問題23Aさん(58歳 男性)は、会社の管理職をしていたが、仕事中に突然怒り出すことが多くなり、受診の結果、若年性認知症と診断された。Aさんは、まだ働けるという認識はあったが、退職せざるを得なくなった。夫婦二人暮らしで、妻(55歳)はパートで働いている。Aさんは要介護1の認定を受け、通所介護を週2回利用することとなった。サービス利用開始1か月後に介護支援専門員がAさん夫婦と面談したところ、Aさんは、高齢者ばかりの環境に馴染めないことと、妻のために我慢して通っていることが分かった。介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。3つ選べ。
( ケアマネジャー試験 令和4年度(第25回) 介護支援分野 問題23)
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正解 2,3,5
この問題のポイントは次のとおりです。
・Aさんは若年性認知症
・週2回の通所介護に馴染めていない
1 妻からAさんに我慢して通所介護に通うよう説得してもらう。
1:× Aさんに我慢してもらうだけでは、根本的に何も解決していません。また、Aさんが不利益を被っているままで健全な対応であるとは言い難いです。
4 通所介護の利用をやめて、Aさんが一人で自宅で過ごすことを夫婦に勧める。
4:× 馴染めていない通所介護の利用を中止し、自宅で1人で過ごすことを勧めるのはこの段階では不適切です。
2 通所介護の場でAさんが役割を実感できるように、通所介護事業所に通所介護計画を再検討してもらう。
3 地域の中でAさんが参加したいと思うような活動や場所を探す。
利用を中止する前に選択肢2、3のような対応によって問題解決を図るのが望ましいです。また認知症と診断されている人の外出の機会を減らすことは、認知症を悪化させる要因になるため慎重に行う必要があります。
5 若年性認知症に対応する社会資源開発を地域ケア会議で提案する。
選択肢5のように、Aさんを含む地域の若年性認知症を抱える多くの人に対する社会資源開発を、地域ケア会議に提案するのも有効です。