精神疾患について〇か×で答えなさい。
問1 高齢者の精神疾患は定型的で訴えがはっきりしている場合が多い
高齢者の精神疾患は訴えが多彩で曖昧である場合が多いのが特徴です。
問2 高齢者の自殺の原因・動機で最も多いのは「健康問題」である
厚生労働省の高齢者の自殺の特徴によると、高齢者の自殺の原因のおよそ7割は健康問題であるとされています。
高齢者の多くは自身の健康状態について悪い評価を下しがちであり、病気や痛みを大きなストレスと感じる傾向にあります。
継続的な苦痛がうつ病の引き金となり、それが自殺に繋がると考えられています。
問3 症状のコントロールが難しいことから統合失調症の治療には薬物療法は用いられない
統合失調症の基本治療は抗精神病薬による薬物療法です。
それに加え心理社会的療法を行っていきます。
問4 統合失調症の陽性症状とは、意欲の低下や、他者とのコミュニケーションを取らなくなることを指す
令和5年のケアマネ試験に統合失調症の陰性症状について問う選択肢の出題がありました。
統合失調症の陽性症状には、幻覚、妄想、思考障害があります。
陰性症状には、感情の平板化、思想の貧困、意欲の欠如、自閉があります。
問5 遅発パラフレニーは中年期以降の男性に多く、ある程度人格は保たれていることが多い
遅発パラフレニーは中年期以降の女性に多くみられます。
遅発パラフレニーは妄想性障害の1つですが、人格と感情反応が保たれていることが多いのが特徴です。
問6 妄想性障害は薬物や脳疾患に起因するものは含まない
妄想性障害の原因は実ははっきりと分かっていません。
ただ、基本的に薬物や脳疾患に起因する妄想は含めません。
これは妄想性障害の診断基準の1つに、「その障害は物質または他の医学的疾患の生理的作用によるものではない」と定められているためです。
問7 高齢者は飲酒による影響が現れにくい
高齢者は体内の水分量の減少によりアルコール血中濃度が高まりやすく、若者よりも酔いが回るのが早いです。
問8 アルコール依存症の患者数に占める高齢者の割合は年々増加傾向である
依存症対策センターによると、アルコール依存症を持つ者の中でも高齢者が占める割合は年々右肩上がりとなっています。
問9 アルコール依存症の治療には断酒が必要だが、飲酒を急激に止めると離脱症状による自律神経障害や幻視などがみられるため、段階的に飲酒量を減少させていく
アルコール依存症の治療は、たとえ離脱症状が現れるとしても断酒が望ましいです。
離脱症状は断酒後2日後が最も重く、4日から5日続くのが一般的です。
精神疾患についてのケアマネ試験対策
精神疾患の出題頻度は令和に入り6年連続でケアマネ試験で出題されているため、近年の頻出ポイントの1つとなります。
令和7年のケアマネ試験でも出題されることが予想されます。
難易度の高い出題は少ない傾向にありますが、令和5年のケアマネ試験では、統合失調症の陰性症状について問われるなど、知識が無ければ正誤の判断が難しい問題の出題もあり、やや注意が必要となってきました。
文脈で正誤がなんとなく判断できる選択肢が多いものの、遅発パラフレニーと統合失調症の症状や特徴については学習を進めていたほうが無難かと思われます。