正行為によって保険給付の支給を受けたときは、意見を付けて市町村に通知しなければなりません。

2:× 電磁的方法による重要事項の説明も認められています。例としては、タブレット端末を使用しての契約時の重要事項説明などがあります。

3:× 利用者が病院・診療所に入院する必要が生じた場合には、利用者に対して、担当する介護支援専門員の氏名及び連絡先を病院・診療所に対して伝えるよう求めなければなりません。

4:〇 居宅介護支援事業者は、障害者総合支援法に規定する指定特定支援事業者や医療機関との連携に努めなければならないとされています。

5:〇 利用者が医療系サービス(訪問看護や通所リハビリテーションなど)を利用する場合には、利用者の主治医等に意見を求めなければなりません。ちなみに利用に際して主治医が反対意見を表明した場合、利用開始に必須である医師の指示書が交付されないため、医療系サービスを利用することが難しくなります。

問119 1人暮らしのAさん(73歳、男性、要介護1)は、身寄りがなく社会的な交流の機会も乏しい。通所介護を週1回利用している。通所介護の生活相談員から、「最近、Aさんが何度も同じ自慢話を話すようになり、他利用者との関係性が悪化している。また、以前よりも清潔感が失われているように感じる。」と報告を受けた。この時点での介護支援専門員としての対応として適切なものはどれか。3つ選べ。

1. Aさんの同意を得て、認知症初期集中支援チームに訪問の依頼をする。

2. Aさんに通所介護の利用日の変更を提案する。

3. Aさんに介護老人福祉施設への入所を提案する。

4. Aさん宅を訪問し、生活環境の再アセスメントを行う。

5. 地域包括支援センターに、支援に関しての助言を求める。

解答をみる

正解 1,4,5

1:〇 通所介護の生活相談員の報告から、認知症の症状が疑われるため、認知症初期集中支援チームに訪問依頼をするのは有効となります。認知症初期集中支援チームの支援対象は、①認知症が疑われる者、または②認知症であって医療・介護サービスを受けていない人、または③認知症であって医療・介護サービスを受けているが認知症症状が強くその対応に苦慮している者です。この事例では、認知症の疑いの段階であるため①に当てはまります。

2:× 利用者同士の関係が悪化していると報告を受けたからと言って、利用日の変更を提案するのは早計です。まずはAさんの状態が報告にあった通りなのか確認する必要があります。

3:× Aさんが施設入所への意向を示しているわけではなく、介護保険施設への入所を勧める段階ではありません。

4:〇 Aさんにどのような変化があったのかを再アセスメントするのは、今後の支援のためにも極めて重要です。

5:〇 地域包括支援センターに支援に関しての助言を求めることは、支援のどの段階でも有効です。この事例のように支援困難事例に繋がる可能性のある場合でも、早期に支援の手段について相談するのも1つの手段となります。

問120 Aさん(85歳、女性、要介護4、日常生活自立度(認知症)Ⅲa)は夫(85歳)と息子(59歳)と3人で暮らしている。夫から、「最近、妻の身体に打撲の痕や擦り傷が見られるようになった。私の見ていないところで息子が妻に対して暴力をふるっているのではないか心配だ」と相談があった。利用しているB通所介護の生活相談員からは「背中を痛がっている様子がみられるようになった。」と連絡を受けている。この時点で介護支援専門員の対応としてより適切なものはどれか。3つ選べ。

1. 通所介護の利用時にAさんの様子に変化がないかさらに詳しく話を聞くために、B通所介護事業所を訪問する。

2. Aさん宅を訪問し、息子からAさんの介護についてどのような状況か尋ねる。

3. ただちに虐待案件として警察に通報する。

4. Aさんの心身の保護のために、息子と別居するよう夫に説得する。

5. 夫にAさんの医療機関の受診を勧める。

解答をみる

正解 1,2,5

1:〇 通所介護の生活相談員だけの話であるため、他に変わった様子がないかなど直接通所介護事業所を訪問し複数の職員に話を聞くのも有効です。

2:〇 息子からAさんの介護の状況を聞くのも、問題解決のために有効となることがあります。息子がAさんの介護に対して何らかの負の感情を抱いていることが確認できた場合に、次の対策(短期入所介護の利用等)を勧めることができます。ただし、実際のケースでは逆効果となる場合もあり、熟考して行動を選択する必要があります。

3:× まだ虐待の事実を確認することができていないため、虐待として通報するのは早計です。また、虐待の疑いの通報は通常、市町村に行います。

4:× 虐待の事実は確認できていないため、息子を家から切り離すような行動を夫に取らせるのは早計です。

5:〇 通所介護事業所からの「背中を痛がっている様子が見られるようになった」との連絡から、骨折の可能性も考えられ、医療機関の受診を勧めるのは適切な行動です。

◀ 前の問題へもどる

次の問題へすすむ ▶

ケアマネ無料問題一覧へ