高齢者に多く見られる循環器や消化器の疾病について〇か×で答えなさい。
問1 心筋梗塞は左腕や顎など胸部から離れた場所にも痛みが出ることがある
心筋梗塞や狭心症では、前胸部に締め付けるような痛みが出現するのが多く見られます。
ただ、これらの疾患には放散痛というものがあり、左肩や左腕にも痛みが現れることがあります。
さらに、顎や後頭部、こめかみのような離れた身体の部位にも放散痛が見られることもあります。
問2 高齢者の心筋梗塞の場合、心肺機能の低下から前胸部の痛みが特に強く現れやすい
高齢者の心筋梗塞では、しばしば心筋梗塞が発生しているにもかかわらず無痛であったり一切症状が見られないこともあります。
心不全を起こして初めて心筋梗塞の存在が判明する場合もあり、高齢者の心筋梗塞は発見が遅れることが少なくありません。
問3 異型狭心症では夜間や未明など運動をしていないときに胸に圧迫感が生じる
労作性狭心症とは異なり、運動をしていないときに冠動脈の攣縮によって引き起こされます。
喫煙や飲酒がきっかけとなることもあります。
問4 降圧剤を服用している高齢者は転倒のリスクが軽減する
降圧剤を服用していると、起立性低血圧を起こすことがあったりなどふらつきを訴えることがあり、転倒のリスクの増大に繋がります。
問5 高齢者の心不全では認知症のような症状もしばしばみられる
問6 心房細動で生じた血栓により脳出血が引き起こされることが多い
心房細動は脳梗塞の原因となることが多いです。
これは心房細動によりできた血栓が剥がれ、血流で脳血管まで血栓が運ばれ、それが脳血管を塞ぐためです。
問7 閉塞性動脈硬化症では間欠性跛行がみられる
間欠性跛行は脊柱管狭窄症でもみられますが、閉塞性動脈硬化症でもみられます。
また、閉塞性動脈硬化症は介護保険における特定疾病の1つです。
問8 消化器疾患のうち、高齢者では胃潰瘍より十二指腸潰瘍が多くみられる
胃潰瘍は50歳代以上に多く、十二指腸潰瘍は30代に多くみられる傾向があります。
問9 タール便が見られた場合、胆石症や胆嚢炎を疑う
タール便(黒色のねっとりとした便)は上部消化管(胃や十二指腸)から多くの出血がある場合にみられます。
なお胆嚢炎では白色の便がみられます。
問10 ウィルス性肝炎のうち、高齢者に多くみられるのはA型肝炎とE型肝炎である
高齢者で多いウィルス性肝炎はB型肝炎とC型肝炎です。
またC型肝炎は慢性化すると肝硬変や肝臓がんを引き起こす原因となることが多いです。
問11 肝硬変患者の食事管理ではタンパク質の制限を行う
肝硬変がある場合、タンパク質を摂りすぎると肝性脳症を引き起こす原因となるため制限が必要となります。
問12 潰瘍性大腸炎の症状が見られる場合、高脂肪食やアルコールの摂取を控え、繊維質の多い食事を中心とする
潰瘍性大腸炎では高脂肪食や繊維質の多い食事、アルコールの摂取は控え、消化の良い食事を摂る必要があります。
高齢者に多く見られる疾病(循環器・消化器)についてのケアマネ試験対策
循環器・消化器の疾病については、ケアマネジャー試験ではたびたび出題が見られます。
令和6年のケアマネ試験では出題がありませんでした。
出題される問題の傾向としては、難易度が比較的易しいものが多く、直感で誤りだと判断できるような問われ方をする選択肢もよく見られます。
個別の疾患では深い内容を問われることは少なく、ケアマネ試験対策のテキストに記載されている内容で十分カバーが可能かと思われます。
難易度が高くなく出題頻度も非常に高いわけではないため、学習を後回しにするのも1つの選択肢かもしれません。