ケアマネジャー試験対策一問一答 高齢者に多く見られる疾病(機能低下・神経疾患)

高齢者に多く見られる疾病について〇か×で答えなさい。

問1 高齢者の疾病の現れ方は若年者と比べ個人差が大きく、症状が非定型的な傾向にある

解答
正解 〇

高齢者は複数の疾病や老年症候群が併発していることが多く、症状が非定型的となりやすいです。
そのため疾病の現れ方の個人差も大きくなっています。 


問2 フレイルとは不可逆的な心身機能の顕著な低下で、健康と要介護状態の間といわれている

解答
正解 ×

フレイルは可逆的です。
フレイルの初期の段階で対策を行うことにより、健康な状態への回復が見込めます。
そのためフレイルの兆候が現れた場合は、できるだけ素早く対策、介入を行う必要があります。


問3 体重減少、筋力低下、疲労感、歩行速度の低下、身体活動の低下のうち3つ以上当てはまるものをフレイルという

解答
正解 〇

さらに細かく解説すると、
・体重減少    → 半年で2kg以上の意図しない減少
・筋力低下    → 握力の低下が一般的。65歳~74歳の場合、男性で28kg以上、女性で18kg以上が健康の目安
・疲労感     → ここ2週間で特に理由もなく疲労感を感じる
・歩行速度の低下 → 通常歩行速度が1.0m/秒以上が健康の目安
・身体活動の低下 → 定期的な運動や軽い体操、散歩をしているかの有無 
このうち3つ以上当てはまるとフレイル、1つないしは2つ当てはまる場合はプレフレイルに該当します。


問4 社会的孤立や閉じこもり、抑うつや認知機能の低下もフレイルに含まれる

解答
正解 〇

社会的孤立や閉じこもりは社会的フレイル(ソーシャルフレイル)、抑うつや認知機能の低下は精神・心理的フレイル(メンタルフレイル)に該当します。
なお身体面の機能の低下はフィジカルフレイルです。
フレイル(虚弱)とは単に身体機能の低下のみを表しているわけではなく、心理的に弱っている状態だったり社会生活から孤立してきているような状態など、様々な要因が絡み合って悪循環を引き起こしている状態を指します。
 


問5 サルコペニアの簡易的な検査方法に指輪っかテストがある

解答
正解 〇

令和5年のケアマネジャー試験にも選択肢として出題されている内容です。
サルコペニアとは、骨格筋量の減少を伴って筋力低下または身体能力低下が発生した状態をいいます。 


問6 ロコモティブシンドロームとは、メンタルフレイルとソーシャルフレイルが組み合わさった状態をいう

解答
正解 ×

ロコモティブシンドロームとは、運動器の障害が原因で移動に関する機能(立ち上がりや歩行等)が低下をきたした状態のことをいいます。 


問7 脳出血により右脳が傷ついた場合、左半身に麻痺が発生する

解答
正解 〇

左脳が傷ついた場合には右半身が麻痺します。
身体の半身が麻痺することを片麻痺といいます。 


問8 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、初期の段階で筋力トレーニング等を適切に行うことにより完治することができる

解答
正解 ×

ALSは現代の医学では完治ができない病の1つです。
ただ初期の段階で筋力トレーニング等を行うことにより、廃用性症候群の予防ができます。


問9 パーキンソン病では突進歩行がみられる

解答
正解 〇

パーキンソン病の特徴的な歩行障害に突進歩行というものがあります。
これは、歩き始めると前のめりになり急に小走りとなって自分の意思では止まることが困難となるものです。
歩幅が小刻みになるのも特徴の1つです。 


問10 パーキンソン病は転倒のリスクが非常に高く、歩行訓練は通常行われない

解答
正解 × 

パーキンソン病の歩行訓練は、安定性の確保を目的として行うことが多いです。
転倒のリスクが高いからといって歩行訓練が行われないといったことは通常ありません。


問11 進行性核上性麻痺はパーキンソン病に似た症状(パーキンソニズム)を呈するが、軽度の片麻痺が見られるのが特徴である

解答
正解 × 

進行性核上性麻痺では片麻痺はみられません。
パーキンソニズムを呈しますが、比較的早期から眼球運動障害や認知力の低下もみられます。


問12 ウェルナー症候群では20代から外見が急速に老化が進んでいくように見えるものの知能の低下が認められることは少ない

解答
正解 〇

ウェルナー症候群は早老症の1つです。
世界では日本が突出して患者が多く、世界のウェルナー症候群患者の6割が日本人です。
一般的に低身長で、外見や声質に大きな変化が20代から急速にみられることが特徴です。
また、傷が治りにくいと言われています。
知能や認知機能は通常通り保たれます。 

☑ 高齢者に多く見られる疾病(機能低下・神経疾患)についてのケアマネジャー試験対策

高齢者に多く見られる疾病は、幅広い分野の知識がケアマネジャー試験(介護支援専門員実務研修受講試験)では問われます。
令和5年の試験ではフレイルやサルコペニア、ロコモティブシンドロームが選択肢として出題されていました。
フレイルを含む機能低下については2年連続で選択肢として出題されており、今後も出題の傾向が続くと予想されます。

脳卒中やパーキンソン病に関する問題は、学習を適切に行っていれば直感で誤りであると判断できるような易しい選択肢が出されることも多々見られ、大まかな特徴や概要を抑えておくだけで失点は防げるかもしれません。
ALSや進行性核上性麻痺についての出題はそこまで多くないものの、選択肢の難易度が若干高い傾向にあり、疾病の特徴については必ず押さえておきましょう。

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