無料でできるケアマネジャー試験対策問題 老年症候群①

次の問いに答えなさい。


問1 老年期症候群について次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。

1. サルコペニアは老年期症候群には含まれていない。

2. せん妄は老年期症候群に含まれる。

3. 病態のほとんどが解明されている。

4. 高齢期の生活機能やQOLの低下に関与する。

5. 加齢による心身機能の低下だけでなく、社会的要因なども組み合わさり発生することもある。

解答
正解 2,4、5

老年期症候群とは、高齢者に多くみられる、医師の診察や看護・介護が必要となるおそれが高い症状や徴候の総称をいいます。
高齢期の生活機能やQOLの低下に強く関与すると言われています。
老年期症候群の症状や徴候は非常に多くあり、フレイルやサルコペニア意識障害(せん妄)、認知機能低下などがあります。
原因は多様で、病態がはっきりしない場合も多く、複数の要因が組み合わさって発生することも多くみられます。
また、心身機能の低下と社会的要因などの本人を取り巻く環境が組み合わさり、病態をより複雑なものにしている場合もあります。


問2 高齢者にみられる意識障害について次の記述のうち、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1. 脳血管障害や頭部の外傷などの急性的な意識障害も老年期症候群に含まれる。

2. せん妄の有病率は年齢とともに上昇する傾向がある。

3. せん妄には慢性的な見当識障害も含まれる。

4. 夜間せん妄には昼寝の機会をつくることが望ましい。

5. 高齢者の意識障害は周りの人間に気づかれないことも多い。

解答
正解 1,2,5

1:〇 高齢者の意識障害の原因には、脳の器質的な障害、薬剤の副作用、低血糖、高血圧、低血圧、呼吸器不全や尿毒症など数多くのものがあります。頭部打撲や脳血管障害などの急性的で発生する意識障害も老年期症候群に含まれます。

2:〇 せん妄は高齢者に多くみられ、有病率は年齢とともに増加します。ちなみに令和5年のケアマネ試験にも出題されています。

3:× せん妄は一過性の意識障害であり、慢性的な見当識障害はせん妄とはいいません。見当識障害が慢性的見られている場合は認知症の疑いがあります。

4:× 夜間せん妄とは、せん妄の症状が夜間に現れるものをいいます。予防には昼間に活動の機会を作り、夜によく寝られるようにすることが重要です。

5:〇 失神などのはっきりした意識障害は周囲にも気が付かれやすいですが、高齢者の場合は、ぼんやりとする程度の意識障害が発生していることも多々あり、一緒に生活をしている家族も見過ごすことが珍しくありません。


問3 次の記述のうち適切なものはどれか。2つ選べ。

1. 高齢者は自身の進退機能低下や病状、社会的役割の喪失、家族との死別などにより抑うつが高頻度でみられる。

2. 高齢者の抑うつは自殺に至ることは少ない。

3. 計算能力は加齢による影響が少ない。

4. 高齢者の低栄養はビタミンやミネラルの摂取不足が原因となることが多い。

5. 高齢者は体内の水分量が少なく、口の渇きを感じにくい。

解答
正解 1,5

1:〇 設問通りです。

2:× 高齢者の抑うつは自殺に至ることも多く、注意が必要だと言われています。

3:× 有する知識は加齢による影響が少ないものの、計算能力は大きく低下することが多いといわれています。
また、経験した事柄の記憶は昔のものはよく保たれ、最近の出来事に対してのものは忘れやすい傾向があります。

4:× 高齢者の低栄養はカロリーやタンパク質の摂取不足が原因となることが多いです。ビタミンやミネラルの摂取不足は疾患の原因となりますが、低栄養の原因となることは考えづらいです。

5:〇 設問通りです。そのため高齢者は脱水を引き起こしやすく、水分補給がより重要となります。


次の問題へすすむ ▶

ケアマネ無料問題一覧へ