リハビリテーションについて〇か×で答えなさい。
問1 急性期リハビリテーションは介護医療院でも行われる
介護医療院では回復期リハビリテーションを行います。
また介護保険制度のもとでは基本的には維持的リハビリテーションが行われます。
急性期リハビリテーションは医療保険制度のもとで行われるものであり、病院などで行わるリハビリテーションです。
問2 回復期リハビリテーションでは廃用性症候群の防止を目的としてリハビリを行う
廃用性症候群の防止のためのリハビリは急性期リハビリテーションで行われます。
回復期リハビリテーションでは、病気や怪我などにより低下した機能や能力を回復させるためのリハビリが行われるのが一般的です。
問3 回復期のリハビリ中は胸痛や不整脈、痛みの増悪や転倒など不意の状態変化に対する注意が必要である
どの段階のリハビリテーションでもこれは当てはまります。
リハビリ中は常に患者、利用者の様子の変化に注意を払っていなければなりません。
問4 片麻痺患者の歩行訓練では、介護者は患側に立ち歩行介助を行う
片麻痺患者の歩行訓練では、介護者は患側、つまり麻痺のある側に立ち歩行介助を行うのが原則です。
問5 左半側空間無視が現れている患者には、食事の配置を右側に偏らせるなど工夫が必要である
左半側空間無視では左側に注意が向かず右側に偏って注意が向いてしまうものです。
そのため、食事などで物を患者の前に配置する際には右側に偏らせる必要があります。
問6 片麻痺患者の食事では健側を偏って使うことから健側の口腔内が汚れやすく、口腔ケアが重要である
片麻痺患者は口腔周囲の筋肉の動きも低下している場合が多く、患側、つまり麻痺のある側の口腔に汚れが溜まりやすいです。
問7 「パタカラ体操」は切迫性失禁への有効なトレーニングである
パタカラ体操はオーラルフレイルの予防に効果的なトレーニングの1つです。
口腔体操であり切迫性失禁への有効性には疑問が生じます。
問8 関節の拘縮を予防するため、急性期リハビリテーションでは早期から他動運動を実施する
疾病や疾患、またその程度によってリハビリテーションで行うことに違いはありますが、拘縮や廃用性症候群を予防するために早期から他動運動を行うことが一般的です。
他動運動とは、身体を第三者(セラピスト等)または器具によって動かす運動のことをいいます。
問9 安静時の脈拍数が100拍/分以上の場合、運動を伴うリハビリは行わないほうがよい
日本リハビリテーション医学会によるリハビリテーション中止基準によると、リハビリを行わないほうがよいとされているのは安静時脈拍数40拍/分以下または120拍/分以上です。
安静時脈拍100拍/分では基本的にリハビリを行っても問題ないとされています。
ちなみに問題作成者は基礎疾患が無くとも安静時脈拍数が平均で105拍/分です。
頻脈気味ではありますが、実際のところ100拍/分くらいの人はそこまで珍しいわけではありません。
問10 SpO₂の正常値は96%以上であり、95%以下となった場合はリハビリを行わないほうがよい
日本リハビリテーション医学会によるリハビリテーション中止基準では、安静時SpO₂が90%以下でリハビリを行わないほうがよいとされています。
正常値は96%以上で間違いありませんが、高齢者は呼吸筋の機能低下などにより健康状態が良好であってもSpO₂の数値が95%以下を示す人は少なくありません。
ちなみにSpO₂は動脈血酸素飽和度です。血中酸素濃度ではありません。
リハビリテーションについてのケアマネ試験対策
リハビリテーションはケアマネジャー試験に高頻度で出題されるポイントであり、令和6年度第27回試験にも出題されています。
出題は基本的なことが問われることも多く、難易度はそこまで高くありません。
たまに医療系資格者(特にリハビリに携わる資格)でなければ馴染みの薄い内容を問われる場合もあり、問われる内容も多彩です。
ケアマネ試験対策のテキストでは補うことが難しい場合もあり、より深い学習は後回しにしてもいいかもしれません。