次の問いに答えなさい。
問16 次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。
1. 甲状腺機能亢進症では頻脈がみられる。
2. 最高血圧とは心臓の拡張期の血圧である。
3. グラスゴー・コーマ・スケール(GCS)では数値が小さいほど意識レベルが低い。
4. 気管支ぜんそくでは下顎呼吸がみられる。
5. 高齢者では成人と比べ呼吸数が多くみられることが多い。
1:〇 正答です。甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)では頻脈、甲状腺機能低下症では徐脈と覚えておきましょう。
2:× 最高血圧とは心臓の収縮期の血圧です。
3:〇 グラスゴー・コーマ・スケール(GCS)とは、世界的に使用されている意識レベルの評価指標です。日本ではジャパン・コーマ・スケール(JCS)のほうが多く使用されています。JCSと異なり、GCSでは数値が小さいほど意識レベルが低く緊急性が高いことを示します。
4:× 下顎呼吸は努力呼吸の1つで、死が近いときに現れます。 下あごを上下させ、口をパクパクさせてあえぐように呼吸します。なお、死に近い人全員に下顎呼吸がみられるわけではありません。
気管支喘息では下顎呼吸はみられません。起坐呼吸がみられます。
5:〇 高齢になると肺の機能が低下し、酸素の取り込みが悪くなるため、成人よりも呼吸数が若干多くなることが多いといわれています。
問17 検査値について適切なものはどれか。3つ選べ。
1. 腹囲が男性で90cm以上、女性で85cm以上の場合には腹部型の肥満とされる。
2. 血清アルブミン値は高齢者の2〜3日前の栄養状態の指標となる。
3. AST(GOT)は肝疾患がある場合に上昇する傾向がある。
4. サルコペニアが見られる場合には血清クレアチニンの値は低値を示しやすい。
5. 腎機能が低下すると血清クレアチニンは高くなる傾向がある。
1:× 腹部型の肥満と判断されるのは、男性で腹囲85cm以上、女性で90cm以上となります。
2:× 血清アルブミン値は高齢者の長期の栄養状態の指標として有用です。およそ3週間前の栄養状態を表しているといわれています。
3:〇 正答です。
4:〇 正答です。筋肉量が減少している場合、血清クレアチニンの値は低くなります。そのため、高齢者では成人と比べ血清クレアチニン値は若干低い値を示しやすいです。
5:〇 正答です。腎機能の悪化により血清クレアチニン値は上昇します。なお血清クレアチニンの正常値は、男性1.2mg/dl以下、女性1.0mg/dl以下です。(ケアマネ試験ではこの数値は覚えなくてもおそらく差し支えありません)
これが8.0mg/dl以上となると人工透析の導入が検討されます。
問18 次の記述のうち、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1. 血中尿素窒素(BUN)は腎機能の悪化に伴い高値を示しやすい。
2. 脂肪肝やアルコール性肝炎ではγ-GTPが上昇しやすい。
3. ウィルス感染では白血球数が増加する。
4. 炎症が発生していると血小板数が減少する。
5. ヘモグロビンA1cの値は過去1〜2ヶ月の平均的な血糖レベルを示す。
1:〇 正答です。腎機能の悪化以外にも、脱水や消化管の出血、悪性腫瘍などでも数値が上昇します。高タンパク食の摂取でも上昇しやすいです。
2:〇 正答です。γ-GTPが100以上となった場合は禁酒などの制限を行う検討がなされます。
3:× ウィルス感染では白血球数は減少します。
4:× 炎症が発生していると血小板数は増加します。
5:〇 正答です。令和元年の再試験でも実際に出題された内容ですので、数値を覚えるのが苦手な場合には問題文を丸々覚えておいたほうが無難です。